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【英語多読】TOEIC900超えたら「ロアルド・ダール」

先週一週間は『ロアルド・ダールまつり』かのごとく、ロアルド・ダールというイギリスの作家の児童書を読みまくっていました。

多読が生活の一部になって3年が経ちます。この間本当にいろんな洋書を読んできて、その数100をゆうに超えています。そんな中で、「自分の英語力の伸び」を如実に感じさせてくれるのが、この『ロアルド・ダール』の一連の作品群なんです。

はじめて読んだのは2020年の5月ごろで、その時はまだTOEICは800点台でしたが、今年に入りTOEIC900点を超えてから読んだダールは「え、こんなに簡単だったっけ?」そして次に「なんだコレ、めっちゃいいじゃん!」って思うようになりました。

ダールは上級者の多読にとても最適だと思います。そんなわけで今日はロアルド・ダールがおすすめの理由と、TOEIC900点以上の方に特にオススメしたい理由をご紹介したいと思います。

ロアルド・ダールを上級者の多読素材としてオススメしたい理由

こちらは主に、僕がいつも参考にさせていただいているサイト「Natively」から、僕の実感に一致していると思った部分を中心に引用させていただいています。

1.英語が比較的やさしい

ダールの作品は、わりと易しい英語で書かれています。

易しいと言ってもそれなりの、具体的には高校英文法くらいは完璧にマスターしていないと行けないと思うけど、ダールの本は基本的にシンプルでわかりやすい英語です。

もちろん難しい単語も出てきますけど、そこはシンプルに「意味を類推する」か「飛ばして」読めばいいです。シンプルな英語に大量に触れる、というのは英語力アップの一丁目一番地です。読まない手はないです。

2.挿絵がいい

ダールの作品をダール作品たらしめていると言っても過言ではないのがクェンティン・ブレイク(Quentin Blake)のイラストです。

とても味があって、ダールの作風にもピタッとマッチしている挿絵は、ただ見ていて楽しいだけでなく、英語の理解を助けてくれます。

視覚情報をもとに意味を類推して読む、というのも英語多読を考える時にとても大切な要素です。一方で、上級者になってくると挿絵が多くなる文章って読む機会が減ってくるんですね。

でも、ダール=ブレイクコンビの作品は、それ自体がとても高いクオリティを保っているので、おとなでも安心して読めるものになっています。タブレット端末をお持ちなら、少し高価だけどぜひカラーエディションのものを購入して、なるべく辞書を使わずに読んでいただきたいです。

3.読み終えたら「字幕なし多観」&「多聴」

ダールの作品って結構映画化されています。先ほどの『Charlie and the Chocolate Factory』はジョニー・デップが主演で映画化されていますし、下で紹介している『The BFG』はスティーブン・スピルバーグ監督の作品になっていますね。

で、そういうのを是非「字幕なし」でみたいんですね。これはとてもいいリスニングの教材になると思います。

ちなみに「字幕なし多観」とはその名の通り、字幕を出さずにYouTubeビデオなどの動画を見まくるというもので、要は絵本の多読の音声・大人向けバージョンです。世の中には見てて面白い英語のYouTubeビデオが星の数ほどありますので、そういうのを映像を頼りに字幕を消してみるというものです。現代版の多聴ですね。

これ、ビギナーの人ほどオススメで、僕がいまコーチングさせていただいているイギリス渡航前の男性がこの「字幕なし多観」を2ヶ月続けてリスニング力をバク上げしてくれました。

興味がある方は、僕が「字幕なし多観」を教わった、NPO多言語多読さんのこちらのHPをご覧ください。楽しいおすすめ動画が満載(多分100本以上あると思います)の楽しいHPです。

従来の「多聴」がいい、という方はぜひ、オーディオブックを聞いてみてください。どうもキャストが素晴らしいようで、僕はそのあたりは疎いんですけど、ものすごい俳優さんが朗読しているそうです。

こちらは上の『Natively』というブログ記事からの引用です。

人気作家なのでほぼすべての作品でオーディオブックが発売されています。
しかも朗読人がかなり豪華です!!
Matilda → Kate Winslet
The BFG → David Walliams
The Enormous Crocodile → Stephen Fry
Fantastic Mr. Fox → Chris O’Dowd
これ、すごくないですか?
本を読んだ人は、ぜひ朗読も合わせて聴くことをお勧めします。

だそうです!

