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去年の夏頃に、祖父母の家の畑にひょっこり姿を現した子猫ちゃん。

まだ生まれて数ヶ月も立っていないはずなのに、一匹だけで大きな芭蕉の木の下からよろよろと出てきました。多分、どこかのお家で生まれた後に、捨てられちゃったのかな。


祖父母は、最初は放っておいたものの、目やにでいっぱいで顔も汚れ、それでも小さな体からかすれ声を絞り出している姿にいたたまれなくなり、祖父が汚れていた顔を拭き、目には薬を塗ってあげました。そしたらすっかり懐いてしまい飼うことに。 

名前は、現役農家である祖父母が一生懸命育てている「そら豆」に由来して、「そら」ちゃん。

(「そら」にするか、「まめ」にするか迷った末、祖父の強い希望で「そら」になりました。)

最初は手に乗るくらい小さかったのに、半年立つ頃にはあっという間に倍の大きさに。

子猫ってこんなによく寝るの!と驚くくらいたらふく寝続け、起きているときは興味があるものにすぐ飛びついて、お腹が空いたら鳴き、眠くなったら寝る。そんな欲望のままに生きて、「わたしは愛されて当然よ!」(オスだから俺、でしょうか。)と言わんばかりに、堂々と今を生きている姿がとても愛おしく、そんなそらの姿に人間たちはメロメロ。


最初は猫が可愛そうだから仕方なく手当をしてあげて、餌をあげていただけだった祖父母でしたが、今ではそらも大切な家族の一員。彼らは毎朝、帰宅後、いつも必ず猫の居場所を確認します。


祖父曰く、一緒に遊ぶというよりも、できる限り猫の邪魔をせず、自然のままにさせることを心がけているらしいです。広い庭があるので、最近は近所の猫も一緒に遊び放題のそら。

祖父はこう言います。
「猫を助けてあげたけど逆に助けられてる。生きがいをくれた。」


子供5人を育て上げ、今は夫婦二人暮しの祖父と祖母。農業とゲートボールが軸だった生活の中に新たな楽しみが生まれ、毎日猫の世話に忙しそうにしつつも、楽しそうです。そらちゃん、家にきてくれてありがとう。

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