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お掃除トクさんのルーツ⑥『就職』

会社の現状を鑑みて不本意ながらも自ら退く形で清掃会社を退職。その後も音楽活動をしながらの生活を続けていましたが、お掃除トクさんが24歳の時に大きな転機が訪れます・・・。

■プロミュージシャンの道との決別

清掃会社を退職してから間もなく、メジャーデビューを目指していたバンドが解散します。大きな目標を見失いながらも、ドラマーとして、多少の生演奏の仕事をこなしながらのアルバイト生活を続けていました。・・・が、気が付けば24歳・・・。

当時から、音楽業界は20歳前後で実力派の若手バンドがたくさんメジャーデビューしているような世界でした。そんな中、ただドラムを叩けるだけが取り柄のままで、いつの間にか24歳になっていた自分・・・。このままプロミュージシャンを目指していていいのか?それとも、プロの道を諦めて社会人になるべきなのか?・・・将来を考えて葛藤する日々が続きました。

メジャーデビューを目指していたバンドが解散してから新しく結成したバンドがありました。そのバンドでキーボードを担当していた、僕よりも年上の先輩だった男性。ある日、その男性に自分の将来への不安について話をする機会があったのですが、その時にこんな一言をもらいました。

「何もプロを目指す事だけが音楽の道じゃない。社会人になって、趣味で音楽を続けるという道もありだと思うよ・・・。」

この一言が、当時の僕の考え方を大きく変えてくれました。ある種の「プロミュージシャンにならなければならないんだ・・・!」というような固定観念が外れ、大きく視野が広がり、自分の人生観がこれまでとは全く違うものに変化したような感覚でした。

■人生で初めての就職活動

そのキーボード担当の男性から貰った一言がきっかけとなり、僕はプロミュージシャンになるという夢との別れを決意します。そして、就職活動を始める事を決意しました。

とは言え、当時の日本は『就職氷河期』と呼ばれていた時代。年齢も年齢だけに、就職活動を始めてから最低でも半年間は就職先が決まらない状態を覚悟していました。それと同時に、その期間は合間で音楽活動も継続できるかも・・・?という、甘い考えもありました。

ところが、就職マガジンを購入した初日、手始めに住んでいた家の近所の会社に面接希望の連絡を入れたところ、なんと、一発合格で入社が決定してしまったのです!

■本格的に社会人としての人生がスタート!

その会社は、食品トレーを扱っている卸問屋で、中距離のルート配送の仕事を募集していました。電話を入れて、面接に行った当日に即決で入社が決まるという予想だにしていなかった事態に正直面くらったのを、今でも鮮明に覚えています。

とにもかくにも、あっという間に就職先が決定して社会人としての人生がスタートしたのでした。

(つづく)

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