見出し画像

なぜそのメダルをかじってはいけないのか

・名古屋市長が人の金メダルをかじる行動に至った心境を考えて見た
・だからといって「老害」とか「汚いおじさんの口」とか言いたくない
・彼の今後は親身に教えてくれる身内がいるかどうかと、真摯に聞ける器かにかかっている

なんだかモヤモヤするので個人的に考えてみようとおもいます。なんとなく今日の段階で思ったことを書き留めておきますので調査不足な点も多々あるかと思いますが、よければお付き合いください。

東京五輪ソフトボール全試合、最高でした。決勝戦が終了して一週間経過した今もアメリカVS日本の決勝の録画を見直しては熱い気持ちになり、ソフトボールに打ち込んだ青春時代も思い出し、私ももっと頑張ろう!そんな前向きな気持ちにさせられます・・・!

そんななか、びっくりするニュースが目に飛び込んできました。

河村たかし現名古屋市長が4日、東京五輪ソフトボール日本代表・後藤希友選手の金メダルを無断でかじったとのこと。

まず動画を見ると、後藤選手が自らメダルをかけてあげたのか、かけるよう促されたのか、市長にかけさせてと頼まれたのか、定かではありませんでした。ただ、特に断りもなく後藤選手の金メダルにガブリとかみついたのは確かでした。

女性20歳金メダリストのメダルを河村市長が無断でかじる行動に至った心境を考えて見た

「ひどい」「このコロナ禍でなんて不潔」「アスリートに対する侮辱」こんな言葉がまず浮かびましたが、「なぜ彼はこんなことをしてしまうんだろう???」これが一番気になりました。彼が「(メダルをかむ行為は)最大の愛情表現だった。迷惑をかけているのであれば、ごめんなさい」と同日夜謝罪しましたが、問題点を完全には理解していないように見えます。自分がなんでかじったのか、一回、河村たかしさんは心の奥底に問いかけてみたほうがいいと思います。(偉そうにすみません)

そんな私が1日かけて考えてみた河村さんが金メダルをかじってしまった理由は以下3つです。

かじった理由その1:かじってみたかったから

かじってみたい、この理由はなんとなく理解できます。私なんてオリンピックのメダルを間近で見ることも触らせてもらう機会も一生ないかもしれません。きっと近くにあったら触ってみたいとは思いますし、もっと言えばかじって「あの」ポーズをしてみたい、というミーハー心みたいなのが湧き上がっても不思議ではないと思います。実行するかは全く別物ですが。

かじった理由その2:かじってみたい"相手"だったから

これが市長と同年代の60〜70代の元オリンピアン男性が勝ち取った金メダルでも同じことをしたかな?と思います。おそらく若いかわいらしい女の子=自分より圧倒的に脅威ではない存在、と認識しているからできることだと思います。もっと言ってしまうなら彼が異性愛者で女性の物をかじるのに抵抗がないのも理由の1つではないかな、と。後藤選手と同じように若くても屈強な見た目の男性選手が勝ち取った金メダルをかじるかな??と勝手に想像するに、、(めちゃ勝手、すみません)する可能性が低いんじゃないかな、、、、その点が「セクハラ」と言われても仕方ない点かと思います。

かじった理由その3:かじっても問題ない相手だと思ったから

その2の脅威ではない相手と認識しているところに似てきますが、かじっても問題ない、ふざけても問題ないと思っている相手だからやったのです。彼なりの愛情表現と言っています。それはつまり彼なりの気の利いたジョークのつもりもあったのでしょう。そうだとしても自分の進退を揺らがす上司や天皇陛下、もしくは銃を突きつけてきた相手にリスキーなジョークをしかけられますか?私にはできません。一端の平社員である私だって自分の昇進に関係のなさそうな後輩には軽口を叩いた後、この態度は先輩にしないし出来ないな、というのを気づいてドキッとすることがあります。普通の人間だってあるのです「傲慢」が。その点を理解していないどころか、無敵無双状態になっている(と彼が感じていた)からこんな冗談ができたのでしょう。これが権力を持っている人だから出来た嫌がらせ、つまり「パワハラ」と言われても仕方ない点かと思います。

