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自然の息吹

春を過ぎ、もう初夏なのかと感じるこの季節、
窓の外の木々には青々とした葉が茂っている。

今日のようにざぶざぶと雨が降る日には、雨宿りのために鳥たちがやってくる。
雨をしのぎ、幹を這う虫をついばみ、口々にキーキーと甲高く鳴く。

都会の中心部に住んでいようとも、季節の移り変わりや、
こうした動植物の営みに触れられることはとても恵まれている。
小さい頃には田舎暮らしというものに憧れたものだが、
時折旅先で体感するくらいの自然でちょうどいいと今は思っている。

キーボードを打つ手を止めて、しばらく窓の外を眺めていれば、
また、鳥が1羽、2羽とやってきているのが見える。
シジュウカラだ。
枝から枝へと飛び移り、2羽で追いかけ合うように移動しながら、
時折枝の表面をついばんで、また別の枝へと飛び移っていく。

焦点を「引き」にすると、葉が雨粒に叩かれて揺れているのが見える。
跳ねるように上下する葉っぱ1枚1枚は、どれも不規則で予想がつかない。
ここに例えば規則性が見えてしまったのならば、
それは途端に人工物となり、面白味に欠けてしまうだろう。

窓の外はいつも変わらない景色が広がっているのに、
見る度に違うものが見える。
こうした何でもない小さな発見は、日常に彩りを与えてくれる。

朝起きてから寝るまでのあれこれも変わらずに続いていくものだが、
ふっと息吹が通るその時に、新しい時を感じる。

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