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3,300円のヤシカエレクトロ35GXどうだった?

酷道の峠越えで山形県へ

前回ちょろっと触れた「仙台写真月間」、今年のプログラムは終了しましたが、最終第4週は城田清弘「トレッキング286」と言う写真展でした。

仙台市内から山形市に至る国道286号線のなかでも、仙台から路線バスが運行されている川崎町までを、プラウベルマキナで撮影したのが今回の写真展の内容。
「笹谷峠までは行かなかったのですね」と、ど素人考えで言ったものの、それやったらまとまりがない展示になるよね…という答えが返ってきて納得したわたくしでしたが、じゃじぶんで見に行ったらどうだろ?と思い立ち、文化の日にまた早起きしてバイクで出かけてみました。
今回は動画撮影のテスト的なつもりだったし、ひと月にフィルム3本とか現像したらお財布がめっちゃ薄くなるなあ…と思い、そもそもオリンパスE-P3すら忘れて出てしまい、結局安いアクションカムで撮った映像もお空ばっか撮ってたようで、どっちつかずの内容に。

2枚ともあいほんで撮影

でっ笹谷峠は、下を山形自動車道の笹谷トンネルが通る狭路の峠道。
夏に秋保から山寺に抜ける二口林道という舗装林道を走ってきたのですが、それほど険しくはないものの、規格の低いのは同様の、限りなく放置気味の国道…よく酷道と言いますね…でした。
秋なので路肩は落ち葉で埋まり、普通車だとすれ違いも大変そうな道幅でヘアピンカーブの連続、昔ここを行き来していたドライバーは相当苦労したに違いないと思わせる道でした。
とりあえず山形市鉄砲町の終点まで行き286号線をコンプリートしたのですが、山形市内まで降りて行くと、午前10時ごろまでひどい濃霧でした。
ひとまず目的地にしていた寒河江付近からの帰り道、北山形駅近くの○ードオフに立ち寄ったのが、またしてもの間違いのはじまりでした。

ジャンクカメラの在庫豊富です(笑)


ズイコー20mm f3.5とか25mmとか、ペンFTに使える交換レンズ、広角を探して奥も見てるのではありますが、実店舗ではめったに見ないね。
それでも一応旅先でこの手の店があると吸い寄せられるように入ってしまうのです。
しかし今回は、今まで訪れたなかでは最多の在庫量に驚きました。
ガラスケース2つ分の比較的良さげな?ジャンク品とともに、スチール棚にあるコンテナ内にはほとんどゴミにしか見えなくても仕方ないのがザクザク。

SNS OKというからあいほんで撮影

ジャンクコーナーにあったわけではないが、ミノルタCLEには 100,000以上のプライスがつく一方でこれですから。
無論ペンFTの広角なんてなかったよ…しかし折角来たことだしと思い、少し真剣にブツを漁ってみたのであります。

ミノルタハイマチックF?
光学系汚れてるけどどうかな、と手にとるもののシャッター落ちない。
EEカメラだから電池切れかもと思うが箱に戻す。
キャノネットもずいぶんあるね。
しかしこのシリーズやや大きいのだ。

結局買ってきたのはこれでした。

どうですか、レンズはじめ光学系きれいでしょう。
ヤシカエレクトロ35GX。
ヤシカエレクトロシリーズの最終型です。

店頭で裏蓋開けて空シャッター切ったら、絞りも動くしシャッター動くし、水銀電池も入ってるもので手を出してしまった次第です。

内部もモルトの劣化した粉末を拭き取ってやるときれいです。
なんか低速シャッター4秒まで切れるはずなのに、見た目速度変わんないなあという不安はありましたが、夜にはLR44を2本入れて、ついでに期限切れの富士業務用400を詰めてしまったのですから、我ながら無謀な気もするけどね。

