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もったいないを実践できる人

『もったいない』と教えられて育った。

食べ物も
着る服も
文房具も
おもちゃも
なんでも『もったいない』が基準だった。

——もったいないから捨てない
——もったいないから買わない
物を大切にするということだと
理解していた。

大人になり、親になり、
私は価値観ががらりと変わった。

離乳食のとき衝撃を受けた。
——なぜ食わぬ?
——なぜ出す?
——なぜ捨てる?
——なぜ遊ぶ?
なぜなぜなぜ。
2歳児なぜなぜ期のように。

『もったいない』から
食べないで捨てるという選択肢は
本来あり得てはいけないものだった。
しかしこれを私が食べるのか…。
——嫌だ

迷いに迷って育児書に頼った。

捨てましょう。

衝撃だった。
なんだかこれまでの人生で
教わってきたことと違う。

そして私は思い切って
捨てた。

捨ててもいいんだとわかったら
罪悪感はあるものの
少し気持ちが楽になった。

今もまだ根底には
『もったいない』概念は残っている。
でもあの時学んだこと

『もったいない』はいいこと
しかしそれを実践するのは
環境、生活、心の余裕
全てが揃っている人だけがやること
そうでないと苦しいだけ
縛られる必要はない

これはその後
私の人生においての価値観を大きく変えた。

教えられたことって根強く残るものだけど、
自ら気づき、考えて出した結果は
正しいことだと思う。

時間の経過のうちに
見た目は大人になることはできるが、
精神的に大人になるというのは
こういう時だと感じた。

私は私の人生を生きていると
実感できたときだ。

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