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作業療法士しか知らない世界の見え方がある

こんにちわ、sumaです。

今回は久しぶりに、ブログっぽく思ったことを書きたいと思います。

今、新型コロナの影響で、多くの方々の健康や幸福が脅かされています。

そんな世界で起きている現状について、作業療法士ならではの見方(視点)で紐解きたいと思います。

1.with コロナの世界

先日、僕はこんなTweetをしました。

ホリエモンや落合陽一など、トップランナーの人たちもwithコロナの世界になることは予測していて、コロナの影響をゼロに戻すことはできないだろうと思います。

さて、僕は作業療法士という医療職であるわけですが、中でも生活を再構築することを支援する専門家です。

厚労省や国会議員たちも、「新しい生活様式へ」と謳ってはいますが、その中身は残念なもので、ただただ生きづらくするだけの改悪な生活。

僕たちが向かう先はどこなのか?

誰もが、疑問に感じていることでしょう。


まず、新型コロナが世界に与えた影響について簡単に整理しましょう。

❶感染予防策が最重要行動になった
❷無症状感染によって誰も信じられなくなった
❸感染=被害者と同時に加害者としても扱われるようになった
❹3密に該当する活動、イベント、行動は制限された
❺誰かを感染させてしまうことの恐怖が蔓延した

極端に言えば、「潔癖な人の行動を見習おうぜ」という世界になりつつあります。でも、そもそも論ですが、潔癖はあくまで人の性格特性や個性であって、すべての人に強要するような行動ではないと思うんです。「いやいやそんなこと言って感染広げたらどう責任とるん?」と言われてしまいそうですが、僕はすべての人が生きやすい世界であってほしいと思っていて、一部の人が生きづらい世界は嫌だなあと思うんですよね。

このnoteは、生きづらさを感じている人に届けたいんです。

そこで、withコロナの世界を作業療法士の視点で切り取って、みんなに伝えたいんです。

作業療法って、生きづらい人たちを少しでも生きやすくするんです。

そこには色んな見方と方法があって、専門的で分かり難さはあるんですが、すごく良いんです(語彙力)。

ま、次に進みましょ。

2.生きづらさを分解する

生きづらさって曖昧なものです。

大小あるし、要因もたくさんあってキリがない。

そんな生きづらさは、作業療法士の界隈では【作業機能障害】という用語で説明されています。

【作業機能障害】
その人にとってのやりたいこと、やらなければいけないこと、やる必要があることが適切に行えていない状態

この【作業機能障害】に対して、作業療法士である僕たちは解決に向けて支援しており、これを解決することで、その人の健康や幸福を促すことができると言われています。

さて、この作業機能障害には、さらに4つの下位分類があります。

Imbalance(不均衡)
・忙しすぎたり、暇すぎたりして生活のリズムが整っていない
・”やりたいこと“と“やらなければいけないこと”のバランスが崩れている

Deprivation(剥奪)
・外的な要因(道具、チャンス、環境)によってやりたいことができない
・身体の問題以外の環境、道具による制限

Alienation(疎外)
・自分のしていることに価値を見出せない
・やりたいことが見つからない

Marginalization(周縁化)
・自分がやりたいことを他者に認めてもらえない
・自分のやることを自分で決めさせてもらえない

さらに詳細は専門家 京極真 寺岡睦 のYoutubeをご覧いただけると嬉しいです(単純にいちファンです)。

結論を言えば、この作業機能障害の種類に基づいて、withコロナの世界を見ていくんです。

もう少し馴染むように、顔文字で見ていきましょう(笑)

Imbalance(不均衡)
(ひ・ω・ま)
 ´・д・`)。oO(暇)
  ( ゚ ρ ゚ )ボー
ヾ(・ω・`;))ノ三ヾ((;´・ω・)ノアワアワ
ヽ(´Д`;)ノヽ(´Д`;)ノ

Deprivation(剥奪)
( ˘•ω•˘ ;)ムズカシイ…
( ✋˙࿁˙ )
🔨┓(・ω・`)┏ネェヨ
ソレ、チョーダイ(。・д・)σ--→✂️

Alienation(疎外)
(º﹃º )💫ボ~
(ーωー).oO
(´・д・`)ヤダ
ドウデモイイ\( ´_ゝ`)/

Marginalization(周縁化)
💢😠💥😠💢
メッ(*´・ω・)ノ(>ω<`*)ペチ
だめ?(。ᵒ̴̶̷᷄ _ ᵒ̴̶̷᷅。)
( ´ω`X( ´ω`X<ダメダーメ

