日本企業はなぜ「強みを捨てるのか」岩尾俊兵
実践一辺倒の日本とコンセプト化のアメリカ
単一民族、阿吽の呼吸が可能な日本の中では、文脈依存度の高い議論でもコミュニケーションが可能。多国籍で、様々なバックグランドをの人を抱えるアメリカでは、抽象度高くみんなが理解できるコンセプトに落とし込むことが必要なため、コンセプト化を強みとなっていった。
トヨタ生産方式から逆輸入された世界の経営理論
アメリカから輸入されたと思っていた経営理論の多くは、実はトヨタのカイゼンや生産方式を源流としている。
トヨタのカイゼンとは?
普段の生産活動の中で、生産に関しての知識を蓄積し、さらにその知識に疑問を持つ機会を与えることで、生産やサービスのあり方を再考することを指す。既存の生産の知識を深化させ。その知の深化を前提として、新たな生産方式を探索する。
トヨタ生産方式とは?
2つの考え方を柱に構成される生産方式のこと。
自働化:異常が発生したら機械がただちに停止して、不良品を造らない」という考え方
ジャストインタイム:各工程が必要なものだけを、流れるように停滞なく生産する考え方
まじでどこかで、聞いたことあるぞ….
カイゼンを源流とするいくつかの理論が、以下の通り。これもなの!?と驚く。
リーン生産方式
簡単なプロトタイプでいいのでつくって、とにかくまずは製品を作ってみよう。そのものを自分たちでみて、顧客・投資家に見せて、カイゼンを繰り返していくことで、製品やサービスの品質を向上させていけばいいという考え方。実は、トヨタ生産方式から来ている。
両利きの経営
Academy of Management Perspectives 2023におおいて、オライリーとタッシュマンが、トヨタ生産方式が両利きの経営の最もわかりやすい例としている。
社会的文化資本
日本企業にもともとある、トヨタ系列、ホンダ系列など、リレーショナル・ビューを源流とする考え方。Keiretsuでも通じる。企業の戦略的優位性をの企業自体に由来すると考えるのではなく、サプライヤーや協力企業まで含めてみること。
ティール組織
1970年代にウィリアム・オオウチ教授によって提唱された、セオリーZを源流とするもの。日本型組織とアメリカ型組織を合わせた考え方。
実は日本がはじまりのもの
スクラム
野中郁次郎
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クイックレスポンス
デンソーが開発
トヨタのカンバンを管理するために発明された
カイゼンはじまりのひとつ
これもあれも実はトヨタ始まりだったという事実におどろく。
かといって「日本はやっぱりすごかったんだ!」と目の前に広がる山積みの問題から目を背けることはしたくない。自分たちの強みは誇りに思いつつも、謙虚にアンラーニングし続けられる国や組織、人でありたいなと思いました。
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