車より見える空の景色

我が家の車にはサンルーフが付いている。
子も喜ぶだろうと思い
私が熱望して付けてもらったものだ。

走行中、空を見上げて何を見たいかと言うと
どしゃどしゃと降る雨、
ちらちらと降る雪、
ひらひらと舞う桜の花びらと
赤や黄に染まった落ち葉、
そして鳥のふんだ。

空から降ってくるものとして
どれも当たり前だが、
下から眺めることなど
そうそう機会があることはない。
それがサンルーフ越しであれば安全の元、
そしてタイミングさえ合えば叶うのだ。

これまでに叶ったのは
雪と落ち葉だろうか。
しかし想像するよりも弱く
（それはそうだ。
そんな悪天候の中あえて出かけるのもどうかと思う）
何か降ってきているな〜程度だった。

今日、雨の中スーパーへ買い物に出かけ、
急に雨足が強まった時に
信号待ちで停車をした。
サンルーフ越しに空を見上げて
目を凝らしてみると
雨粒が私に向かって落ちてくるのが見えた。

雨とは粒が落ちてきていると理解しているが
普段は「線」のように見えることが多いと思う。
しかし現実にはきちんと雨の一粒一粒が
空から落ちてきているのを知ることができた。

こんなことに喜び
感動している輩も珍しいとは思う。
しかし私は
目を見開いて眺めていても
痛くも寒くも濡れることさえない
サンルーフをとても気に入っている。

家族には嫌がられるのだが、
ちょうど真上にそんな気分の鳥が
次は通ってくれないかなぁと
考えているのである。