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第37話『禁断の男子トークだオセロッチ!!サマーキャンプの夜は更けて・・・』

      ☆白黒★オセロッチ!


【前回までのお話】

ハイキング中にブチ切れたシシ丸をケアしたオセロッチ!
一行は山頂に着きキャンプ飯を食べている!

前回


第37話『禁断の男子トークだオセロッチ!!サマーキャンプの夜は更けて・・・』



「うんめー!!なんだこのカレー!?」

「ほんとだ!すっごく美味しい!!」

「簡単に作れたのに給食のカレーよりずっと美味しいでやんすー!!」

ようやく山頂に着き、みんなでカレーを作った。

疲れた身体に、肉も野菜もたっぷり入ったカレーは格別なごちそうだった。

「このカレー、タマネギがいっぱいでスゴく美味しい!なんかこのタマネギ甘くない?」

「そうだよ、このタマネギは応其県の綾路島産なんだ。綾路島はタマネギの名産地でね。他のタマネギよりも甘いんだ。」
サカツカさんは料理に詳しい。

「へえ。」

「そういえばこのカレー、ニンジンが入ってないですね。」

不思議そうなナルキ。

「そういえばそうだな。」

スプーンでかき分けてニンジンを探すシシ丸。


「そうだけどそれが何か?」
サカツカさんの顔がピキッとする。

「・・・いや、カレーってたいていタマネギ、ジャガイモ、ニンジンが定番かなって思って・・・」

少し狼狽するナルキ。

「そう?僕は別にそれが定番だとは思わないけど。だいたいニンジンなんて赤いというだけでもてはやされていろんな料理にやたらと使われてるけど、味自体は別に大したことはないんだよね。もしニンジンが赤くなかったら、ずっと日の目を見ない野菜だっただろう、それがただ赤いというだけでありがたがられてさ、彩りの目的だけで使われる。結局見た目だけが取り柄なんだ、ニンジンが無いと成立しない料理なんかこの世に」

