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2020年下半期に読んだおすすめの洋書をご紹介します
今年ももうすぐ終わりそうですが、結構たくさん読んだ一年でした。
2019年11月に英検一級に合格するまでのおよそ1年半に読んだ洋書が41冊。そこから年が明けて今年2020は47冊読みました(ちなみに、今年の11月くらいから読み始めた「絵本」はカウントしていません)。
ちなみに下の記事では今年7月の段階で読んでいた29冊も併せて紹介しました。
セブから帰国した今年の3月以降は英語環境恋しさ故か本当にたくさん読みましたが、12月に入り、英語に触れている時間がすっかりTOEIC対策一色になってしまったので、少し早いかもなのですが、2020年の下半期に読んだ中で面白かった洋書をいくつかご紹介しようとおもいます(もう年内は新しい洋書読みそうにないので)。
もちろん、ここに上げているもの以外で読んだものも基本的には面白かったんですけど、中でもとりわけという「選りすぐり」をご紹介しています。
推奨レベルはいずれも「英検準一級以上」「TOEIC800点以上」です。最後の2冊は英検一級、TOEIC900点は欲しいなぁ。
ちなみに書籍の並び順は「読了した日付」順で、難易度順ではありません。
では、どうぞ!
Life on the Refrigerator Door
お母さんとその少女がやり取りしているメモだけでお話が進んでいく、一風変わった小説です。
英語はそんなに難しくないですが、ネイティブのカジュアルな表現が頻出するので、慣れていない僕には少し読むのに骨が折れました。
最初のうちは淡々と進んでいくのですが、ある出来事がきっかけで物語は一気に急展開します。それ以降の母子の揺れる心と、メモに乗せて語られて徐々に明らかになっていくストーリーや、それに伴って変化していく二人の関係の描写は素敵で、一読の価値アリです。
話の展開が唐突に変わる時があるんですけど、それはメモとメモのやり取りの間になにか新たな出来事が起こっているからで、そういうのを類推しながら読むのもまた一興です。
時間ができたらまっさきに再読したい一冊で、次はちょっと精読気味にきちんと読んで、苦手な句動詞とかネイティブのナチュラルな口語表現に親しんでいきたいと思っています。
I will always write back
読みながら「なかなか進まないなぁ」と思っていたら、総文字数が10万語を超える作品だったようで、どおりでKindleの「残り何%」のところがなかなか減らないなあって感じでした笑
アフリカの極貧の家庭の男の子と、アメリカの中産階級の子女である同い年の女の子の文通、というのがはなしの骨子です。アフリカの貧困世帯の状況がわりとリアルに描かれていて、なかなかすごいなとおもっていたら、なんとこれノンフィクションだったのでした。
なぜかそれから一気に感情移入してしまって、そこからは読み進めていくのがとても早くなりました。この時期は前職での仕事の忙しさがほとんど暴力と言えるまでになってきていたので、寝る前の時間を利用していけるところまで読み進めていました。寝たくない、寝るのがもったいない、そんな感じで読んでました。こういう読書体験って久しぶりだなぁ。
こちらは、上の「Life on the Refrigerator Door」と違って、比較的クセのない英語で書かれているので、そういう意味では読みやすいと思いますし、いい多読経験になるとおもいます。一般的に多読はとりあえず100万語を目標に、と言われていますが、この一冊でその10分の1の量を一気に読めますし、いい勉強にもなるとおもいます。
この量の英文をいちいち「日本語に訳しながら」「返り読み」していたら一生かかってしまうので、英語を英語のまま理解する「英語脳」を鍛えるのにも最適な一冊なんじゃないでしょうか。
Judy Moody was in a mood
前に読んだ「I will always write back」があまりに脳に負荷がかかったので、忙しかったのもあり、少し英語のレベルを落としてみようと思って手にとったのが、この『Juddy Moody』と、次にご紹介する『Lizzie Zipmouth』です。
この二冊は多読入門用にオススメしたいなぁと思うもので、ネイティブ向けのコンテンツをきちんと学習に取り入れている英語学習者であれば、英検2級レベルでも楽しめるんじゃないかと思います。
逆に、今の僕みたいな「TOEIC対策」とか「英検の参考書」みたいなものばかり使って「お勉強」ばっかりしている頭でっかちの英語学習者には歯が立たないとおもいます。
というのもこの二冊、句動詞やイディオムの類の、つまり中学1・2年レベルの簡単な英単語を駆使していろんな表現をしているからです。
