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ロードバイクで膝の痛みを感じたときはレベルアップのチャンスと捉える

ロードバイク乗りにとって膝の痛みは畏怖の対象

ロードバイクに乗るようになって、最も怖れているのが膝の痛みの発生である。

ロードバイクは常に足を回転させるもの。ペダルを回すたび膝に痛みが走るわけだから、乗ること=苦痛にしかならない。
挙げ句の果てには、膝の痛みに不安を抱えながらロードバイクに乗ると、すれ違う、もしくは抜かされたローディに対し、「あの人は膝に何の憂いもなくペダルを回せることに、もっと感謝すべきだ」などと捻れた羨みの感情を抱いてしまうもの。
そして、ロードバイクに乗る楽しさを覚えた者にとって、膝の痛みの発生は畏怖の対象となる。
痛みなく乗っているときも、そのうち膝痛が発生するのでは…とビクビクしながらペダルを回すこともあり、そんな状態では不安が勝り、楽しくライドすることなんて出来やしない。

とにかく、膝の痛みはロードバイク乗りにとっては非常にネガティブな存在なわけです。

ロードバイク乗りにとって膝痛は本当にネガティブなものなのか

一方で、膝の痛みが発生するということは、何らかの要因により、身体に負荷のかかる乗り方をしているということ。膝痛の発生原因を探り当て、それを改善した先には、適切なポジションとライティングフォームを得られるかもしれない。
そうなれば、もっと速く遠くまで行けるかもしれない!ワクワクしてきたぞ!

膝の痛みの発生は、まともにロードバイクに乗れないことで、とかくネガティブな感情に支配されがちだが、楽に速く乗るための通過点と考え、前向きに向き合うことにした。

私の膝痛遍歴

①左膝の頭が痛い!

まだロードバイクを乗り始めて間もない、ポジションやペダリングは手探りの頃。
通勤やツーリングに使用し、己の肉体を鍛える喜びに目覚め始め、少しばかり調子に乗り始めてもいた。
ある日の帰り道、いつもより強めにペダルを漕いでいたところ、左膝の頭に痛みが走った!
それまでも、軽い違和感を感じることは時折あったが、それとは明らかに異なる刺すような痛み。寝れば治るかと思ったが、数日経っても自転車を少し漕ぎ出すと痛みが出る始末。
痛みの発生箇所は、膝の頭周辺から出ているようだが痛みが分散し、はっきりと分からない。
この状態は非常に不安だった。自転車を漕ぐまでは、はっきりとした痛みは無く、漕ぎ始めてからしばらく経つと痛みが出始める。今日はどうだろうと、膝の様子を探りながらのライドは全く楽しくない。

ペダリング時の膝の傾斜角度を意識したり、インナーソールの交換を試すも改善せず。
これではイカン!とポジションを見直したときの話がこれ。

原因はシンプルだった。単にサドルを上げ過ぎていただけ…。

サドルの上げ過ぎが膝痛の原因

振り返れば、サドルの高さは日に日に上がっていた。サドルが高くなればなるほど脚の力を入れやすくペダルを回しやすく感じたことのほか、ロードバイクのサドルは高い方が良いという偏見もあった。

しかし、高過ぎるサドルは、大腿四頭筋へ過大な負荷を与え、それが膝神経に触っていたようだ。

サドル高を適正値に調整し、大腿四頭筋に負荷のかかる「踏む」ペダリングから「回す」ペダリングに意識を変える。
またサドルを低くしてもスムーズにペダルをまわせるよう、股関節の柔軟性を向上させるためのストレッチを毎日行うことを習慣とした。
気付けば左膝の痛みは消えていた。

②右膝の上側が痛い!

新型コロナにかかり自宅療養のため、2週間以上、ロードバイクに乗ることが出来なかった期間があった。

久しぶりに乗るロードバイクは、心肺や筋肉の劣化のためか、思うように進まない。
そんな焦れったさを感じつつ、冬の荒川峠でモガイていると、今度は右膝の上側に痛みが発生。

膝に痛みが出た瞬間の感情は陰鬱だ。
また、やってしまったのか… →いや、ちょっとした違和感だろう →やはり漕ぐ度に痛みが →風呂に入って寝れば治るだろう →やはり痛い…
寝ても覚めても膝のことを考えてしまう。

サドルの前乗りポジションが膝痛の原因

前回と異なり、今回の痛みは膝の上側(大腿四頭筋側)に明確な痛みがあった。
大腿四頭筋に負荷を与えすぎたときの症状だ。

結果、この時の膝痛の原因は、サドルの前乗りにあった。振り返るとこんな経過かと。

コロナ療養による筋肉量低下 →ロードバイクに乗ってもスピードがのらない →無意識のうちに力を入れやすい大腿四頭筋中心の前乗りペダリングに →猛烈な北風に抗う →大腿四頭筋が死亡 →膝痛

改善策は、とにかく大腿四頭筋への負荷を低減させること。大臀筋やハムストリングスを使ったペダリングを意識し、サドルの座る位置を後方に移す。
大腿四頭筋のストレッチも入念に行う。

これらの取り組みで、右膝の痛みも無事に解消した。

膝痛を乗り越え得られたもの

私の場合は大腿四頭筋が弱いようで、酷使するとすぐに痛みが出てしまうようだ。
大腿四頭筋が弱いのはロードバイク乗りにとって致命的なような気もするが、それは置いておいて、膝痛の発生からそれへの対応を通して、以下のレベルアップを果たせたと感じている。

①「踏む」ペダリングと「回す」ペダリングの意識

②柔軟性の向上による安定したケイデンス

③大臀筋やハムストリングの活用による持久力向上

これらは膝の痛みがなかったら、得られていなかったかもしれない。
膝を痛めたからこそ、それを解消するためにポジションやペダリング、身体のケアに気を配るようになった。
膝に痛みが出ることは、決してネガティブなことだけでは無い!

でも、やっぱり膝の痛みが出ないことに越したことはないよな…



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