だからといって「老害」とか「汚いおじさんの口」とけなして言いたくない

私はこの該当の件についてSNSで「とんでもない出来事だ・・・」と呟きました。それについて知人が「老害ジジイだよね!!」と返事をくれました。

こういうことがあると、「老害ジジイ」とか「汚いおじさんの口で汚されてかわいそう」とか、年配男性の加齢いじりをされることがありますが、私はこういうのもすごく嫌な気持ちになります。

だったら綺麗な若い女性だったら人の物をかんでいいのかってことになるし、加齢=汚らしいこと、っていうのも絶対違う気がする。自分も年をとるし、女性も男性も年を取るほど汚く醜くなると思って生きないといけないのでしょうか?それって辛いし惨めだし絶望しかありません。

そのため、こういう年齢+性別への誹謗中傷は、自分もまわりも傷つけて生きづらい世の中を作ってしまう要因になると思います。だから絶対言いたくない。「おじさん」っていう言葉も侮蔑的な意味を少なからず含む気がするので(考えすぎかもしれませんが)日頃使わないようにしています。年配の男性、とか、何歳台の男性、とか事実だけをいうように心がけています。

今回の河村市長の場合は傍若無人というか、自分が偉くて何をしても許される支配的な思考の方なのかなという印象を受けています。1つの事象だけで断定づけてはいけないと思いますが、年配の成功している男性には傍若無人+支配的なタイプが多い気がします。それで「老害ジジイ」なんて言われる。今まで頑張って日本を築いてきた世代なのでしょうか、、彼らからしてみれば今、大いなる過渡期に立たされていて「え????なんで今これダメなの???ルール変わったの??冗談も通じなくなっちゃったの???世知辛い!」って感じなのかもしれない。

私、こういうとき思うのです。

彼の今後は、親身に教えてくれる身内がいるかどうかと、彼が真摯に聞ける器かにかかっている

長い間名古屋市長を任せられてきた方ですので、きっと人望も魅力も良いところもたくさんある方なのでしょう。周りに応援してくれる人がいるのであれば、こういうときにちゃんと「なにが」ダメだったかを教えられる人が近くにいるといいなと思っています。

記憶に新しい森喜朗氏の女性蔑視の発言のあと「家内にもこっぴどく怒られました」といった発言があったと思いますが、その後の謝罪会見を見るにそれは「お父さん、だめよもう!いつも言ってるでしょ、口には気をつけなくちゃ!」程度だったのではないかなと勝手に推測しています。(森家の食卓を勝手に想像・・・すみません・・・)

森氏の奥様がどのように「こっぴどく」怒ったのかは定かではありませんが、なぜ彼らがその発言・行動をしたのか、そこにパワー関係が働き、自分が卑しくも利用してしまったことを全面的に気付いてもらうところから始め、そこから、やっと真の反省とか気付きが生まれ、行動変容に繋がるのだと信じています。でも60年、70年やってきた自分の常識を根底から変える、これってすっごく辛くてしんどくて面倒臭くて体力のいることです。

そもそも権力者なんだから自分の人生は成功してると少なからず自負しているだろうし、当然今までのやり方に自信もあるでしょう。逆に自信がなければやってこれなかったはずです。

だから不可能に近いことかもしれません。

でも、本当に彼らが愛されているのなら、寄り添って教えてくれる人がいるなら、可能かもしれません。そして日本中の「なんでルール変わっちゃったの???世知辛っ」と戸惑っている方に、そういう人がそばにいてくれて、彼らもその人たちを信じて変わる勇気をもってもらえたらいいな。


本当の人間力が問われる状況だと思います。



て食い


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?