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【英語多読】『Me before You』で泣けた自分を振り返って思うこと

昨日Jojo Moyesという作家の『Me before You』という洋書を読み終えました。

全12万語になる長編で、英語自体はそんなにむちゃくちゃ難しくはありませんでしたが、苦手な「会話表現」が多く、今の僕のレベルでは正直ちょっとしんどかったです。

それでもクライマックスの場面で泣きました。洋書を読んで自分が泣くなんて…って前にも書いたことがありましたけど、今回のは結構なガチ泣きだったと思います。

ただの恋愛小説じゃない。とても深遠なテーマを扱った、とっても素晴らしいお話です。もし興味がお有りの方は邦訳版もありますし、『世界一キライなあなたに』というタイトルで映画化もされていますので、ぜひご覧いただければと思います。結構原作に忠実に実写化されているみたいです。

理解度は7割くらいかも。でも、楽しむことができました

本書の理解度は、今の僕の英語力でだいたい7割程度だったと思います。正直に告白しますけど、このペーパーバックを完全に理解して読みすすめる能力は、残念ながら今の僕にはありませんでした。

読みすすめるにあたって、大切にしていたことがありました。

「辞書はなるべくひかない」「わからないところはどんどん飛ばして読む」そして万が一面白くなくなったら「投げる=つまり読むのをやめる」ということです。

いわゆる「多読三原則」というやつです。辞書は完全に捨てなかったので、2.5原則くらいになっていましたけど。とにかく厳密に英文を解釈して読みすすめるのではなく、物語の雰囲気、リズムやテンポを壊さないようにぐんぐん読み進めていったのでした。

三割もわからないところがあって本当に楽しめたのか?

そんなわけなので、おそらく多くの人が「3割もわからないところがあって、本当に物語を楽しめたと言えるのか?」「そもそもそれを『読めた』と言っていいのか?」と思われると思います。

「そういうのは読めたとは言わない。100%理解できてこその『読解』『読了』である」と言われれば、たしかにそうかも知れないと言わざるを得ません。僕の英語力はネイティブには程遠いし、わからない単語や表現もいっぱいあります。まだまだ知らない知識だっていっぱいある。特に人名/地名などの固有名詞は結構タフだったりします。

だから「その程度のレベルで嬉しがるな」って言われたら、素直に肯うより他に仕方がないです。

でも、それでも僕は「ちゃんと泣けるくらいには、この物語を堪能することができた」という事実だけは変えられないと思っていますし、それでもいいじゃないかって思っているんですね。

日本語の小説にだって、わからない言葉や知らない表現はでてきます。

だからわからない英文をさっさと飛ばして読んでいった結果全体の英語の理解が7割程度に留まったとしても、1ページに一つ二つわからない単語があったとしても、物語全体の素晴らしさや情景の描写、この物語が持つ力強さのようなものは十分に感じることができました。

それでもいいじゃん、全然いいじゃんって思えるんです。

大切なのは「もっと英語ができるようになりたい」という気持ち

もちろんこんなんじゃ、TOEICのスコアUPは望ないのかもしれませんし、英検一級が泣くのかもしれません。そこは素直に認めます。

けれどやっぱり、ある一つの物語を完全に最後まで読み切って、その世界観に母国語とは違う言語で浸ることができるっていう経験は「できた/できない」以上になにものにも変えがたいものがあります。

僕の中では、「英語のペーパーバックを楽しめる」というのは、TOEIC満点とかIELTS7.0とかよりも、もっともっと大切な経験なのかもしれません。

そしてもっともっと、英語で読めるもの/聞けるものの幅を広げたいと思う。もっともっと英語を分かるようになりたいと思う。だから知らない単語も勉強したいと思えるし、会話表現の中に頻出する句動詞とかイディオムのたぐいをもっともっと覚えたいって思う。

もう向上心の塊になっちゃうんですね。

事実、最後の方は「あーこれ昔パス単の熟語編に載ってるのみたことあるかも…」っていうかすかな記憶が蘇ってきて、実際にパス単を片手に読み始める始末です。「あ、やっぱり載ってた!まだ覚えてた」とか「お、こんな表現が掲載されてたんだ」って、改めて、2年前のちょうど今頃ぐるぐる回してた単語帳を片手に読んでいました。

試験に合格するためとか、そういうモチベーションでは僕は一向に「勉強」ということをしないんですけれど「ペーパーバックがもっと楽しめるようになる!」というモチベーションなら、単語帳を開くこととかそういうのが一向に苦にならないんだって言うことも改めて知ることができました。

そこには「英語ができるようになりたい」っていう純粋な欲望があるだけです。そしてその欲望の対象が、ペーパーバックであるか、TOEIC900点か英検一級かなんて、所詮枝葉のことに過ぎないんじゃないか?そんなことを考えたりもしました。

やっぱり多読三原則、偉大だなぁ

今年の4月から3ヶ月間、NPO多言語多読さんの講座にお世話になって以降ますます「多読多聴」の虜になっている僕ですが、今回『Me before You』を読了してみて改めて、この学習法(と言っていいのかどうかすらわからないけれど)が改めて、すごいポテンシャルを秘めた英語との向き合い方なんだなぁって言うことに気づくことができました。

だって「もっと英語できるようになりたい!」って強く思わせてくれるんですよ。これ以上に「英語ができるようになるための仕掛け」なんて無いじゃないですか。

知らない間に語彙が増えているとか、気がついたら英語がどんどん口をついてでてくるようになるとか、なんだか「スピード◎ーニング」みたいで胡散臭さがついてまわる学習法である「多読」ですが、大好きな人のことをもっと知りたいと思うのと同じような熱量で(←もう昔のこと過ぎて忘れちゃったけど)「もっと英語のことが分かりたい!」って思えれば、誰だって自然に英語のことをもっともっと知れるようになると思います。

「辞書はひかない」
「わからないところは飛ばす」
「面白くなくなったら投げる」

これってもしかしたら「英語のことをもっと好きになるための魔法の言葉」みたいなものだったのかもしれないですね。

さて、次は何を読もうかな。

この「次に何読もうか?」っていうのも、とっても幸せな時間なんですよね。

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