と言うように、生きづらさはこの4つに分解できます。

自分の状況を、上の顔文字みて探してみてくださいね。

3.見えない恐怖が僕たちの権利を奪っている

では、新型コロナが僕たちにどんな影響を与えているのか。

❶感染予防策が最重要行動になった
❷無症状感染によって誰も信じられなくなった
❸感染=被害者と同時に加害者としても扱われるようになった
❹3密に該当する活動、イベント、行動は制限された
❺誰かを感染させてしまうことの恐怖が蔓延した

新型コロナの影響は主に外的要因ですから、Deprivation(剥奪)がまず起こります。例えば、ライブやイベントに行くことが好きな人は、しばらく行けなくなってしまいました。元々それが生きがいだった人にとって、かけがえの無い時間や目的を失ってしまうわけです。

上記は一例ですが、自粛せざるを得なくなったことはすべて、Deprivation(剥奪)に該当すると考えて良いです。例えば、子供を外に連れ出して公園に行けなくなってしまったこと、映画館で映画を見れなくなったこと、好きな場所に旅行に行けなくなったこと。単純に「趣味の範囲」とか、「大したことじゃない」と言われるかもしれませんが、他人にとっては”どうでもいいこと“に見えても、その人にとっては“どうでも良くないこと”なんです。

生きるか死ぬかには直結しなくても、それを行うことで“人生に張りがでるかどうか”に影響します。

ここで一度念を押しますが、感染予防を軽視してよいと言いたいわけではありません。現状で優先すべきは感染予防であり、自粛が余儀なくされている現状には変わりありません。ただ、そこで健康被害が生じていることを認識してほしい、それだけです。

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上の図を見てください。横軸は緊急かどうか、縦軸は重要かどうかです。

現在は感染予防行動が最も緊急度が高いので、ほとんどの活動は自粛せざるを得ないことがわかります。感染予防行動よりも緊急度が高い行動例は生命維持に必要な衣食住くらいです。

次に、縦軸に注目してください。これはあなたにとっての重要な活動で、出来るか否かは関係ありません。

すると、誰にでも衣食住より重要な活動がいくつかあると思うんです。それができなくなると、気持ちが落ち込んだり、生活がつまらなくなったり、ストレスが溜まってしまいます。

そこを何とかすべく考えるのが作業療法士の出番というわけです。

4.意味を想像する

自粛行動によって出来なくなってしまったことは、感染リスクを下げられない限り再開することは叶いません。

この時、一般的には“別の活動で代替する”ことが薦められます。

例えばライブに行くことが趣味だった人には、ライブDVDやオンラインライブを見てもらうように。

しかし、実際はそう単純ではありません。

ライブに行くことの意味は、人の数だけ意味が多様にあるからです。

では、想像してみましょう。

ある人は、
好きなアーティストやアイドルに近づきたい、一緒に時間を共有したいと願っているのかもしれません。
ある人は、
ライブで出会う仲間や友人との交流を楽しみにしているのかもしれません。
ある人は、
ライブでしか味わえない空気感を感じるために行くのかもしれません。
ある人は、
ライブチケットを買うことで、アーティストを応援することに価値を見出しているのかもしれません。
ある人は、
現実から逃れるための場所として必要なのかもしれません。

自粛行動によって出来なくなったことの“カタチ”を代替するのではなく、“意味”を代替することがとても大切なんです。

そうすることで、その人の心が救われるんです。

5.誰でもできる作業療法ワーク

withコロナの世界では、もしかすると大好きだったアレコレが出来なくなってしまうかもしれません。

とても悲しくてつらいことだけど、その行動が誰かを脅かしてしまうと考えると、なかなか自由気ままに、とはなれないものです。

お伝えした通り、活動のカタチを気にするより、活動の意味を考えて、自分のやることを決めていく方が良いです。

こちらのワークは誰でもできると思うので、是非やってみてください。

作業療法士は、こんなふうに世界を見ています。

障害があってもなくても、今の世の中が生きづらいことには変わりありません。

誰もが大切な何かを剥奪されている。

感染予防を徹底しつつ、その大切な何かを取り戻していきましょう。

それでは。

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