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盛況のInter BEEから、CONNECTEDセッションを配信(その1)

Inter BEE 2022が11月16日から18日まで幕張で開催され、リアルイベントとしては終了した。オンラインでは引き続き12月23日まで開催され、出展企業のネットでの展示、そして幕張で行われた様々なカンファレンスの配信も行われる。

私が担当したINTER BEE CONNECTEDは今年ボードメンバーを一新。まとめ役となった私を含めて6名のメンバーで企画し、当日の進行もメンバーの一部が担当した。

すでに事前に収録したプレセッションは配信されているが、幕張での計7つのセッションも随時配信される。ここでは昨日(11月28日)配信が開始されたものを簡単に紹介したい。

コネクテッドTVの初級編からわかる基調講演

まずは基調講演「コネクテッドTVとリニア配信サービスの最新海外事情から見えてくる“メディアの本質”」は今年注目のワードであるコネクテッドTVについて誰でもわかる初級編から、その先の議論となる中級編まで学べるディスカッションだ。コネクテッドTVだけでなく、AVODからSVOD、FASTとvMVPDといった用語を丁寧に紹介する。

こうしたサービスがテレビ受像機で楽しめるのがコネクテッドTVだが、アメリカでは広告市場の一部をはっきり担い始めており、これまでの放送による広告市場を補完し、ひょっとしたら取って代わる存在になるかもしれない。

また後半のディスカッションでは「PSM」の概念も登場し議論が深まった。この辺りはこの記事の最後で私見も交えて少し解説したい。

W杯配信の裏側がわかるスポーツセッション

会場で多くの人が聴講したのが「サッカーW杯直前!かわるスポーツ視聴」。スポーツ番組を送り届ける三人の方々が登壇し、それぞれ違う角度でスポーツ視聴の最前線を語ってくれた。中でもタイムリーなのはABEMAの塚本泰隆氏によるW杯配信の話だろう。カタール大会を全試合配信するABEMAがどのような新基軸の見せ方をするのかなど、詳細に語っている。
今年もっとも見逃せないセッションの一つとなった。

ローカル局を外の目線で語るセッション

CONNECTEDでは毎年、ローカル局をテーマにしたセッションを企画し、新事例などを各局の方に披露してもらってきた。今年は、ローカル局ではなく、ローカル局にパートナーとして関わる事業者の方に登壇してもらい、地域メディアとしての役割や存在意義を外側から見て語るセッションとなった。それぞれ分野の違う事業者の方々で、ローカル局に貴重な提言をしてもらえた。またプレゼンを通して、企業がいかに理念を持って事業に臨んでいるかもわかった気がする。様々な意味で学びになるセッションだったと思う。

クリエイターのこれからの在り方を議論する

私が進行役を務めた「クリエイター主役の時代が始まった」もぜひ見てもらいたいセッションだ。テレビ局を辞めて自分なりの制作活動を行う三人のクリエイターの方々が登壇。今やテレビ制作者の舞台はネットを中心に様々広がっている。その際の取り組み方や姿勢、オリジナルを開発する意義や思いなどを議論してもらった。

特に後半、プレセッションで紹介したVideographerについての議論では、その若さを決して見下すことなく、対等なライバルとしてリスペクトする姿勢が感じられた。本気で制作に取り組むクリエイターたちだからこそ、価値あるコンテンツを作ることを重要視し、年齢やキャリアも関係ないと捉えていることがよくわかった。真摯な姿勢には胸を打たれた。

このセッションはぜひ、Videographerセッションと併せてご覧いただきたい。

放送の未来を考えるキーワード、FASTとPSM

最後に基調講演の解説的なことを書いておきたい。このセッションは事前打合せを何回も重ねており私も2回ほど立ち会った。そのためこの放送業界の新しい潮流が少しは理解できたと思う。私が重要と思った2つのキーワードを取り上げる。

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