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片靴下のシンデレラ

子の習い事の送迎のために
出かける洋服に着替えると
片方の靴下しかないことに気がついた。

ばたばたと支度をしていたから
クローゼットから
持ってくるのを忘れてしまったようだ。

片方の靴下しか履いていない私を見て

シンデレラだね

玄関で私を待っている子が言った。

幼少期には人並み程度に
お姫様というものに憧れたりはしたが、
かつても、それ以降も、
いわゆる適齢期にもお姫様になった記憶はない。
まさかここにきてシンデレラになれるとは思わなかった。

なんとも間抜けな姿と思っていたのが
ちょっとだけ魔法がかかって
ちょっとだけうれしかった。

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