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あの頃の自分に出会いに行こう。



小学生の頃、夏休みが来るたびに、2週間ほど過ごした、四国のじいちゃんち。

車は運転できなかった。自転車で何処か行くには無知すぎた。お金も、携帯も、持っていなかった。時間だけ、有り余っていた。

日本海側とは一味違う、
太平洋側の暑さにうなだれながら、
ただただ暇を持て余していた、あの頃の自分に。

いくつになっても、出会える気が、するんだよ。


そう思って、高知県宿毛市にやってきた。


その道中、様々な想いを巡らせながら。


クーラーの効いた車内。助手席に座って、窓ガラス越しに差し込む夏のような太陽を感じざるを得なかった。その時、真夏の台北で食べた牛肉麺を思い出した。


四国山地の頂を目指して山道をグングン登っていく時、思い出したのは、山の天空に浮かぶ姿から「鷲の巣村」とも呼ばれる、南フランスの村へいく山道だった。

四国山地の頂にあるのは四国カルスト。思いがけずそこでは牛が放牧されていたのだが、思い出したのは、グリュイエールチーズが有名なスイスの村へ、トラムや電車、バスを乗り継ぎ、村へ続く一本道を歩いた自身。
そのスイスの一本道も、そんなふうに高山にあって、そして牛が放牧されていたのだった。

柏島。透きとおる水。水面に停泊する小舟。スイスとフランスの国境となるレマン湖沿いにあった、ファンシーで、ひときわ美しい村を思い出した。


私は確かに今、
幼少期の夏を過ごした高知県にいるんだけれども、

幼少期以外の、過去の自分にも出会い直して、

26歳の自身の身体には様々な経験が詰まっているじゃないか、

と認識させられた。

 

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