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【洋書多読】Mini Habits(231冊目)

Mini Habits by Stephan Guise
 
総語数: 30,099 words (by 
 開始日:2023年10月6日
 読了日:2023年10月11日
 多読総語数:9,284,822 words

『Mini Habits』はStephan Guiseという作家による「習慣化」に関する自己啓発本です。

というとおためごかし満載の堅苦しい本を想像してしまいそうですが、本書は一斉を風靡した『Atomic Habits』同様、目からウロコのアイデアにあふれた、とても読みやすい英語で書かれた一冊になっています。

コンセプトもとてもシンプルで「小さすぎて失敗すらできない小さな習慣から初めてみる」ことの効用、この一点に集約されています。筋トレの習慣を作りたい人には「小さすぎて失敗できない=一日一回の腕立て伏せ」から初めて、1日30分のウエイトトレーニングができるようになるまでのロジック・メカニズムを解説して見せているわけです。

そこには著者の経験はもちろん、それを裏付ける心理学的、脳科学的な知見が満載で、本書を読み終える頃には「うん、これなら自分にもできるかも…」と思わせてくれます。

英語もとてもシンプルで、本の長さもたった3万語強。TOEIC600点くらいあれば簡単に読めてしまいます。そういう意味では「洋書は読んでみたいけど、何を読んでいいのかさっぱりわからない(そしてできれば児童書みたいな幼稚臭いのは読みたくない)」という典型的な多読初心者の方の最初の一冊に最適な洋書と言えるかもしれません。


以前フィリピンの語学学校に勤務していたとき、多読を初めて日が浅かった僕は、留学に来てくださった生徒さんに「オススメの洋書を教えてほしい」と言われてネイティブの小学校低学年生向けの洋書を紹介し、ブチ切れられるという苦い経験をしたことがあります。

当時も今も、ネイティブの低学年が読むような洋書が英語力UPには最もパワフルな学習法だという信念にはゆらぎがありません。TOEIC900点を超えていたとしても、です。

というか「学習している」という感覚すらないままに気づいたらさらに英語力が伸びている、というのがシンプルな英語で書かれた洋書の多読の威力なんです。

しかしながらここが難しいところなのですが、それなりに英語を学習してきた人にはそれなりの「プライド」というものがあります。お仕事等で日常的に英語を使っている人ならなおさらです。

僕にだって自分の英語力に対するそれなりのプライドがなかったわけではありませんが、僕の場合はなにかにつけて自分が「できない」ということを割とあっさり認めてしまう傾向があるので、すんなりと「ネイティブ小学生が読むレベルの児童書の多読」に入っていくことができました。

その結果として今の「英語を使って好きな場所で好きなときに仕事ができる職業・環境」を手に入れることができたわけです(英検一級合格・TOEIC900点突破のおまけ付きで)。

当時の僕は多読歴もまだまだ浅く、おすすめできる洋書のオプションはかなり限られていました(というかほとんどネットの情報の受け売りでした)。それにTOEIC800くらいの方だからこそ児童書のような、うんと易しくてシンプルな洋書にたくさん触れて欲しい(そうすれば僕のようなブレイクスルーが起きる!)と思っていたんですが、そういうのはその方のプライドや英語学習歴、英語使用歴といった様々なバックグラウンドを考慮にいれる配慮を欠いた、極めてマニュアル的な「知識のダウンロード型」のご提案だったと今も忸怩たる思いでいます。

あれ以降様々な洋書に触れ、それなりに選択肢も増えてきた今ならもう少しマシなご提案もできると思っています。

『Mini Habits』はそんな僕の新たなオプションとなりうる、とても優れた一冊です。これならあまり強い抵抗や拒否反応もなく、幅広い英語学習者の方に受け入れていただけるだろうと思うからです。なにせ英語学習成功のための最大のTIPSが、他でもない「習慣化」なんですから。

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