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バトルフィールド文学フリマ

※感想文は読み途中ゆえ後日だ! ただの日記だぞ

文学フリマ岩手に行くぞ。
鞄に筒井康隆氏の「虚人たち」、かんべむさしの「むさしキャンパス記」を入れて長旅を楽しむ。それは空想に終わった。寝坊したからだ。馬鹿。

虚人たち、を数十ページだけ読めたのは良かった。著者紹介が好きな写真でニッコリ。ページを捲ると「今のところまだ何でもない彼は何もしていない」という一文から始まり、ニッコリ。

破顔という言葉がある。ニッコリしたうえに、更にニッコリしたもので、口から顔がどんどん破けて化け物になる過程。どうにか元に戻しながら電車に揺られる。

文学フリマには昨年初めて参加した。
出す側だというのに中途半端なもの書いて金取って、わしゃ悪人か。もう一種の詐欺ではないだろうか。まあその、とにかくポッキリ心が折れたのだ。未だにツイッターの検索欄に当時の筆名が佇んでいて、消せばいいのに、亡霊のようにずっと残っている。直喩は未練の味。

昨年、買わせていただいた方、今年も出店していたのだけど、そのお方の話が本当に本当に面白くて、感動して、半端な自分と比べて大泣きしたものだ。あちらは覚えていないだろうけれど、自分からすると謎に後ろめたい気持ちになって、今日スペースの前を通るとき、ぎくしゃくした。口伝のような、不思議に温かい話を書く人だった。
「吾れ天地を以て棺槨と為し、日月を以て連壁と為し、星辰を珠璣と為し、万物を齎送と為す」という荘子の言葉を知ったとき、あの方に似合う言葉だと思った。

題の話になる。あの空間、バトルフィールドすぎる。
選び、選ばれるあの空気が苦手だ(配慮を求める、とかそんな詰らん話ではない。悲しい批判とかでもない。マイナスな気持ちにさせてやろう、とかでもない)。
皆はあの場をどう感じているか判らないけれど、同好の士による交流の場だとは、自分はどうにも思えないのだ。お前さんが稚拙だからじゃないかねと云われりゃ、ごめーんそうかも!!! になるが……。


以前なら商業的な詩誌や文学雑誌に作品を発表することがひとつの目標になっていて、同人誌から商業誌へそして文学賞へというのが一つのヒエラルキーみたいなものだったが、そういうことにもあまり関心がないらしく、彼らはいわゆる詩壇から離れて読者・聴衆と直接交流しようとする。

谷川俊太郎氏「ひとり暮らし」

この前文の意識が強くあるのかしら。愛情、自信。あるならば文壇へ行こうとなるのが自然だと思っている?
人の好みは千差万別だけれど、それは優劣と似ている? 初参加の時、自分は周囲より劣っていると感じた。皆、自身の作品に愛を持っていて、それが好きだと云ってくれる人の存在が嬉しくて、その交流一つのためにあの場にいる? うおお、判らん! 素通り、とか、隣の人の本が選ばれるあの瞬間、自分は虚しさを感じる。

ここからの脱却が出来ずに、申し込みをキャンセルしてしまうような、
そんな「うろ人たち」が何処かにいる。

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