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『The Alchemist』ー心に響いた言葉たち

『The Alchemist』(邦題:アルケミスト − 夢を旅した少年)を読了しました。

英語はとても読みやすくシンプルで、あまり難解な単語もないように感じました(個人の主観ですが)。日本語版もいいですけれど、英語版も是非おすすめしたいです。

おすすめしたい理由は「英語学習に適しているから」というのありますが、心に響く格言が豊富であることもまた理由の一つです。

そこで今日は、本書の中から個人的に響いた言葉を引用してみることにしました。ちなみにネタバレはありませんので、未読の方もご安心してお読み下さい。

"It's this : that a certain point in our lives, we lose control of what's happening to us, and our lives become controlled by fate. That's the world's greatest lie"

それはこういう事だ:人生のある時点で、自分に起こっていることをコントロールできなくなり、人生が運命に支配されるようになるのだと。それが世界で一番大きな嘘なのだ。

僕はとにかく「自分の人生が誰かにコントロールされている」というアイディアが大嫌いです。

そういうのは簡単に「自分が満たされないのは他人のせい」という他責的な態度に帰結してしまうからです。

局所的にはそういうことは起こりうるかもしれませんが、その後の人生を切り開いていくのは他でもない自分自身です。「自分が不幸なのは親のせいだ」とか「あいつさえいなければ」とか「HSPだから云々」などとうじうじ考えている人間には人生の好機はいつまでもおとずれない、と思います。

’Everyone seems to have a clear idea of how other people should lead their lives, but none about his or her own.’

誰もが、他人がどのように人生を送るべきかについて明確な考えを持っているようだが、自分自身のことについては何も持っていない

人の人生についてとやかくいう人、本当にたくさんいてうんざりします。

人生でなくても、ちょっとでも自分のやり方と違っていたり自分の感覚にフィットしないものに出会った時にすぐ「これはこうしたほうがいい/こうするべきだ」という風にアドバイスしてくれる人、本当に多いです。

別に頼んでないんですけどね。

'each day is the same as the next, it's because people fail to recognize the good things that happen in their lives every day that the sun rises.'

毎日が同じような日々であるように思われるのは、太陽が昇る毎に自分の人生に起こる良いことを認識できないからである

太陽が登る度にでなく、その瞬間瞬間が人生にとっては「いま」というかけがえのない瞬間である。そのことを忘れて、毎日を同じことの繰り返しだと不平不満を感じながら過ごしてしまうのは本当にもったいないです。

人生は一度きりしかないのに。万人にとって、一日が24時間であることが平等なのと同じように。

『The Alchemist』には、マインドフルでいることの大切さをほのめかすフレーズが沢山登場しますが、こちらもそんなものの一つだと思います。

When I'm eating, that's all I think about. If I'm on the march, I just concentrate on marching. If I have to fight, it will be just as good a day to die as any other.

食事をしているときは食べることだけを考えている。歩いている時は、ただ歩くことに集中する。もし戦わなければならないなら、その日は他のどの日よりも良い死すべき日になるだろう。

今、やっている所作・動作に意識を向けることの大切さ、です。

ご飯を食べる時にスマホをみながら食べたりすることや、歩いている時に感じる風の心地よさ、空気の清冽さ、鳥のさえずり…といった「歩くこと」に付随する諸々に意識を向けることなくなんとなく歩いてみたり、昨日あった嫌なことを思い出したりしながら歩いてみたり、歩きスマホしてみたりすること…

そういうのはきっと「幸せ」とは程遠い日々の来し方である。そんなことを教えてくれているようです。

戦わなければいけない日があれば、それは戦うべき日なのであって、もしそこで死ぬことがあるならば、それはその日が死すべき日であった、ということ以外に意味はない。

まだ起きてもいなことをくよくよ悩んで恐れて、不快を撒き散らすような生き方もまた、幸せからは最も遠いところにある生き方である、と言えるのかもしれません。

Most people see the world as a threatening place, and, because they do, the world turns out, indeed, to be a threatening place.

多くの人は世界を恐ろしい場所と感じますが、そうであるがゆえに、世界は恐ろしい場所になるのです。

現実はいつもひとつで、あるのは人それぞれの認識の仕方、それだけです。僕にとっては日本って生きづらい場所ですし、ある人にとっては(僕が大好きな)フィリピンは生きづらい場所だったりします。

もっというと、今時分がいるこの場所は素晴らしい、かけがえのない場所だとどこにいても思えるようになったなら、それはきっと素敵なことなんだろうな。そんなことを『The Alchemist』から教わったような気がしています。

The boy remembered an old proverb from his country. It said that the darkest hour of the night came just before the dawn.

少年は自分の国の古い諺を思い出した。夜が明ける直前に最も暗い時間がやってくるというものだ。

2016年の4月、うつ病で自宅療養中だった僕は二度目の自殺をしました。幸い一命はとりとめましたが、療養の甲斐なく同年7月に退職しました。

その後、色んなものを捨てて世界一周の旅に出ました。そこで出会った仲間、そこで得た経験、思い出は全て生涯の僕の宝物です。

明けない夜はありませんが、夜明け前が一番深い闇である、というのは箴言だと思います。

One is loved because one is loved. No reason is needed for loving.

人は愛されるからこそ愛されるのです。愛に理由は必要ありません。

これは本当にそのままの意味ですね。物語の中で出会うとより強く響いてきます。

「誰かに愛されているから、その誰かを愛する」と考えたくなりがちですが、世界の宗教は「自分が愛されたいなら、まず他人を愛せよ」と教えています。与えて初めて与えられるのだ、と。なぜならこの世に「負債」を抱えないで生まれてくるものはいないからです。当たり前ですよね。

自分が欲しいものは、まず他人に与えるものだ。逆に言うと、自分がいま望まないもの(憎しみ、敵意、無関心など)を他人から与えられていると感じるのなら、それは自分が知らず識らずのうちに、それを他人に与えているのだ、とも言い換えられるのかもしれません。

There is only one thing that makes a dream impossible to achieve: the fear of failure.

夢を実現できなくするものはただ一つ、失敗を恐れることです。

これは本当にそのままです。そして残念だと思うのは、自分が失敗を恐れてなにもできないでいるということにすら気づけていない人が本当に多い、ということです。

It's true; life really is generous to those who pursue their Personal Legend, the boy thought.

確かに、「自分だけの夢」を追い求める人には、人生は本当に寛大なものだ、と少年は思った。

物語の最後の最後、思いがけない結末の場面で少年が口にする言葉です。

この言葉を伝えるために、著者は一冊本を書かなければならなかったんじゃないか、そんなふうに思わせてくれる素敵な言葉でした。

この部分だけ切り取って差し出してみても、対して心に響かないかもしれないですが、本書を手にとってここまでたどり着いた人には何かしらの響きを持って心に届いてくる言葉なんじゃないかな?と思います。

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