「…もういいよサカツカさん」

ガラス玉のような目で早口でまくし立てるサカツカさんをシシ丸が止めてくれた。


「これならいくらでも食べられるでやんすー!!」

「おいしいね!オセロッチ!」

「うん!おいしい!!」

オセロッチも夢中で食べている。




そうして、
初めてのサマーキャンプの楽しい夜は更けていった・・・






ぐごー、ぐごー、

テントの外で寝袋にくるまって寝ているサカツカさんのイビキが、オセロッチ達のテントにまで聞こえてくる。




オセロッチ達、男子はサカツカさんが張ってくれたテントに入り、一本多い川の字になって寝ようとしていた。



「前から思ってたんだけど、ナルキってなんで第3小にいるでやんすか?あのキムグループのお坊ちゃんなのになんで普通の公立小学校にいるでやんす?」

「俺も気になってたぜ。確かお前って転校して来たよな?どこから来たんだ?」

「京葉大付属だよ」

「け、京葉!?」

「どこだそれ」

「アニキはバカだから知らないんでやんすよ。オセロッチ、教えたれ」

「京葉大ってのはエリートしか入れない超名門の大学で、あの湯川教授や山中博士も京葉大の出身なんだ。その付属小学校だよ。」

「誰だそれ」

まったくピンときてないシシ丸。

「アニキは黙ってるでやんす!なんでそんな名門からカモメ第3みたいなダサいとこに来たでやんすか?」

「ま、いろいろあってね。」

ナルキには話す気は無いようだ。


「まーたミステリアス気取ってるでやんすぜ…」

おもしろくないミジンコ。


「転校といえばアカネもだな。あいつはどっから来たんだ?」

「それがわからないんでやんすよ!きいてもはぐらかされるんでやんす!」

話題がアカネのことになると元気になるミジンコ。

対してオセロッチは複雑な気持ちになった。あの一件以来、なぜかアカネはそっけない。カジノで負けたことに失望してしまったのだろうか。


「アカネってイケてるでやんすよね!オイラ密かに狙ってるでやんす!」

「ガハハハ(笑)お前みたいなチビ出っ歯がアカネなんか無理に決まってんだろ!」

「いーじゃないでやんすか!!ここだけの話、アカネはオイラに気があると思うんでやんす!」

「ガハハハ(笑)やめろ(笑)腹が痛い(笑)」

「あーっはっはっはっ!!(笑)」

ナルキまで大声で笑っている。

「あははっ!」

無邪気に笑うオセロッチ。



「なんでやんすか!ナルキとオセロッチまで!!ほんとでやんす!!シューズステーションに一緒に行ったでやんす!!」

「え!?マジで!?」

真顔になるシシ丸。

「それなら僕とユメちゃんも居たじゃないか」

冷静にツッコむオセロッチ。

「なんだよ、ふたりで行ったんじゃねーじゃねーか」

心なしか安堵したようなシシ丸。


「ほんとはオイラとふたりで行きたかったのに、アカネの奴意外と照れ屋だから恥ずかしくてオセロッチとユメ子も誘ったんでやんすよ。そしたらノコノコついてきたんでやんすやん!!」

着いてきたのは自分のくせに、話を盛るミジンコ。


「僕が思うに、アカネくんはオセロッチくんのことが好きなんじゃないかなぁ。」

ナルキは眠そうな声で言った。



「なに言い出すでやんすか!?ナルキにもアニキのバカが感染ったでやんすか!?そんなわけないでやんす!!」

ブチ切れるミジンコ。


「アカネくんがオセロッチを見る目と、他の男子を見る目は違うような気がするんだよなぁ」


「黙るでやんす!!アカネは絶対にオイラを好きでやんす!!間違いないでやんす!!」


「わかったわかった(笑)あー腹が痛い(笑)」

笑い過ぎて出た涙をぬぐうシシ丸。


「んなら、アニキは誰なんでやんすか?」

「なにが?」

「すっトボけてんじゃあねーでやんす!好きな女子でやんす!!」

「あ、僕もききたいなぁ。シシ丸の好きな人。」

眠いけど聞いてから寝たいナルキ。

「お、俺はそんなのいねーよ…」

「照れんなでやんすよ!ここだけの話でやんす!」

「そうそう、せっかくキャンプに来た仲じゃないか…」

オセロッチも耳をそばだてている。


「ちっ…しゃあねえなあ。・・・キウイだよ。」


「「「ええええッ!!!!」」」

驚く一同。

「あんなデカ女のどこがいいでやんすか!?」

容赦ないミジンコ。

「いや、キウイくんは良いレディだと思うよ。」

フォローするナルキ。

「僕もキウイちゃんはいいコだと思うよ。」

オセロッチとキウイちゃんは割と古い仲なのだ。


「でもアニキ、あんなにブチ切れてたじゃないでやんすか・・・。」

「そりゃあ・・・そうだけどよ」

もじもじするシシ丸。

「わかってないなあミジンコくん。好きだからこそキレちゃったんじゃないか。」

「・・・。」

シシ丸の顔が赤い。

「???。よくわかんないでやんす。」

「も、もう俺の話はいいだろ!!次はオセロッチ!お前はどうなんだ!!!」

「オセロッチにきいてもつまんないでやんす!コイツはカヲル子ちゃん一筋でやんすから。」


「・・・ま、まあそうだけど。」

一応照れるオセロッチ。

「そーだな。でもおめえにはユメ子がお似合いだぜ(笑)ガハハ(笑)」

「そーでやんす!!チビのオセロッチには同じくチビで鼻ペチャのユメ子がお似合いでやんす〜(笑)」

「なんだと!!僕よりチビのくせに!ユメちゃんはそんなんじゃないやい!」

「あーはっはっはっ(笑)」

「ガハハハ(笑)」

オセロッチをからかって楽しむシシ丸とミジンコ。

「さて、ナルキにも一応きいとくか?」

「キョーミ無いけど一応きいとくでやんすか、おい、ナルキ」


「スー…スー…」

ナルキはすでに寝息を立てていた。


「コイツもう寝てるぜ(笑)」

「やったでやんす!!顔に落書きするでやんす!!」

飛び起きるミジンコ。

「あー、マジックがあったらなあ」

「持ってきてるでやんす!!」

「でかした!!」

リュックの中をガサゴソするミジンコ。





「(やれやれ・・・落ち着いて眠れやしないぜ・・・)」


オセロッチは心のなかでため息をついた。



(つづく)




☆白黒★オセロッチ! 次回 第38話


☆白黒★オセロッチ! 第1話はコチラから



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