ヤシカエレクトロは修学旅行に行くときおばから借り受けて、その後正式に譲渡されたものの壊してしまった…としばらく前に書いた通りですが、たぶんこのGXだったんではなかろうか。
連動距離計つきで絞り環にはお天気マーク。
おぼろな記憶のなかのあのカメラと一致する。
そんなこともあって救出したのでした。

試し撮りの結果は…

雨の予報だったのにけっきょく夜遅くまで降ってこなかった土曜日、ちかてつで街にでかけて24枚撮りすぐ撮り終え、すぐ現像に出しました。

10年そこそこの熟成と比較的手持ちのなかでは新し目の期限切れフィルム使用でしたが、粒子は粗いものの、明るいところで、だいたい適正露出で撮ったものは、わりとシャープに解像しているようにみえませんか?

独特のアンダー&オーバー警告はおろか(軍艦部の警告ランプの矢印方向に絞り環を合わせてね!というシステムらしく、リングにも矢印がある)、バッテリーチェックを押すとフィルムカウンターのランプが点灯するはずなのにそこも不動。
その割には「けっこうふつうに写っている」気がします。
アンダー寄りなのはおわかりになると思いますが。

もうちょっと厳密に、やや開き気味に絞りを調節してやれば良かったのではないか。
まああとは、好みで期限切れにもかかわらず表記通りのISO設定で撮ったから、こんなものではなかろうか。
光線引き、光漏れもなかったから、注意点を理解してさえいればふつうに使えます。誰に貸すわけでもないし。

あとこのカメラ、特別小型軽量を狙ったものではないようですが、それゆえにか持ちやすく、ストラップなしで持ち歩いてもなんの不安もありませんでした。
こういう地味だけど基本的なところを押さえているっぽいのが個人的には好ましかったです。

ジャンク品狙いは博打である

しかしながら、この手のジャンクカメラであそぶのであれば、ハズレを引くリスクを十分に理解する必要があるのは言うまでもなく。
現在となってはフィルムだって安くはない。というか高い買い物になってしまっている。仮に写ってなかったら損害は大きい。
最低限、店頭でさわれるものならばシャッターと絞り羽根ぐらいはチェックできるようにしておきたい。あと汚れた光学系の清掃は相当に面倒なので、レンズはきれいなものを選びたいものですね。

まあ、わたしみたいな好事家でなければ、フィルム時代のEOSやα SWEETなどのAF一眼レフからスタートするのもいいと思います。
それこそジャンク品並の価格でふつうに使えるものが買えるようです。
そこから次のステップに上がりたいと思ってもらえるなら。
いきなり100,000円オーバーのT2、T3なんか、おいそれとは買えるものじゃない。
もし買える財力があれば、デジタルに行っちゃうのが自然な流れです。

中古カメラ業界に苦言を呈する

願わくば、まともな販売店では相場ではなく、プロとして正当な価格をつけてくれると嬉しいのですが。
若いひとたちや初心者にとって敷居が高いばかりか、逆に苦い思いをさせるようでは、フィルム写真の正常な発展も、市場規模の拡大もありえないと考えるのが、商売人として真に良心的な態度ではないでしょうか。
まだ発売が決定したわけではないようですが、リコーイメージングによるペンタックスフィルムプロジェクトに大きな期待がかかるのにも、中古カメラ業界のダークサイドが影響していると思うのです。
過去のカメラ業界は、可処分所得の多いおじさん層に支えられてきた側面が確実にあったと思いますが、労働環境も時代も変わりました。
いくら趣味だとしても、少しでも安く上げたいと思うのが庶民です。
生活を圧迫するようでは本末転倒ですからね。

そうは言っても底なし沼は楽しい

ただ、わたくしにかんしては、ぜんぜん反省してないのがおわかりかと思います。
ビンボーなりにたのしむ方法を探っているわけですが、それでも初心者にとってはハードル高いかも知れませんので、改めて注意喚起だけはしておきましょうか。

よいこはまねをしないでね」

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