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太田酒俱楽部オンラインマガジン

全国の居酒屋をめぐり、数多の著作を世に問うてきた 居酒屋探訪家・太田和彦のオンラインマガジン。 毎月2回更新される「コラム」「フォト日記」「太田図書館」「お便り交歓室」など多彩な… もっと読む
好評の「コラム」「フォト日記」に「太田図書館」「お便り交歓室」を加えた、太田さんの魅力たっぷりの品… もっと詳しく
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2021年12月の記事一覧

お便り交歓室 Vol.07

フォト日記 Vol.20

KATT神奈川芸術劇場公演ちらし ※vol. 01 ~ vol. 05 までは無料で公開中

盃つまんで Vol.20

コロナ禍で演劇やコンサートの公演中止が続いた。熱心に稽古を続けてきた関係者の無念は如何ばかりか。私も家飲みばかりの毎日で、こんなに刺激や感動のない一年はなく、老残の貴重な日々が少なくなってゆく。さあ、再開だ。  九月九日、横浜「KATT神奈川芸術劇場」の「湊横濱荒狗挽歌(みなとよこはまあらぶるいぬのさけび)」へ。ちらしの惹句は〈作・野木萌葱×演出・シライケイタによる、歌舞伎の人気演目「三人吉三」をモチーフにしたハードボイルド現代劇〉。  劇団「阿佐ケ谷スパイダース」を立ち上げ

Offショット動画⑧ ロケ日和  川越編

晴れ渡る冬空の小江戸は、蔵の街全体が輝いていました。

フォト日記 Vol.19

※vol. 01 ~ vol. 05 までは無料で公開中

盃つまんで Vol.19

続々・盛岡 お昼をすませてコーヒーにしよう。   盛岡はまた喫茶店の町。これも大手のチェーン店ばかりになってしまった東京とちがい、個人でやる小さく個性的な喫茶店がいくつもあり、そのガイドブックもある。私のよく入る朝のコーヒーは喫茶「六分儀」だ。  数段上がる入口は同じだが店名が「羅針盤」になっている。いつも座る席に水を置くのは若い娘さんだ。  「コーヒーを」「はい」  すすけた壁に沿うベンチ椅子、柱時計下のライティングデスク、その上の花、天井から下がる六本の白熱すずら

太田図書館 #7

   「ニッポンぶらり旅」①~⑥  集英社文庫・600円~660円 週刊誌「サンデー毎日」に二〇一〇年~二〇一五年まで六年間連載した旅紀行は、六分冊で文庫になった。その順は、   第一巻「宇和島の鯛めしは生卵入りだった」 解説:川上弘美   第二巻「アゴの竹輪とドイツビール」    解説:川本三郎   第三巻「熊本の桜納豆は下品でうまい」   解説:嵐山光三郎   第四巻「北の居酒屋の美人ママ」      解説:森まゆみ   第五巻「可愛いあの娘は島育ち」      解

フォト日記 Vol.18

※vol. 01 ~ vol. 05 までは無料で公開中

盃つまんで Vol.18

続・盛岡 盛岡の老舗蕎麦舗「直利庵」で、秋の名品〈たちこそば〉を堪能し、数多い品書きから気になっていた〈オニオンそば〉とは何かを老女将に尋ねた。冷たい蕎麦にオニオンスライスと花かつおをたっぷりのせた夏向きだが、年中注文があるという。その後の話が興味深かった。  二〇一二年、七九歳の天皇陛下が冠動脈バイパス手術を受ける前に、この〈オニオンそば〉を召し上がられたという。女将は、生蕎麦、おつゆ、オニオンスライスなど材料を冷蔵ボックスで盛岡駅に運んで使者に渡し、陛下は召し上がられて入