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砂漠とピアノ【生成AIタイトル創作】

※この作品は、ChatGPIにランダムな単語の組み合わせを生成してもらい、そのタイトルにしたがって創作しています。
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私は、旅の途中で、ある砂漠の国に着いた。
その国にはオアシスが一つあり、その周りには大きく豊かな街があったが、オアシスから離れると街は小さなものになった。

そこでは、オアシスから運んだり、井戸を掘ったりして、何とか水を得ていた。幸い、動物たちは砂漠にたくましく適応し、人間たちはさらにたくましくそれを捕らえ、あるいは飼い慣らしていたから、街は小さいながらも活気があった。
私はその逞しさに惹かれ、その街にしばらく留まることにした。水をなるべく使わない巧みな暮らしにも慣れたころ、親しくなった街の男性から酒場で面白い話を聞いた。

彼らは、雨を降らす神を信仰していて、その神は楽器が巧みだと信じられているそうだ。彼はその神の使う楽器として、ある伝統楽器の名前を言ったが、私にはそれがどんな楽器か分からなかった。すると彼は酒場のピアノを指さして、まああんなようなもんだといった。適当なやつめ。

逗留も長くなってきた。目指す先のある旅ではないが、そろそろこの街を発とう。街に不満はないが、止まり続けると血が淀む気がするのは、やはり私には旅が合うということなのかもしれない。

荷造りをしていると、雨が降り始めた。はじめはポツポツと、次第にパラパラと。
先日の男が言う。お前は幸運だ、旅の初めに雨が降るなんて。
私の国とは全く反対の考えに苦笑しながら、ありがとう。君にも幸運を、などといっていると、外で音がする。
外を見ると、街の人たちが、めいめいいろんな壺や甕(かめ)を持って家から出てくる。ガラス、素焼きの陶器、美しい磁器まで、器という器が外に出てきた。
みんなが急いで飛び出してくるので器同士が軽くぶつかる、澄んだ音。慣れているので割るようなヘマをするものはいないようだ。やがて雨はそれぞれの器に溜まり、水音を立てる。器の素材や大きさ、元々の水の量などで、みんな違う音を立てる。白い壺も、黒い壺も。
普通ならとんでもない不協和音なのに、とても涼やかで、美しい和音。
それぞれの家の人々は、うちのが一番いい音だろう?と言わんばかりに誇らしげだ。

雨水を溜めておくための生活の知恵、ただそれだけのことが、こんなに洗練されたものになるのか。
私は、確かに雨の神は楽器が巧みなのだな、そして確かに、少しピアノに似ているな、と思いながら、色とりどりのツボの間をすり抜けて、次の街へと旅立った。
「ピアノ」の音は、街を離れてもしばらく響き、私の耳を楽しませたのだった。




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