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G日記<映画『もしも徳川家康が総理大臣になったら』を観てきた>

 暑いしどこ行っても混んでるし、ということで夏季休暇2本目の映画を観に行く。半年前に原作を読んでいて、映画にも興味があったので『もしも徳川家康が総理大臣になったら』を観賞。原作は面白かったが、邦画ははずすこともあり、少々懸念していたのだが、原作とは若干差異はあるものの、十分楽しめる内容だった。口コミでは賛否が分かれているようだが、あまり否定的な口コミは参考にしない方がよいかもしれない。
簡単にあらすじを書こうと思ったが、内容はタイトルからも概ね連想されるので今回はパスする。前半はポリティカルコメディ、後半は啓発という感じだ。

偉人内閣

 映画に登場する偉人たちは、原作に出てくる偉人たちより少ない。尺の関係もあるだろうが、上手く絞っている。また、大臣も一部変更されているが、原作通りだと馴染みが薄いので、映画の方がわかりやすいだろう。
 
“映画に登場しない偉人たち”
●北条時宗 ●楠木正成 ●平賀源内 ●大久保利通 ●江藤新平 ●福沢諭吉など
徳川家康の名参謀:本多正信がいないのは少し寂しかった。
 
“変更となった大臣”
文部科学大臣 映画では紫式部➡原作では菅原道真
法務大臣 映画では聖徳太子➡原作では藤原頼長


閣議

 この映画で光るのは、まずキャスティングの妙だろう。特に三英傑は見事だと思う。ちょっと格好良すぎるが、GACTを織田信長にもってきたのは賢明だと思うし、豊臣秀吉を何度も演じている竹中直人などは同化していて、しゃべり方や姿形も本当にこんな人だったのではと錯覚してしまうほどだ。そして、映画を観るまではどうかと思っていたが、徳川家康に野村萬斎を持ってくる先見の明には感心した。他の偉人も適合していたが、個人的に坂本龍馬には少々疑問。一般的には映画のようなイメージなのだろうが、私が頭に描く坂本龍馬はあのように野性的ではなく、もっと優しい感じで、ほんわかした中に激情があるという感じなのだ。まあ、好きな歴史上の人物なので、誰が演じても気にいらないのだが、唯一、大河ドラマの福山雅治の坂本龍馬は良かったかな。

坂本龍馬

 偉人たちの即断即決、有言実行は胸がすくし、行動規範はそうあるべきだとあらためて気づかせてくれる。そして、偉人たちの言葉には重みがある。秀吉の「決める・任せる・責任を取る」などは多くのリーダーに聞いて欲しいと思う。
 さて、映画を観ながら、徳川家康以外にも総理大臣に適した偉人を考えてみた。藤原道長?平清盛?源頼朝?足利尊氏?武田信玄?伊達政宗?あれこれ上げてみたが、みな一長一短あり、日本の現状から、総合的にみるとやはり徳川家康かと納得した。
 最後に徳川家康が国民に向けて演説をぶつ。これを説教臭いという意見も多いが、結局今の時代に生きる自分たちが決めていくのだ、というメッセージは伝わってきた。説教臭いというより、けっこう感動する人の方が多いのではないだろうか。
 エンタテイメントとして十分満足できる映画である。
 歴史好きな私にはたまらない時間だった。

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