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【90年代ロック名曲選】Kool Thing - Sonic Youth

90年代を駆け抜けたロックの名曲たち。その魅力をサクッとご紹介♪


7/26-29に開催されたFuji Rock Festival ’24
現地参加は叶いませんでしたが、Prime Videoでライブ配信してくれたお陰で観たいアーティストを堪能できました。
しかもかなりの高画質でしたね!参加者皆さんの楽しそうな顔が眩しかったです。

今年のヘッドライナーはこんな豪華ラインナップ。

1日目 THE KILLERS(SZA直前キャンセル→代打がキラーズというサプライズ!)
2日目 KRAFTWERK
3日目 NOEL GALLAGHER'S HIGH FLYING BIRDS

3日間配信にクギづけでした。

そんななかでも個人的に印象的だったのは、Kim Gordon

知る人ぞ知るUSインディロック/オルタナティブのゴッド姐さん。

71歳(すごっ!)という歳を重ねてもあの佇まい。
ステージ映えするブロンドのボブヘアーに黒基調の衣装が最高にかっこよい!
とにかくオーラがハンパなかったです。
そして相変わらずの尖りっぷり。
ソロではベースをギターに持ち替え、ヒリヒリとしたステージングで魅了してくれました。

従えるバンドメンバーも印象的で、インダストリアルなシンセや、トラップビート調のドラムもホントカッコよかったです。

なんとも表現がしづらいのですが、異質のライブ空間を見事に創り出していました。

ということで今回は、そんな衰え知らず(←失礼!)のキム姐が活動していたUSインディの伝説的バンド「Sonic Youth」
その代表曲でもある1990年リリースの"Kool Thing"をご紹介します!

▼DATA
Artist : Sonic Youth
Song : Kool Thing
Writer : Kim Gordon, Thurston Moore, Lee Ranaldo, Steve Shelley
Album : Goo
Released : June 1990

Sonic Youthの基本情報

Sonic Youthは1981年にニューヨークで結成されたロックバンドです。

▼メンバー構成【今回紹介アルバムのリリース時点】
サーストン・ムーア(Vocal, Guitar)
キム・ゴードン(Vocal, Bass)
リー・ラナルド(Guitar, Vocal)
スティーヴ・シェリー(Drums)

ポップさとはかけ離れたパンク+ガレージ+アンダーグラウンドな要素がふんだんに詰め込まれた音楽性で、1980年代のUSインディを牽引していったバンドです。

その活動はインディペンデントを地でゆくものとして有名で、自分たちのレーベルを設立しDIY精神のもと、メジャーに迎合しないセールスを無視した自由な音楽作りで多くの作品をリリースしていきました。

また後に起こる1990年代グランジを彩ったNirvanaPixiesなど多くのバンドに影響を与えたことでも有名です。

特にギタリスト兼ボーカルを務める実質的バンドの中心的存在であるサーストン・ムーアの紡ぎだすギターは実験的を通り越して変態的と呼ばれています。

・ギター弦を通常とは異なる調律に敢えて変える変則チューニングスタイル
・ノイズとフィードバック多用によるスリリングな音像

彼の頭のなかにはどんな音が鳴っているのか?唯一無二といってもよい存在感です。

そんなSonic Youthもサーストン・ムーアとキム・ゴードン夫婦の離婚と同時期の2011年にバンド活動を停止してしまいますが、その独自の音楽スタイルと実験的なアプローチは今でも多くのアーティストやファンに影響を与え続けています。

Kool Thingの魅力

この曲は、ゲフィンレコーズというメジャーレーベルに移籍後リリースされた6thアルバム「Goo」に収録されています。

前作5thアルバム「Daydream Nation」(←これがまた素晴らしい傑作)が作品的にもようやく高く評価され、アングラから地殻変動が起きそうなタイミングで次の手としてリリースされた曲でもあります。

・ノイジーなサーストン・ムーアとリー・ラナルドが奏でるツインギター
・キム・ゴードンの重厚ベース
・楽曲を支えるタイトかつ跳ねるドラム

はい、もう大好物です!

そしてなんといっても最高にクールなのが、キムが担当するボーカル。
不愛想でポエムリーディングな歌声で、そこがなんとも印象的です!

中盤のアドリブセリフ調のところは、パブリック・エネミーのチャックDがゲスト参加しています。
(パブリック・エネミーの代表曲紹介は ↓ こちら)

ヒップホップ界隈の男尊女卑な考えや価値観に対して、皮肉を込めたこのパート。
これはラッパーのLLクールJとキム姐のインタビュー対談が、お互い噛み合わなかったことに着想を得て、歌詞に反映させたようです。
具体的にはフェミニズムや人種問題、そしてポップカルチャーに対する批判的な視点が反映されているとのこと。
いやー攻めてますね。

MVもかっこよくて、カラーとモノクロ映像が交錯するバンドパフォーマンス中心のシンプルな作りがこれまたクール。そんで黒猫を撫でるキム姐もセクシー。

メジャーレーベルに駆け上がっても売れ線を狙わず自分たちの音楽を貫いた姿勢、その景色を切り拓いたことで、その1年後の1991年に同じレーベルからNirvana「Nevermind」というとんでもない作品が生み出されることになります。

その着火点とも言える作品。
この流れシビレますね!

そして今 キム姐、最新モード突入

ということで、Sonic Youth1990年リリースの代表曲”Kool Thing”をご紹介しました。

この曲でボーカルを務めたキム・ゴードンはソロ最新作「The Collective」でも、Sonic Youth現役当時の独自の音楽スタイルと実験的なアプローチは健在で、更により研ぎ澄まされた曲たちを提示してくれています。

フジロックステージでの1曲目で演った”BYEBYE”もめちゃくちゃクールな仕上がりになっています。

ちなみにこのMVにでてくる女性は、キム・ゴードン&サーストン・ムーア夫婦の娘であるココ・ゴードン・ムーアです。
目元こそサーストン・ムーアに似てますが、佇まいはまさにキムゴードンと瓜二つ。
ぜひご覧ください!


キャリア重ねるにつれ丸くなるどころか、逆に尖りまくっているキム姐。

まだまだ自分も老け込むわけにはいかんな、と思わせてくれるアーティストのひとりです。
よっしゃがんばろ!

ではまた。

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