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【洋書多読】What is the Story of Hello Kitty?(219冊目)

『What is the Story of Hello Kitty?』(What was 〜?シリーズ)
 
総語数:7,323 words (by 「タドキストによる英語多読ブログ」)
 開始日:2023年6月9日
 読了日:2023年6月10日
 多読総語数:8,298,675+ ? words(※,※※)

(※)=『The Chaos Machine』の文字数が不明のため「+?」としています
(※※)=『The mindful Leader』の文字数を見直したため、総語数が減少しています

久々のWhat is〜?シリーズ『What is the Story of Hello Kitty?』を読了しました。

多読を始めた2018年からずっと愛読している『Who was 〜?シリーズ』の姉妹版である『What is 〜?』シリーズの一冊です。

このシリーズはネイティブ(アメリカ人)の小学校低学年を読者ターゲットにしたシリーズなのですが、折に触れてこのnoteでもご紹介しているように、大人の日本人英語学習者にとってピッタリのレベル感となっています。

今日は、最近英語を使って仕事をしていた経験から改めて実感している『Who was〜/What is〜?シリーズ』の威力について、述べてみたいと思います。

ネイティブ向けに書かれた児童書から学べること

以前フィリピンの語学学校に勤めていた時に留学に来てくださった僕と同じくらいの年の頃の男性に、学校の本棚に配架されていたこの『Who was 〜?』シリーズをおすすめした際に受けた叱責(暴言と言っても過言ではないです)が忘れられずに未だに引きずっていたりします。

「お前、俺のことをなめてんのか?」「バカにするな!」など、結構な言われようだったように記憶しています。「英語ができるようになりたい。どんな勉強がおすすめか?」というご質問に、僕なりに真摯にお答えしてのことでした。

この男性はビジネスで英語を使う必要があり、短期間でスピーキング力を高めたいというニーズをもってセブ島まで留学に来てくださったのでした。

外資系の企業にお勤めで英語を必要とする環境に身をおいておられたその方が、会社をわざわざお休みになって片道5時間かけて成田からセブ島までまでこられたわけですから、僕も然るべき学習方法やビジネス書の類などをご紹介してその方のご機嫌を伺うべきだったのかもしれない、という反省はあります。

ただ、オススメした『Who was〜?』シリーズがまさに、その方の当時の英語力と英語ニーズを考えた時に最良のご提案だった、という満腔の確信については未だに揺らぐものではありません。「センスあるなぁ、俺」と思っています笑。

というのも、ネイティブの小学校低学年の児童が読むこの『Who was〜?』シリーズで用いられている英文法以上の英文法を駆使して会話することなんて、日本人英語学習者は愚か、ネイティブスピーカーですらあまりないと思われるからです。

もちろん先方のニーズはビジネス英語にある訳ですから、ITならIT、製造業なら製造業に特化した単語やビジネス独自の言い回しなどを習得していただく必要はあるでしょう。
しかしながら、こと文法や一般的に用いられる単語、言い回しなどに関しては、この『Who was〜?』レベルのもので十分です。いや、十分すぎてもうちょっとレベルを落としてもいいんじゃないか?というくらいなんです。絶対に舐めてなんかいません笑。

例えば、今日ご紹介している『What is the Story of Hello Kitty?』にしてもそうですが、日本人が苦手とする「仮定法過去完了」「分詞構文」なんてのっけからバシバシでてきます。僕たち日本人学習者にとっては難解の部類に入るこれらの英文法は、残念ながらネイティブの子供は当然のようにマスターしています。

同じく日本人が苦手とする文法項目である「定冠詞a/theの使い分け」に関してはもう幼児のうちに完全にマスターしているわけですが、英検一級/TOEIC925点の僕は未だにこの『Who was〜/What is〜?シリーズ』で「ほほう、ここではtheを使うのか!」とか感心しているわけで、このネイティブ小学校低学年生が読む本からは毎度毎度、目からウロコをボロボロと…という感じなんです。

