登園日記#21 ナイフみたいに尖っては

朝はバタバタしているので、ついつい口調が荒くなる。

長男に対しても、その支度を共にする妻に対しても、

早くしてよ、遅れちゃうよ、何やってんの。置いてくよ。

きがつけばそんな言葉が口をつく。そんなこと言いたくないのに。

そもそも何時までにあれをやんなきゃ、これをやんなきゃなんて、ほとんど幻想に過ぎない。

自分で作ったルールに自分で縛られているようなものなのに、ついつい縛られた前提の言動を取ってしまう。

そんな中、なんとか家を出ると、長男がポツンと「おうちに帰りたい」と言った。

ドキッとした。無理やり連れて行っていいものか。保育園だって、確かにどうしても行かなきゃいけないなんてことはない。どう答えたものか。。

迷っていると、長男がもう一言「お花をママに届けたいの。保育園でつんだ花!」

長男は昨日、保育園で花を摘んで、先生にあげたと聞いている。その花を、ママにもあげたくなったのだ。

優しい気持ちに和んだり、保育園の出来事を楽しんでいることに安堵して、話はそのままになり、長男は何事もなかったようにニコニコと保育園に行った。



送ってしばらくたってから「本当はやっぱり行きたくないのかな」と思ったけれど、もう遅い。長男には今日一日を可能な限り楽しんでもらって、帰ったらたくさん可愛がるしかない。なるべくポジティブな気持ちを込めた言葉でくるんで、朝の失点を取り返すのだ。

妻にも何かお土産を買おう。物でなんとかできるとは思わないけど、モノに気持ちを乗せることはできるはずだ。





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