ただ、こんなにいいことばかりのようなダールですが、実はあまり万人におすすめできないな、と思っています。具体的にはTOEICが900点に届かない、届きそうにない方、というのは以下の理由で挫折してしまう可能性が高いと思うから。事実、僕がそうでした(笑)

TOEIC900点以上の方に「ロアルド・ダール」をおすすめしたい理由

個人的にダールがいいな、と思うようになったのはつい最近です。この人の言葉遊び、音読したときの英語のリズムや語感の心地よさとか、そういう部分に意識が届くようになったからだとおもいます。

この人の作品はいい意味で「英語はお勉強で身につける」という固定観念を外してくれます。ただ意味だけを追いかけて、正確な文法知識で書かれた英語を日本語へと読み下していく。そういう読み方しかできない人には、このダールの作品群の持ち味は理解できないと思います。

そういう意味で、もはや英語を日本語に翻訳したり、いちいち文法的に解釈したりするレベルにはない「TOEIC900点以上」の方、というのが、ダールの最適な読者と言っていいと思います。

800点レベルの方も読めないことはないと思いますが、おそらく以下の点で読みづらさを感じると思います。

1.造語が多い

ダールの作品の特徴の一つに、彼自身が発明したという新しい単語=造語の多さが挙げられると思います。その数実に250以上なんだとか。

なので、シンプルに語彙力がなかったり、そんなに普段から英文を読んだりしないひとが読むと、どれが造語でどれがそうでないかがわからないです。で、造語は当然調べても意味が出てきませんからわかりません。つまり、前後の文脈から類推して読むしかないわけです。これは慣れてないと結構きついです。

こちらの『The BFG』なんてそんなのばかりで、はっきり言って一定以上の英語力があって、英検一級レベルの語彙力がないと、なに書いてんだかさっぱりわからないと思います。

2.詩が多い

もう一つのダールの作品の特徴は「詩が多い」というものです。

彼の作品の登場人物はよく歌を歌います。その歌詞が延々と数ページに渡って続く『Charlie and the Chocolate Factory』(チャーリーとチョコレート工場)などは、ここで挫折してもおかしくないくらい、はっきり言ってわかりにくいです。

僕が初めてこの本を読んだのが、上述のとおり今から一年前ですが、このLyricsが分からず、ものすごく読みにくい印象を受けました。で、実は今でもここの部分の理解って難しいんです。僕も受験英語の被害者なので。

ただ、おかげさまで3年以上多読を続けて、何となく韻を踏んでいる感じとか、言葉遊びをしている感じはわかります。なによりオーソドックスな多読は「わからないところは飛ばす」を原則の一つに掲げています。

そして、この詩の部分って、別に意味が取れずに読み飛ばしたってまったく物語の理解に支障がないんですね。

でも、僕たち日本人英語学習者は「意味がわからない英文」に、ほとんど神経症レベルと言っていいくらい耐えられないので、苦しくなって途中で投げちゃうと思います(そして「面白くなくなったら投げる(読むのをやめる)」というのも、大切な多読の原則の一つです)。

とは言え、やっぱりおすすめです

そんなわけで、今日はロアルド・ダールが多読におすすめな理由について、書いてみました。

個人的には、最初に読んだ時は「何だこれ」という読後感しかなかった『Charlie and the Chocolate Factory』でしたが、一年後に読んだ『Matilda』があまりに面白くスラスラ読めたため、『Charlie and the 〜』を読み返してみたら、ものすごく面白かったんです。

それから『Charlie and the Great Glass Elevator』という、チョコレート工場の続編を読んで、これもこれでとってもぶっ飛んでいて面白いな、と思い、ロアルド・ダールの世界観にますますハマっていっている今日このごろです。

今日はこれから『Witches』を読みます!


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