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『ここは今から倫理です。』山田裕貴さんの質問に答えてみる

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2021年1月16日~3月13日まで放送されていたNHKのよるドラ『ここは今から倫理です。』で出されていた山田裕貴さんからの質問に答えてみるマガジンです。
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#倫理

「勉強するのは何のためですか?」~『ここは今から倫理です。』山田裕貴さんの質問に答えてみる6~

「ここは今から倫理です。」6話は、家族のために勉強を頑張る田村くんと成績優秀だけどしゃべらない曽我くんのお話でした。 高柳先生はドラマの中で田村くんに 「他者への没頭は、それが支援であれ妨害であれ、愛情であれ憎悪であれ、  つまるところ、自分から逃げるための手段である。」というホッファーの言葉を、 曽我くんにショーペンハウアーの 「我々は他人と同じようになるために、厳しい自己放棄によって自身の4分の3を棄てねばならない」という言葉を送っています。 田村君は家族の期待

「あなたはどうやって"心"を癒していますか?」~『ここは今から倫理です。』山田裕貴さんの質問に答えてみる5~

ここは今から倫理です。5話は自傷行為をやめられない高崎さんと愛着障害を持つ都幾川くんのお話でした。 今回のテーマは「心と体」 心と体は分けられるのか、それとも分けられないのか。 ドラマの中ではデカルトの心身二元論と道元の身心一如が紹介されていました。 心身二元論とは、心と身体をおのおの独立して存在するものとする考え方。 心身一如は、心の働きと身体の働きは一体であるという東洋の宗教の修行法や東洋医学の考え方です。 私はどちらかというと心身一如の考え方の方がしっくりき

「ヒマと多忙どっちが幸せですか?」~『ここは今から倫理です。』山田裕貴さんの質問に答えてみる2~

私は、ヒマも多忙も、どちらも幸せです。 ヒマなときは、なんでも好きなことができるという幸せがあります。 絵を描いたり、録画した番組を見たり、本を読んだり、小説を書いたり、寝たり、刺繍してみたり。 ここ最近はやりたいことが増えすぎてしまったので、ヒマなときに少しずつ実践しています。 そして多忙なときは制約が効いて自由な時間は少なくなるけど、その分それに熱中できるので不安に思う時間が少なくなるという幸せがあります。 ドラマで高柳先生は「映画に縛られる2時間は、自由はない

「見た目で判断したこと、判断されたことはありますか?」~『ここは今から倫理です。』山田裕貴さんの質問に答えてみる3~

3話は妹に対してコンプレックスを抱えた深川さんと教師と生徒の恋愛について悩む松田先生のお話でした。 私も妹に対してコンプレックスを持っているので深川さんの悩みに共感できたし、それに対する高柳先生の言葉が深くこころに響きました。 ドラマの中で高柳先生は「たえず自分を鏡に映し、美しければそれにふさわしい人になるように、醜ければ教養によってその姿を隠すように。」という言葉を紹介していました。 この言葉を聞いただけでは意味が分からず困惑してしまった私。 神戸先生の解説の中でこ

「『これって本当に悪い?』と思うことありますか?」~『ここは今から倫理です。』山田裕貴さんの質問に答えてみる4~

ドラマが最終回を迎えてからしばらく経ってしまいましたが、引き続き山田裕貴さんの質問に答えていきます。 4話は、あることをきっかけに悪の世界に足を踏み入れてしまった近藤くんのお話でした。 何が「善」で何が「悪」なのか。 私は4話を見ていて、ある言葉を思い出しました。 「善人なおもて往生をとぐ いわんや悪人をや(善人でさえ救われるのなら、悪人はなおさら救われる)」 高校が仏教校で宗教の授業で習った言葉ですが、はじめて聞いた時は意味が分かりませんでした。 だって「悪人で