登園日記#19 スイッチを入れる
今朝は私が早めに目覚めた。長男はまだもそもそむにゃむにゃしている。
私は「おはよう」と声をかけ続ける。
寝ぼけ眼にじわーーーんと明かりが灯る。
真空管みたい、と思っているうちに、長男のテンションが上がっていく。今日の朝ごはんが大好物のドーナツであることを思い出したようだ。昨日買ってきて、お預けになっていたブツだ。
ドーナツのためならエンヤコラ、とばかりに手を洗い、ニコニコと食卓につく。
ドーナツを食べ終え、牛乳も飲み、支度もテキパキ済ませて家を出た。結局は人間、勢いなんだなぁ、と思わされる。
テキパキのおかげできょうは時間がある。太陽もほどよく大人しい。
いつもはバス、コロナ下ではタクシーで行く保育園までの道を、歩いて向かうことにした。
まだまだ赤ちゃんの面影のある頬を見ながらの抱っこ登園。同年代の子供を見つけては「お友達かな!」と言う長男。紫陽花。アスファルト。空。雲。
全てがマッチした気がした。
「幸せだなぁ。僕は君とこうしているのが一番幸せなんだ。」
脈絡もなく、若大将的なセリフが心に浮かぶ。
もう、夏が近い。
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