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オタクはアイドルを消費している話

こんにちは。オタクです。今日はたまたま昨日見たV6さんの2017年のライブ 「The ONES」のドキュメンタリー映像であの三宅健さんが語っていらっしゃったアイドル論が私のアイドル論と酷似していたので、ここでまとめようかなと思い立ち、書き残すことにしました。

まず彼が映像内で仰っていたのが「アイドルは職業的に『消費』される立場にある。だからどうしても情緒不安定にはなりやすい。」

この考えに私自身大大大大賛成で、すごく同じことを考えていました。そしてその考えを被消費者である彼が消費者(オタク)に発信する事は素晴らしいですよね。それほどV6のファンとの素敵な信頼関係があるのだなぁと痛感しました。

アイドル文化、もちろんそもそも人間である彼らが、消費、評価される対象になってしまっていること自体割とおかしな文化なのですが、それを現代社会で我々は「契約」という名の同意を元に理性的な物に落とし込めています。そりゃ人間である彼らにとって、消費され評価されることは彼らのメンタルに悪影響しかありません。ただ、三宅健さんの言う通り、彼らがアイドルである以上、消費されることは逃れられません。だからと言って評価、判断を一方的にされる側としてはたまったもんではないでしょう。特にこのSNS時代の今、昔と違い悪意がある無い関わらず、オタクからの評価、判断は直に彼らに届きます。

ですので今をかけるジャニーズアイドル、昔のアイドルに比べメンタルヘルスボロボロ間違いなしです。我々オタク、彼らの健康を守るためにどうすれば良いのでしょうか。

我々オタクは特になんの力も持ちません。運営に働きかけられる訳でもなく、働きかけられた所で「アイドルが被消費者」であるという事実は変えられない事だと思います。

そこで唯一オタクが出来ることと言えば「自分が消費者」であるという自覚を持つことだと思います。現代アイドル、もとい現代アイドルの運営は顧客であるファン獲得の為に「アイドルとファン」の関係をどれだけ「1体1」に見せるか、に傾倒し、かつ長けています。確かにジャニタレとの「疑似恋愛的」「1体1的」な幻想の中で彼らを応援するのは大変気分も良く、お金も落としたくなります。しかし、これでは彼らのメンタルヘルスにすげぇとんでもないレベルで悪い影響があります。そりゃ顔も知らない何万、何十万という桁のオタクに消費されてると思えば健康に良くないのも安易に想像がつきます。

我々は自分たちが消費者であることを自覚し、「アイドルと1体1である」という幻想から今一度抜け出し、彼らを推すという方法が一番彼らにとってヘルシーだと思います。

先日、SixTONESの田中樹くんがテレビ番組内で「最近は生見愛瑠さんが気になっている」という発言をし、1部のSixTONESオタクがだいぶSNSで騒ぎ田中樹君が後日ブログ内でそれについて触れていました。

SNSで騒いでいたオタク、というのは別に田中樹君の発言もしくは生見愛瑠ちゃんを叩いた訳ではなく、ただ単に田中樹君をはやし立てたものが大半でしたが、やはり中には「そういう発言は控えてくれ」というものも見受けられました。
田中樹君を推していればわかると思うのですが、彼は以前から「池田美優さんが好き」と発言していたり、女性タレントへの好意(それが恋愛感情である、ないは置いておいて。田中樹くんは恋愛感情はない、と仰っていましたが。)を隠さず明言するタイプでした。もし、田中樹君のその感じが嫌なら田中くん以外を推せば言いにも関わらず、わざわざ「そういう発言はやめて欲しい」と1部のオタクはSNSに書き込みました。

このような発言が出来るのはやはり、自分とアイドルの関係を「消費者」と「被消費者」であることを分かっていないからだと考えられます。
例えばハサミを買った時に「ここの持ち手がピンクだったら良かったのに」と思えば他のハサミを次から買いますよね?わざわざそのハサミ会社に「ここピンクにしてください!」とか言いませんよね普通。それはなぜかと言うと自分がお金を払って対象を購入している「消費者」だと自覚しているからなんです。本来、我々オタクとアイドルもそうだったはずなんですよね。田中樹君と自分が「1体1」で「彼はアイドルなんだからファンの主張に耳を傾けるべき!」と心のどこかで考えてしまっていると思うんです。でも、自分が「消費者」だと自覚できていると、お金を払って選んだのは自分だし、次は違うものを選ぼう、という思考までたどり着けます。femme fataleの戦慄かなのちゃん、頓知気さきなちゃんも仰っていましたが、「このアイドル自分に合わねーな」と思ったら他を探せばいいんですよ。なぜなら我々は「消費者」であって、推したい、買いたい対象を選ぶ権利があるんです。そして被消費者の彼らはファンを獲得するためにある程度はファンの求める事をしたりもしますが、必ずしもファンの求めることに合わせる必要も無いのです。よって我々オタクが「ファンのためにこうしてくれ!」とアイドルに直接(SNS)で掛け合うのは彼らにとって悪影響でしかありません。

これを理解していないオタクが多いために、暴力的に「消費」されている事実に情緒不安定が続くジャニタレがいたり、SNSで目立った自分へのコメントをわざわざブログ内で触れてくれてしまったりするんです。

これ以上、我々オタクがタレントたちを不健康にさせてしまっていいのでしょうか?前述した通り、SNSのお陰で以前よりもずっと私たちの声がタレントに良くも悪くも直接的に届きます。こんな時代だからこそ、我々オタクは「アイドルリテラシー」を獲得しなければならないのでは?と思います。

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