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【感想】「君と宇宙を歩くために」を読んでみた

こんにちは。漫画・アニメ大好きなYuiです!
初めて記事を投稿させていただきます。このブログでは不定期に私が読んで
感銘を受けた漫画について、思ったことや考え等を書いていきたいと思います。また、現在ロングバケーション(休職)中の身でもあります。そんな中での、仲間や人との関わり、そこで感じたことなどについても別カテゴリで、不定期に記録していきたいと思います。

今回は、月刊アフタヌーンにて連載中の泥ノ田犬彦先生著「君と宇宙を歩くために」の感想を綴っていきたいと思います。
※あくまで個人的な解釈を含みます。
※また、感想はネタバレを含みますので、ご容赦ください。

ざっくりあらすじ

勉強もバイトも続かないドロップアウトぎみなヤンキーの小林。ある日彼のクラスに変わり者の宇野が転校してくる。小林が先輩から怪しいバイトに誘われているところを宇野に助けられ、その出来事をきっかけに2人の距離は縮む。宇野のことを知れば知るほど彼の生き方に惹かれ、自分も変わろうと行動する小林だったが…。「普通」ができない正反対の2人がそれぞれ壁にぶつかりながらも楽しく生きるために奮闘する友情物語。

月刊アフタヌーン」公式サイトより

あらすじにもある通り、本作品はヤンキーと変わり者の転校生という一見交わりの無さそうな2人が、偶然と「普通」ができないという共通点から次第に心の距離を縮めていき・・という、二人の少年の友情&成長物語です。

「普通」ができない二人の生きづらさに共感

本作の主人公である小林と宇野ですが、二人は異なるようで、本質的には同じ生きづらさを抱えています。

主人公の一人である小林は元々ヤンキーだったわけではなく、小学校で自分の「できない」に直面した時から、馬鹿で恥ずかしい自分を隠すために、カッコつけてヤンキーになったのでした。その後、自分を省みることもなく、バイトを始めても失敗したり、他の人ができることが自分はできない、と感じてしまい、一向に続かず、バイト先を転々とする日々を送っていました。

ヤンキーになった理由を友人に説明する小林
君と宇宙を歩くために 泥ノ田犬彦)

一方、もう一人の主人公・宇野はマルチタスクが苦手な自分、たくさんの人といるのが苦手な自分、大きな音や大きな声が苦手な自分・・etc、周囲とは違う「普通でない」自分と向き合うために試行錯誤してはいるものの、そんな自分を周囲から理解されないことも多々ある人生を送ってきました。

自身が感じている感覚を小林に説明する宇野
君と宇宙を歩くために 泥ノ田犬彦)

しかし、宇野はそんな「宇宙」にいるようで、まっすぐ上手く歩けない人生を歩きたいと願って諦めずにいました。

小林はそんな宇野の姿を見て強い共感を覚えると共に、尊敬を感じ、次第に宇野に影響を受け、自身を省みたり、行動を変える努力を始めていきます。

展開がとにかくリアルで、グサグサと心に刺さる

本作では、人間はすぐに変わることができるわけではないというのが痛いほど丁寧に描かれているように感じます。
小林、宇野、それぞれの視点で様々にエピソードが描かれますが、私は小林視点のバイト先でのエピソードにかなり共感しました。
最初にも少し書きましたが、小林はバイトが一向に続かず、バイト先を転々としています。しかし、宇野と関わり始めてから、現在のバイト先を続けていくために変わる努力を始めます。そして、そんな矢先にバイト先でミスをしてしまい、バイト仲間に裏で陰口を叩かれる場面に遭遇します。

努力を始めた矢先にバイト先で失敗してしまい、裏で陰口を叩かれる小林
君と宇宙を歩くために 泥ノ田犬彦)

いつもなら、ここで真っ先にバイトをやめてしまうであろう小林が、自分の「怖い、恥ずかしい」という感情に初めて目を向けます。この気づきは宇野と交流を持とうとしなければ、得られなかったものでした。

宇野の存在、言葉を通して、自分の嫌な感情と向き合う小林
君と宇宙を歩くために 泥ノ田犬彦)

私はこの小林の気づきを素直にすごいと思いましたし、このシーンはかなりジンとくるものがありました。こんな謙虚さを自分も早くから持つことができていたら・・と、つい、小林と自分を無意識に比較してしまうくらいにはうらやましさを感じました(笑)

実際、ここから小林はきちんと失敗を周りにミスを侘びた上で、自分がミスした理由を素直に説明します。小林が自分を素直にさらけ出したことで、周りからの印象や人間関係も少しずつですが、良い方向に変わり始めます。

素直に自分を曝け出したことで周りからの印象が変わる小林
君と宇宙を歩くために 泥ノ田犬彦)

この作品のすごいところは、ここでめでたしめでたし!とはならないところです。小林も宇野も、自分と向き合い続けることの苦しみや、漠然とした尽きることのない不安を抱えながらも物語は続いていくのです。

読む人によっては、あまりにもリアルな展開で読んでいて辛くなることもあると思います。
実際、これを書いている私も自分事として見てしまうようなエピソードばかりで、あまりに刺さりすぎて辛くなりながら読みました(笑)
でも、ここまで人が真摯に自分の認められない部分やダメだと感じる部分に向き合うことを描く漫画はあまりないと思います!

私ってダメだなあとつい自己否定的になってしまったり、自分に自信がなくて変わりたいと思っている人にこそ読んでほしいおすすめの作品となっております!

君と宇宙を歩くために」は既刊2巻と大変ハードル低く、読みやすくなっておりますので、少しでも気になった方にはぜひ読んでいただきたいです!

それでは、また次の記事でお会いしましょう♪

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