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『FACTFULNESS』英語学習者にオススメです!

先日『FACTFULNESS』という洋書を読了しました。

こちら、毎日の雪かきで疲れたからだにはもってこいの良書でした。英語も難しくないし、話はとっても面白い。ビル・ゲイツ、バラク・オバマが絶賛し、ベストセラーとなったというのもむべなるかな、です。ぜひ、たくさんの方にお読みいただきたいなと思い、記事にしました。

英語レベル

本書の英語レベルですが、日本人の英語学習車の間でよく使われる、洋書の難易度を表す「YLレベル」は6.0あたりのスコアが付いているようです。

6.0というと「大人が読んでも読みごたえのある児童書〜ヤングアダルト小説」くらいの難易度かと思います。単語も結構タフなものがでてきますし、文法もそれなりに難しい。ですが、この本に関しては、ビジネス書という位置づけからか、比較的きちんとした英文法で書かれていますし、スラングや口語表現なんかもあまりありませんので、YLレベルの割には結構読み進めやすいと思います。

具体的には英検2級・TOEIC600点台の方〜学習教材として手にとっていただけるんじゃないかと思います。ただ、内容をそれなりに楽しもうと思えば、最低でも英検準一級・TOEIC700点台中盤以降はほしいところではあります。

本書には、英検・IELTS・TOEFLといった英語系資格試験を狙う人には最良と思われるトピックが満載です。英文もディーセントでリーディングの練習にもなる。まさに英語学習者にうってつけの内容です。

ちなみに、英検準一級のライティング・スピーキングテストでは、時事問題・社会問題の類が必ず出題(質問)されますが、この『FACTFULNESS』は、そのあたりの対策にもってこいだと思います。ぼくがもしこの本を一級受験時に読んでいたら、絶対にここからネタ引っ張ってきて解答するな、というくらい、教育、貧困、環境、エネルギー、医療、人口問題など「どまんなか」のトピックが並んでいました。

トピックが英語学習者には秀逸

教育、貧困、環境、エネルギー、医療、人口問題…。これらのトピックを通じて著者が訴えているのが「私たちがいかに臆断(思い込み)に支配されているか?」ということです。

その思い込みを、実証的なデータをもとに暴いていきます。実証データをもとにしているので、肝心なところは数字やグラフで表されている=つまり英文が読めなくても、そこに関してはきちんと理解できる(はず)ということ。ここがこの本を読みやすいものにしている理由の一つでしょう。

とにかくこの本を読んでいると、僕たちがいかに歪んだ色眼鏡で世界と物事を眺めているか、というのを思い知らされるようです。ぼくは基本的に「自分が信じていることが、実は思い込みに過ぎなかった」という話が大好きなんですが、本書はまさにそんなぼくの好みの「どまんなか」をつくものでした。

日本語版を買うよりも、英語版を読もう!

理由はよくわかりませんが、本書は洋書版の値段(Kindle)が日本語版の半分です。

そんなわけなので、ある程度英語ができる方なら日本語版を買うよりも遥かにお得、というわけです。

本書が日本で出版されたのは2019年の1月だそうです。確かに、英検準一級を受験するために帰国した2019年5月、本屋さんに大量に平積みされている本書を見つけて、またなんか変な本が流行っているんだな、と思ったものですが、内容を知ってたら絶対買ってたな。

僕は準一級は多読・多聴のみで全く対策なんてやりませんでしたけど、この本を一冊きちんと読み込んで本番に望めば、リーディングはもとよりライティングとかスピーキングの2次試験までも十分にカバーできる、目からウロコのお話がてんこ盛りです。

しかも、英検ライティング対策/スピーキング対策本を別々に買うのに比べてお値段はおよそ4分の1。何回でも読めて教養も身につく。こういうのを「コスパ」で評価するのは野暮ですが、その野暮をやっちゃいたくなるくらい、全方向からおすすめしたい一冊です。

読み終わったらTEDトーク

このあたりのビジネス書関係というのは、著者が「TEDトーク」に登壇しているケースが多いです。ビジネス系の洋書を一冊読み終えて「はい、おしまい」はもったいない。そんなわけで、本を一冊読み終えたあとは絶対にYouTube・TEDトークはチェックするようにしています。

で、検索してみたところ、でてくるでてくる。

著者のハンス・ロスリング氏はスウェーデンのお医者さんなので、英語の発音はネイティブ、というわけにはいきませんが、大変わかりやすい英語を話されるので、英語学習者にとって大変有益なものになっています。

ちなみにこちらのTEDトークは、この『FACTFULNESS』に書かれている内容の要約のようになっています。本を読むのがめんどくさいという方、あるいは購入しようかどうしようか迷っている、という方はこちらの動画をご覧になられてはいかがでしょうか?面白いです。

読み物としても秀逸で、英検やIELTSなんかの資格試験系の英語学習者にも強い味方になりそうで、おまけにリスニング用の教材まで充実している。色んな角度から楽しめる『FUCTFULNESS』。もっと早く知っておけばよかったなぁと思わずにはいられません。

世界は少しずつ進歩している

21世紀に入って、地球温暖化や爆発的な人口増加、金融危機、そしてパンデミックなど、僕たちの住む地球はもうとんでもないことになっていて、いずれパンクしてクラッシュしてしまうんじゃないか?という危機感をずっと抱いていました。

けれど『FACFULNESS』を読むことで、大変なこともいっぱいあるけれど、総じて僕たち人類はきちんと進歩していて、全地球規模的な視点から見れば、僕たちの生活はより良くなってきつつあるんだ、そんなことを思いました。

こういう言い方は、ある種のオプティミズムのように感じられ、これまではなんとなく口にすることをはばかられるようなものでした。現状から目をそらして、先進国の優位性のうちにあぐらをかいているようなものなんだ、と。

もちろん、そういう側面があることは否定できませんけれど、「先進国が豊かで、途上国が貧困である」というのが事実だとして、一方で「途上国とはどの国のことか?」ということを問われたときに、きちんと答えられる人って案外少ないということに、本書は気づかせてくれます。

僕たちが「途上国」と思っている30年前の途上国は、もはや女性の教育水準、医療水準、平均寿命ないし社会インフラにおいて、いわゆる欧米諸国と肩を並べるくらいにまで成長しているのだ、という事実を実証的に示してくれる『FACFULNESS』。

そのことを通じて「悪くないじゃん、人類」と思わせてくれた本書には、やっぱり一読の価値があると思いました。

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