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松岡美術館周辺 松岡美術館を作った松岡清次郎は明治二十七年、築地の米穀商の三男に生まれ、貿易、倉庫、ホテル、不動産などで富を築き、八十歳を機に収集品を展示するこの美術館を建てた。一階は古代オリエント、東洋彫刻、現代彫刻を常設展示、二階は企画展示と、常に両方を見られる。入ってすぐの広い円形ロビーはいくつも彫刻が立ち、奥の日本庭園からは外光が射して明るく、女性バイオリニスト二人のミニ演奏を聴いたこともあった。
松岡美術館「美しい人びと」展 港区白金の「松岡美術館」に「美しい人びと 松園からローランサンまで」展を見に行った。上村松園、マリー・ローランサン、私の好きな鏑木清方もいいが、美術展は未知の作家に出会えるのが楽しみだ。
「さいき」閉店 昭和二三(一九四八)年に開店し、七五年続いた恵比寿の居酒屋「さいき」が五月三一日に閉店した。 「さいき」の初代おかみ斎木櫻子さんは気っ風の良さで信頼され、戦後文学者も常連で通い、二階では「三田文学」の編集会議もしていた。
「明治美術狂想曲」展 皇居を望むお堀端「明治生命館」内「静嘉堂@丸の内」の「明治美術狂想曲」展を見に行った。 明治に三菱を創業した岩崎弥太郎の弟・弥之助は、丸の内一帯の官有地払い下げを受けてビジネス街の基礎を作りつつ、国史編纂、東洋文化財や美術品、典籍の保存を目的とした静嘉堂を創設した。息子・小弥太はその永続拡充のため、大正十三年、世田谷岡本にイギリス郊外風の「静嘉堂文庫」を建てた。その収集品を順次展示するために昨年開館したのが「静嘉堂@丸の内」だ。