見出し画像

秋に一息

ばたばたと一日を過ごした。

朝5時半に起きて、洗濯してから朝食とお弁当作り。
朝7時に片方の子どもを送り出し、家事を終えてから朝9時にもう1人の子どもと買い物へ出かける。
買い物して、ランチして、スーパーで買い出しして、もう一度買い物して帰宅。
もう15時半になっていた。

食材を片付けて、買い物してきたものを片付けて、掃除と再び洗濯を開始して、朝洗って乾いたものをたたみながら、子どもの学校の宿題や塾の課題を遠隔操作する。
夕方の激しい雷はごろごろと、お腹に響くような音を轟かせているのが近くでよく聞こえる。。
時折光る空も、遠くが見えないほどの大雨も、ちらりと窓の外を見るだけで、そのまま忙しく体を動かし続ける。
途中何度もスマホから警報を知らせる音が鳴るが、近辺に問題がなさそうとわかり、家事続行だ。

食事の支度は帰りがみなばらばらのため都度行い、片付けて片付けて、合間にまた洗濯物をたたんでいたり、なぜか床を磨いていたりする。
訳がわからなくなりながらも次々とこなしていくと、自分が「できる人間」のように思えたりするのだが、こうした時、決まって注意力が散漫になっていて、物を落としたり、体のどこかしらをぶつけたりと、余裕のない無駄な動きばかりになっている。
――恥ずかしい、情けない
そう思いながらも、今日は不思議とイライラすることがなかった。

余裕がないときは決まってイライラしてしまうのだが、今日は「やってしまった」と思うだけで、それが感情へ直結することはなかった。
少しは大人になれたのだろうか。
それともイライラできないほどに疲れているのだろうか。

食器を片付けて、子どもと少し話せばもう21時を回ってしまっている。
お風呂にさっと入り、寝床へ移動。
今日という日の中で、初めてほっと息をつけた。
それほどに忙しかったのに、大した実入りがなかったように思える今日。
理由はわかっている。
自分のために時間を使ってはいないからだ。
お母さんという仕事をしていると、こんなことが多々ある。
たまにはこうした日があってもいいけど、余裕をもってゆっくり過ごせる日の方が断然いい。

食器を片付けながら目に入った湯飲み茶碗で、ゆっくりお茶でも飲みたいものだ。
スーパーで買った秋の和菓子と一緒に。

よろしければサポートお願い致します。 製作の励みになります。