見出し画像

【洋書多読】My Sister the Vampire(159冊目)

表題の『My Sister the Vampire』を読了しました。

ゴシック・ファッション好きのIvyと、活発な女の子のOlivia。性格も服装も何もかもが正反対の2人なのですが、ある出来事がきっかけでお互いの「秘密」をシェアし合うことになり、意気投合します。

そしてまたまたある出来事がきっかけで、洋服やお化粧を交換してお互いがお互いになりすます、といういたずらを始めるわけですが、これがめちゃくちゃ可愛らしくて、とっても微笑ましいんです。

ルイス・サッカーのようないわゆる「学園モノ」の児童書という感じでとても面白く、読みやすいと思いました。ちょっと乱暴な要約ですが、サッカーの『The boy in the girls bathroom』の女の子バージョンという感じでしょうか。

YL:4.5 総語数: 31,930 

えいらくさんのHPによるとYLレベルは4.8だそうです。総語数は約32,000語。その他のサイトでも、大体4.0〜4.5くらいの間にレーティングされていることが多いので、個人的な印象を加味して、4.5とさせていただきました。

英語はそんなに難しくないですし、難しい単語もでてきません。でてきても、飛ばして読んで全然差し支えない単語です。

でも、この手の児童書がそうであるように、句動詞とか、簡単な単語を駆使した表現がたくさん登場します。なのでそちらに馴染みが薄い人、参考書等を活用した英語学習中心に学習を進めてきた方にとっては(僕がそうだったように)若干読みにくく感じられるかもしれません。

主人公の二人の女の子同士の会話とか、友達同士の会話とか、やっぱりかなりカジュアルで砕けています。年頃の女の子同士がCNNのアナウンサーが喋るようなカチッとした英語で会話してたらちょっとひきますよね。。

でも、そこは逆にネイティブっぽい表現に親しむチャンス!って思って読み進めました。そんな表現をまとめたものをいかにご紹介します。もう知ってるよ!という方も、そうでない方も、ご一読いただけると嬉しいです。

気になった表現集

1.pop a blood vessel

blood vesselが血管で、その血管がpopするというところから「激怒する」という意味になるようです。こめかみの辺りの血管が浮き上がって怒っている感じ?アメコミっぽいですね。

2.get the hang of〜

これは「〜のコツが分かる、理解する」という意味だそうです。「hang」が吊るすとか引っ掛けるという意味ですので、何かを引っ掛けたりするようなフックのようなものを「コツ」と見なしてるのかな?と思ってました。

というか、hangには普通に「コツ」という訳があるようです。

というよりも、こういう用法を文脈で何度も観ているうちにhangを自然にコツのようなものとして英語のまま認識できるようになっていくのが多読の良いところなのかもしれません。

3.fall for 〜

「騙される」「担がれる」という意味の句動詞です。

洋書の多読をしているとよく遭遇するフレーズですが、『パス単英検準一級』の熟語篇に登場します。結構一般的な表現なのですね(パス単にむちゃくちゃ砕けた、あまり上品でない表現は乗りそうにないという偏見があります)。

僕はなぜだかこの句動詞が単語帳レベルでは覚えられず、ずっと苦しい気持ちだった記憶があるので、ここに掲載してみました。文脈の中で出会うと一発で認識できるのですが。

4.blow off (If you blow him off〜)

通常は「吹き飛ばす」という意味ですが、スラングでは「何かを軽視したり放棄したりすること」という意味になるようです。

好きな男の子とのデートに躊躇するIvyに対してOliviaが放った次のセリフで登場します。

'…if you don't go on this date, you will never forgive yourself. The boy you like likes you. He likes you. The only thing that will definitely ruin that is if you blow him off.'

5.drop-dead (she looked drop-dead in it.)

本編では、「すごく素敵な」という意味で使われていました。後ろにinが来ているのは「その洋服を着て」すごく素敵だったからです。

“drop dead”「急死する」という意味から転じて「息も止まりそうになるほど」→「目を奪われるほど」「目を見張るような」または「はっとするような」という形容詞になるそうです。

「うるさい」「あっちへ行け」「消えうせろ」、「やめろ」、「くたばれ」とか「ざけんな」などという強い嫌悪感を表すスラングが一般的な用法なようです。

6.all business

何かに対して極度に真剣である様子を表すようです。本書では以下の文脈で登場しました。

Olivia took a deep breath. Here we go, she thought. Then she looked up, all business. "Okay," she said.

The Sister the Vampire chapter 7

7.…but she didn't press.

pressは「押す」ですけれど、ここでは何かを押すのではなくてどちらかというと「追求する」というニュアンスなのかな?と想像しました。

例えば人となにか話をしていて、引っかかったり違和感を感じたりすることがあっても変に追求せずに流す、そんな感じの時に「press」を使うんだ、という感じです。

8.have cold feet

「冷たい足を持つ」=「怖気づく」なんだそうです。

なんか、日本だと絶対出てきそうにない表現だけど、説明されるとなんとなく了解可能。そういう感じのイディオム、すごい好きです。
一番最初にご紹介した「pop a blood vessel」とか、先日読了した『The Ghost of Marlow House』の記事の中でご紹介した「cook one's goose」(人のガチョウを料理する→〜のチャンスを逃す)とか、そういうやつです。

9.sink one's teeth into 〜

「〜に深く噛み付く」とか、食いつく、とかそういう意味のように思うけど、これは文脈的にあわないな、と思ってチェックしておいて後で調べました。

で、どうも「打ち込む」とか「没頭する」とか、そういう訳になるようです。理由はよくわからないけど。

日本語でも「食いつく」って、興味あることに飛びつくイメージがあるけど、打ち込んだり没頭したりするような、継続的な状態を表すイメージはなかったなぁ。言語や文化の違いでしょうか。面白いです。

*****

そんなわけで『My sister the vampire』でした。

この記事が気に入っていただけましたら、サポートしていただけると嬉しいです😆今後の励みになります!よろしくお願いします!