舟状骨の触診と臨床における解釈
肘から手首、手指にかけての関節運動や筋肉のアプローチって皆さんどうしてますか?
作業療法士でハンドセラピーや装具作成をされているからなら結構細かく見ておられると思います。
私も臨床上、手根骨なんかを触診して施術を行う機会が多いです。
最近では、バネ指や腱鞘炎、肩関節周囲炎、手根管症候群、頸部痛なんかの患者さんを見るときには必ずチェックします。
あとは精神的に不安定であったり、うつ病傾向の方もチェックします(これは経絡関連の理由)。
末梢の手根骨って触診しにくいのですが慣れてしまえば簡単です。
舟状骨についてかいていきます。
舟状骨の触診におけるスタート地点といえる場所、それは橈骨茎状突起です。
①橈骨を近位からスーッとなぞるように動かすとコツンと指にぶつかる部分があります。それが橈骨茎状突起となります。
②ここまでくればもう舟状骨を見つけたも同然です。
え、早いなと思うかもしれませんが本当です。
③そこから手関節を尺屈すると骨が浮き出てきますよね。
はい、舟状骨となります。
さて、本題はここから。
舟状骨に触れたときに硬い、痛いということは何なのか?
このあたりの解釈がとても難しいですが、一つ例を挙げます。
橈骨遠位端骨折で可動域制限が強く、母指CM・IP関節運動時では疼痛がある患者さんがいたとします。
橈骨遠位端に対して舟状骨と月状骨はセットで動きます。
(三角骨も関節運動に含まれます。)
もしも、舟状骨や月状骨の動きが制限されていたならば
より遠位の関節が過剰に動く可能性がありますよね。
手関節を背屈させる筋肉は手指の伸展筋が多いと思います。
舟状骨のMobilityがなければ伸筋(腱組織)に負担が生じてしまい。
拇指IP、CM関節の運動時痛、それ以外の指の腱鞘炎などを引き起こしかねません。
これは解剖学や運動学の知識から考察したものです。
こんな感じで触診は評価と治療に応用できます。
手で得た情報を生かせるかはあなたがもっている知識しだいです。
目の前にいる患者さんを助ける知恵にしてださいね。
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