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健康に気を遣う犬

前に、我が家の犬のことを書いた。

この時書かなかった、彼の最も犬らしくない一面を紹介したい。

彼は健康に気を遣っている。まぁ、本人がそう言ったわけではないので、厳密にはそうでないかもしれない。でも、彼を見ていると、どうすれば健康的な毎日を過ごせるのかがわかる。これは断言できる。

犬の健康法 その1
朝日を浴びる

彼の家は、我が家の中でも南東角地に位置していて、よく朝日が入った。彼はそれを毎日欠かさずに浴びていた。熱心に。もしかして、犬なのに光合成ができるのではないか?と疑うほどに、季節ごとにわかる太陽の位置を把握し、常にベストポジションをキメていた。
朝日を浴びると、体内時計がリセットされ、体にいいと聞く。よし、ならば私も、と一緒に日光浴をしようとすると、彼に影ができてしまう。すると、露骨に嫌な顔をし、迷惑そうに私を見る。
申し訳ない。次の日からはこっそり彼の真似をすることにした。

犬の健康法 その2
間食しない

彼は1日に2回の食事をきっちり平らげ、それ以外にやれ小腹が減っただの、やれ甘いものが欲しいなどとおやつを求めてはこなかった。私が食べている体に悪そうなスナック菓子に興味を示すものの、小さなカケラをお裾分けしてあげても、不味そうに食べた。悪かったね。
散歩の途中に掘り出し物を見つけ、拾い食いして胃もたれしたら、胃薬代わりの雑草でしっかりケアしていた。それなら調子に乗って、拾い食いするの、やめればいいのに。まあ、夏祭りの屋台で買い食いしてしまうのと同じか。

犬の健康法 その3
夕方には副交感神経にスイッチ

朝には朝日を一身に浴びていたが、夕方になると、門扉に背中をつけてぼんやりしていた。夕暮れ時に、黄昏れる犬。
食事も、散歩も終え、あとは寝るだけという彼。こちとら人間は、夕方からもご飯食べたり、お風呂に入ったり、テレビ見たりといろいろと忙しいものだ。
寝る前にはスマホの光を浴びずに、副交感神経に切り替えなければならないらしい。彼の黄昏れもそういう切り替え作業だったのだろうか。どういうつもりだったかは、本人に聞かねばわからない。

犬の健康法 その4
運動は欠かさない

彼の楽しみは、食事と散歩、時々通りを歩く人間観察である。よっぽどのことがない限り、散歩は欠かさない。雨にも負けず、風にも負けず。夏の暑い日にも、雪にも負けず。
彼の運動は、連れて行く人間の運動にもなる。彼と私がシェアできる健康法。彼は運動中、好奇心いっぱいに道端のニオイを嗅いでいるが、私の方には特に好奇心が刺激されることは起こらないので、ぼーっとしている。彼には刺激、運動、快便の三拍子が揃っているが、私にあるのはノロノロとした散歩と蚊に刺された痕だけ。むむむ。

彼が本当に健康オタクだったかどうかは知らないが、人間で言えばピンピンコロリの往生だった。彼から学んだことは、これからも実践していくだろう。

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