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令和のごぼうと昭和の鉛筆削り

豚汁を作った。
ごぼうを入れようと包丁の背を使って皮をむきながら、子どもがごぼうの皮むきのやり方を知っているかが不安になった。

子どもに声を掛けて見せてみれば、案の定知らないと言う。
「笹がき」というキーワードは出てきたものの、遠からず当たらない。
実践させることはできなかったが、記憶に残ればいいなと思う。

しかし、「ピーラーでやるんじゃないんだね」「そう、鉛筆削るみたいにやるの」と言ってはたと気が付いた。
今の子どもの鉛筆削りは電動だと。
手動であってもナイフは使わない。
なにより恐ろしかったのは、私だってナイフで削ったことはほぼない。
鉛筆削りはちゃんと持っていて、あえて試しに数回やってみた記憶がおぼろげにあるだけだ。

例えを挙げるときに口をついて出るのはなぜに昭和なのか。
それは私が昭和の価値観で育てられたからだ。
時代の流れにあわせて色んなことをアップロードしていかないといけないと思っているが、まさかごぼうの皮むきで思い知るとは思わなかった。
言われた子どもは「ふーん」と大した反応ではなかったが、それはよくわからなかったのか、はたまた私に気を遣ったのだろうか。

仕上がった豚汁は、味噌が切れてちょっと薄味になった。
それでも野菜をたっぷりと入れて美味しくなっていると思う。
豚汁は時代によって変わることはない。
安心の味だ。

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