「ボキャブラリーを増やす」といえば今の自分のレベルよりちょっとだけタフな単語帳を買ってきて、それをシコシコ回す、というやり方しか思い浮かばない2年ほど前までの(つまり多読を始める前の)僕みたいな英語学習者は、たとえそれでWashington Postくらいは読めるようになったとしても、死ぬまでこのレベルの、つまりネイティブの小学校低学年の児童が読むような洋書が読めない、ということになるんだろうとおもいます。
それはそれでご自身の自由なんだろうとは思うけど、活きた実用に足る英語を身に着けたい!と思っている英語学習者の方は、ボキャブラリーレベルが1万語くらいまで行ったらさっさとこのレベルの洋書の多読に学習法をシフトして、いきた、使える英語を身に着けていくほうが、遥かに英語でできることの幅が広がって良いんじゃないかと思います。
Lizzie Zipmouth
こちらは上の『Juddy Moody』と同じ理由で選んだ、オススメの一冊です。
正直、英語レベル的にいうと、英検一級レベルの自分には若干物足りないのも事実です。でも、やっぱり知らない表現、特にとても優しい英単語を駆使して表現されるいろんな言い回しに興味があって、本当にためになります。
そんなシンプルな英単語を使って、こんなにせつなくて、ちょっと泣けて、そして最後はハッピーな気持ちになれる物語が書けるんだ、ということがとても新鮮で、「英語勉強しててよかったなぁ」って思わせてくれた一冊でした。
長さもそれほどありませんし、上の『Juddy Moody』と併せて入門用に是非オススメしたいのと同時に、英語がそれなりに読める方にもご一読いただきたい一冊です。
まあペーパーバックをバリバリ読める、というネイティブレベルの方には物足りないとは思うけど。
Animorph
多読にオススメの洋書、みたいなものをネットで検索するとよくでてくるのが「ホラーもの」とか「変身もの」、あとなんかドラゴンとかに乗って冒険するファンタジーみたいなものが多いんですよね。外国の小学生ってそういうの好きなのかなぁ?
僕は日本語でもそういうの読まないし、小さいときも興味がなかったので、その手の本は多読するのを避けていたんです。
でも、今の自分にちょうどいい感じの洋書を探す手間を省きたくて(本当はそういうの探す行為そのものが楽しいんですが、まあよっぽど先に勤めていたIT会社で精神を削られていたんですね)手にとってみました。
そしてそのあまりの面白さに、どうしてもっと早く手にとっておかなかったんだろう、と後悔したのでした。
やっぱり万人がいいというものは、良いものですね。面白いです。
表紙の気持ち悪さとか、「動物に変身して悪いやつを退治」みたいなチープな香りがプンプンする紹介文に騙されて、手に取らなかったことが本当にもったいない。聞けば大人でも好きな人は好きな小説だそうで、かなりたくさんシリーズがでているらしいです。さっきウィキペディア調べたら#52とかでてきました(25巻以降はゴーストライターが書いているらしい)。
マニアな人は全部読破しちゃうらしいですね。すごい。このクオリティの洋書50冊も読めば、かなり英語の達人になれそうだな。
The saga of Darren Shan
さて、こちらはホラーもので、僕がいわゆる「食わず嫌い」してしまう類のものですが、先の『Animorph』が当たりだったので読んでみようとおもい、そして見事に大当たりだった一冊です。
イギリスの作家の本らしいですけど、あのハリー・ポッターの原作者であるJ・K ローリングが超絶賛している本だそうですね。僕はハリーポッターを読んだことがないので、それについてはどうこう言えないんですけど。
この本は面白かったです。まあ確かに気持ち悪くはあるんですけど(一応ホラーらしいので)、でもお話には純粋に引き込まれていきます。ページを捲る手が止まらない、というやつです。Kindleですけど。
そういえば、このKindle版の150円という値段ってどうなんでしょうか。僕が購入したのは11月で、なんか一時的に安売りとかになってたのかな、と思ったんですけど、未だに150円だし。このクオリティの物語が150円で読めるって、どんだけ素敵なんだろうか。巷にあふれる英語の参考書に何千円も出すよりも、こういう洋書となにか文法書みたいなものを一冊持っておいて、多読で楽しく学ぶほうがどう考えても英語力は爆上がりすると思います。
それにこのレベルの洋書読もうと思うと、英検準一級でもちょっときついかもしれないんですけど、お話が面白いので、先の『Animorph』共々、きちんとハマれば少々英語力が足りなくても最後まで読めちゃうとおもいます。で、読み進めていくうちに英語力は上がっていくし。
そのへんを考えると、「英検準一級からが本当の英語学習のスタートだ」っていうのはずいぶん的を射たものだと思うんですよね。
というわけで、おすすめの洋書のご紹介でした。
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