プライドはもちろん大切ですし、もっと難しいものを読みたいと思うモチベーションは素晴らしい。だけど、英語に対する好奇心と真摯な態度があればどんなコンテンツからでも僕たちは英語を学び、伸ばすことができる。そんなことを教えてくれるのがこの『Who was〜/What is〜?シリーズ』でもあるんです。

英語で世界中のゲストと話して感じた『Who was〜/What is〜?シリーズ』の威力

去年の12月から半年ほど和歌山県にある熊野古道のゲストハウスで住み込みのアルバイトをしていました(今はもう辞めました)。

熊野古道は世界遺産ですが、「道」である世界遺産は世界に2つしかなく、一つはスペインの巡礼の道である「カミーノ・デ・サンティアゴ」、もう一つが神仏習合の歴史が色濃く残る日本人の巡礼の道「熊野古道」です。

そういうところに来られる外国人、はっきり言って欧米の中・上流階級の方ばかりです。宿帳の「職業(occupation)欄」には「Doctor/Professer/Teacher/IT engineer…」などの花形職業が踊ります。

そういう方たちと仕事の合間に多神教と一神教、宗教と文化、自然崇拝といったトピックについて思いっきりフリー・トークを楽しむ中で感じたのがまさに上述の「会話についてはWho wasレベルの英語で十分」という事実でした。

このレベルの本を30分程度でさらっと読了できる英語力があれば、相手の言っていることを瞬時に理解して返答するくらいのことははっきり言って朝飯前です。でも悲しいかな、この『Who was〜?シリーズ』くらいの英文でも、僕たちは下手すると最初のうちは一週間くらいかけてコツコツ読まないと読了できません。

僕たち日本人にはインプットの量が圧倒的に足りない、というのは巷間に広く流布している日本人が英語ができない原因の最たるものの一つです。こういう英語をむしろ大量にインプットして、アウトプットの質へと転換していくという姿勢が、英語はもとより第二言語の習得にとってはとっても重要なんです。

逆に、変に小難しい本を読んでいるとマインドが小難しい方にシフトしてしまい、相手の発話を瞬時に理解して切り返す「英語脳」の働きが鈍ってしまうような気がします。

熊野古道にいた当時の僕は『The Chaos Machine』などの小難しい英語をガシガシ読んで一人で悦に入っていました。それはそれでとっても素敵な読書経験なんですが、会話に必要な瞬発力は伸びないどころかむしろ鈍っていると感じたくらいです。

「楽してペラペラになりたい」なら、このレベルの英語を大量に読めばOK!

そんなわけで、『What is the Story of Hello Kitty?』のレビューと言うよりは「英語学習における、簡単な文章を大量にインプットすることの重要性」のお話になってしまいました。

本書は世界的に有名な日本企業である「サンリオ」と「ハロー・キティ」のお話ですから、僕たちには大変馴染みのあるトピックと言えるでしょう。けれど、ではこの会社とこのキャラクターのことを英語でアメリカ人小学生に説明せよと言われれば、それができる人がTOEIC800点だとか900点だとかいう英語学習者の中にどれだけいるのか?ちょっと答えに窮するのではないか…というのが英語コーチとしての僕の率直な感想だったりします。

日本のことを海外の人に説明するのに、別に小難しい英文法を「知識として」たくさん知っている必要はありませんし、TOEICの点数も直接的には関係ありません。

むしろコミュニケーションを楽しむ力、いろんなコンテンツから学ぶ姿勢、そう言うのが大切になってくるわけで、しかも楽してペラペラになりたい!ということであれば、(読書という行為が苦にならない方なら)この『Who was〜/What is〜?』シリーズの英語を100万語くらい読めば、頭で考えなくても英文がスラスラ口をついて出るようになります。

というのはほかでもないこの僕が実証済みです。

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