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つくることと当てることには順序がある

2015−16年の間、僕はずっと何かに悩まされていた。

これまでは、「つくること」が楽しかったのに、いつのまにか「当てること」、「売れること」が目的になってしまっていた。

僕がつくる場合は主にウェブサービスやスマホのアプリなのだが、2010-2011年はまだまだスマホを使う人は少なく、愉快犯的に「これ面白いだろ!」というふうに作品を作っていた。最初は全然売れなかったけれど、2012年以降、爆発的にスマホが普及するタイミングで、仲間と何本か100万DLを超えるようなサービスを生み出すことができた。そこからはビジネスチャンスとして参入してくる会社が増え、マーケットが出来上がり、お金が動くようになったので、それを「仕事」にする人が増えた。とてもよいことだけど、僕自身がその流れに飲まれてしまった。アプリを出せば100万DLいくものだ、みたいな感覚がついてしまって、ついには100万DLいくものを作ろう、という発想になってしまった。

すると、新しく出すサービスは当たらなくなった。僕はスランプに陥った。なんのためにサービスを作っているのか、仕事をしているのか、わからなくなった。

お客さんは、どんどん創り手の狙いがわかる作品から離れていく。「これおいしいでしょう」と自分に合わせてつくられたものに気持ち悪さを感じているのだと思う。

例えば、僕らがアートを見にいくとき、「売れること」を目的にした作品を見たいだろうか?僕が作品を見るのは、その人のメッセージやコンセプトに触れたいからであり、モノが欲しくて見ているわけではない。(もちろん、所有したいほどいい作品に出会ったらそうするかもしれないが)

そんなことを、先日行ってきたシンガポールのギャラリー集合地、Gillman Barracksで思った。ミャンマーから来てるアーティストのMIN THEIN SUNGがアトリエにいらっしゃったので、作品のテーマやつくった理由を聞かせてもらった。

'Another Realm'という、白のファブリックでつくった手作りのおもちゃのシリーズが素敵だった。彼のミャンマーでの日常にあるものをつくったもので、政治的な理由で他の世界から取り残されていると感じたものを、抽象化したのだろう。言論統制もある中で、メッセージを抽象化して伝えられることはアーティストの強みだ。


帰りに一緒に写真撮ってもらった^^

今年は「当てること」ではなく、真摯に「つくること」「伝えること」をしていこうと思った。

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「あそぶようにはたらく」PLAY株式会社代表取締役。『写真で一言ボケて(bokete)』、マンガクチコミアプリ『ヨモ』など、好きな人とサービスをプロデュースしてます。【これまで】日テレ→opt→HALO創業/狩猟社COO→PLAY/オモロキ/Roadieの複業中。ネコが好き。
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