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宿日直許可ってナニ?

読売新聞の記事、医師の働き方改革の中の宿日直許可に関する記事。
今日偶然目にしたものだが、これはマスコミには珍しく、本当に非常に正しい記事だと思う。

解説すると、
「働き過ぎ」とされる日本人勤務医の労働時間を制限するため、医師の働き方改革を来月から導入する。

いろいろ詳細なルールが定められたが、今回問題となっている「宿日直許可」の概要は以下である。

①    当直をした医師は、その翌日は午前勤務までとし、午後は帰宅させなさい、これを守らない場合は管理者が法的に処罰される、というルールを設けた。

②    ところがその後、「これを全ての病院に当てはめてしまうと、多くの地域の医療が崩壊する」(なぜなら当直明けの医師も翌日一日働くことが前提で医療が成り立っているから)ということに気づく。

③    ところが今更「やっぱり撤回ね」とは言えない

④    なので「例外的に『楽な当直』なら翌日も働いていいことにしましょう」というルールにする(宿日直許可)

⑤    そうしたらほぼ全ての病院が「うちの当直も楽です」と偽って申請してきた。

⑥    いちいち事実確認できる訳もなく、結局日本全国ほぼ全ての病院の当直が「宿日直許可」を得ることになった。

そもそも①のようにどう考えても不可能なことを、ろくに調査もせず決めてしまい、「守らなかったら法的に処罰」などとオマケまでつけてしまったのが間違い。さっさと撤回すれば良かったと思う。

循環器内科、消化器内科、消化器外科、心臓血管外科、脳神経外科、産婦人科などは、その病院に緊急処置・手術が必要な患者が搬送されてきたら、夜間だろうが週末だろうがやるしかない(ちなみにそのほとんどは当直医だけではできないので、他の待機医師も呼び出される)。夜間に働いた医師が全員その翌日に休んでいたら、翌日の外来や手術が成立しない。

これを全て翌日休めというなら、上記診療科は現在の1.5倍以上の医師が必要になる。

となると、医師の絶対数を増やすか、楽な診療科の医師を減らして上記診療科の医師を増やすように誘導するしかない。

医師の絶対数を増やすと

①    医者は病気をつくる=医療費が増える=政府は困る、(こちらの記事を参照)

②    開業する医師も増える=開業医が競合して困る=医師会は困る

ということで、政府と医師会の利害が一致しているので、医師は増えない。

医師の偏在をなくすのは本来簡単、なぜなら医療点数を決めているのが政府側だからである。緊急処置・手術の保険点数を上げ、それ以外の点数を下げればよい。これは少しずつ行われているが、極端なことはできない。

なぜならあまりに「非救急部門」の診療点数を急に下げると、現在保険診療で耐えている「非救急部門」の医者が自費診療(美容や健診)に逃げるからである。

では美容や健診を儲からなくするためには?やっぱり医者を増やして競合させるか、規制緩和して「育毛治療」や「脱毛治療」はお医者さんじゃなくてもできるようにするしかないと思う(床屋さんと大して変わらないし)。

緊急患者・入院の受け入れ、緊急処置・手術の点数を上げて、その分を対応した医師に還元するのが健全だと思う。もちろん「緊急患者・入院の受け入れ、緊急処置・手術」の患者自己負担も増やすべき。が、国民にそうは言えないんだろうなあ、政府は。

私の記事を読んでくださる方が増えて、大変嬉しく思っています。特に今回の記事は日本の医療業界にとって大変重要で、今後避けては通れない内容だと思うので、もし賛同いただける方はシェアして頂けると嬉しいです。

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