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点を線や面にする支援が安心につながる

訪問看護は利用する曜日や時間を決めて家に伺う。
医療保険や介護保険を使って、利用する回数は、その方や家族が何を希望しているか、それが必要なことかで決められる。
看護師は医療面のサポートを30~90分という決まった時間内で、その日の体調に合わせて必要な手当をしていく。

看護師に関しては、訪問した時間だけ、1日24時間のうち、たった30分なり90分の、一部分の点での支援しかできないということ。
他に関わる専門家がいる場合は、それぞれが、その日の様子を知ることになるが、それ以外の時間は、家族が介護にあたっている。
だから、本人との歴史が長い、家族の視点を尊重して、その想いとの接点を増やしていく努力を続けていく。

多職種連携が求められている。
例えば月曜日と木曜日の朝はヘルパーさんがお手伝いして、水曜日の午後は看護師が訪問して、火曜日と金曜日はデイサービスに行くなどと予定されているとする。(介護度が大きいと、このような介護保険の利用は珍しくありません)

それぞれが情報を共有できると、その方の1週間の様子がわかってくる。
私の働いていた所では、市が無料配布する在宅療養ノートがあって、各介護サービスが1冊のノートに利用の様子を記載している。
家族が記入していいし、通院や往診で医師が書き込むこともある。
苦痛になるなら記入は強制されない物だ。

看護師は新しく傷ができて手当をした場合など、いつもと違うことがあれば、家族に伝えるとともに、このノートに赤字で書いたり、波線をつけたり、絵心がある看護師は絵で説明したりする。
事務所に戻ったらケアマネにも連絡する。
これで、傷が治るまで同じ手当を続けられる。
介護サービスの中で看護師が関わる日(デイサービスと訪問看護利用日)に手当を続けて、介護者が高齢などの時は、手当には加わらずとも傷を治せる。

ヘルパー、デイサービスなど福祉職と医療職が、家族の伴走者になれるように、関わるその時だけの点の支援でなく、そのほかの時間も埋めていける線や面の支援にしていく工夫や努力。

自分たちの知らない時間を知ろうとする想いや、想像する力を駆使することが、安全や安心につながると信じている。

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