ヤフーが、動画クリエイターの流れを変える。

さあ、動画の戦国時代がやってきた。動画の新たなプラットフォーマーを狙うプレイヤー、ヤフーが現れたのだ。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO37099850Q8A031C1EAF000/?n_cid=SPTMG002

「いまさら新しいプラットフォーム?」「YouTubeあるからいらない・・・」と思うのは早計だ。

このサービスは、動画クリエイターの流れを変えるかもしれない。

実際に動画を投稿し、UIUXを試してみないとわからない、というのが正直なところだが、

現在動画を投稿できるプレイヤーは「200名のインフルエンサー」に限られているようだ。

さて、ビジネス教育系YouTuberである筆者の目に止まったのは、以下の2つだ。

・クリエイターへの収益配分の仕方がYouTubeとは異なり、再生回数に依存しない点

そこでヤフーは投稿者が広告に頼らない報酬制度を導入する。投稿者が継続して配信しているかや、「いいね」の数などで動画の質を判断する。ヤフーが直接、投稿者に対価を支払う。ヤフー自体は収入を広告で得るが、投稿者が再生回数などを過剰に意識する必要がないようにするためだ。

・クリエイターのボトルネック(時間と手軽さ)を解決しうる、動画作成のための独自ソフトを無料で提供する点

動画作成のための独自ソフトも無料で提供する。動画の質を高めるため、ヤフーが投稿者に撮影技術の指導も行う。

「ニッチマーケットの良質クリエイター」は動く可能性が高い

動画クリエイターは、自分の可能性を最もマキシマイズできるプラットフォームに動画を集中投稿する。

具体的には、縦型か横型か、といった視聴体験の違いや、SNS系かSEO系か、といった検索体験の違いは、

コンテンツの企画や撮影方法をがらりと変えるため、どこかひとつのプラットフォームに特化して動画を作る。

組織として分業制を敷けば話は別だが、一般的なインフルエンサーであれば、YouTube向けのコンテンツを

ツイッターやフェイスブック等の別のプラットフォームで二次利用する。当然、二次利用コンテンツに力はない。

以前、YouTubeとIGTVの違いをもとに書いた以下の記事が、この話について深堀りをしている。

https://comemo.io/entries/10639

そうなのだ。プラットフォームの報酬設計は、クリエイターの投稿モチベーションを大きく変える。

記事を読む限りにおいては、ヤフーは再生回数ではなく、コンテンツの質に対してお金を払うようだ。

もちろん、YouTubeでもコンテンツの質によって広告掲載料の単価は変わるのだが、

それでも、クリエイター収入のドライブ要因は「再生回数」にまだまだ依存する。

つまり、視聴再生回数を稼げるクリエイターは、YouTubeで戦い続けるのだが、

とある分野のクリエイターはヤフーに流れる可能性がある。

それは「ニッチマーケットの良質クリエイター」だ。

具体的には「教育系ユーチューバー」だろう。

そうなのだ。筆者がこれに該当する。

だから、Yahooのお問い合わせ欄に「私もぜひ動画投稿したい」と応募をした。

こういう行動を喚起する報酬設計なのだ。

動画制作の独自ソフトが、クリエイターの幅を広げる鍵になる

もうひとつは、制作のために「独自ソフト」を提供するという点だ。

動画の制作コストを劇的に下げてくれるツールであればあるほど、プラットフォームの利用価値は高まる。

テッククランチの記事を読む限り、RICHKAが絡んでくるようだ。そうなるとおもしろい。

詳しいことは書けないが、プロダクトのモックを筆者は見せてもらったことがあるのだ。

たとえば制作支援においては動画マーケティングや動画メディア事業を展開するViibarと連携。動画制作のノウハウをマニュアル化しクリエイターに無料で提供する(両社は2015年に資本業務提携を締結)。動画コンテンツの制作経験が少ないクリエイターに対しては動画制作ツール「RICHKA」をカスタマイズし、こちらも無料で提供するという。

https://jp.techcrunch.com/2018/10/30/yahoo-creators/

動画界の巨人であるYouTubeを追いつき追い越すことは、決して一筋縄にはいかない。

しかし、ヤフーの戦略がバシッとはまれば、話は変わってくる。

新たな動画プラットフォームを生み出す事業者が増えることは、個人の時代を加速させる。

おもしろい。この時代に生きる「個人」は、おもしろすぎる。

私もこの流れの中に身を任せよう。組織にはまらない「個人」として。

いつサポートするの。いまでしょ。