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気づかないだけでかなり近くにあるパーム油 ~ 大学生の所感 ~

オシンテックでアルバイト中の大学1年生のケイです。突然ですが皆さんはパーム油を知っていますか?パーム油と聞くと何を連想するでしょうか。僕はパーム油にはなんとなくネカディブなイメージを持っていました。なんでだろうと思い返すと高校の選択科目で地理を選んでいたため、どこかで話を聞いた覚えはあるのですが具体的な理由は知らず…そんな中参加した今回の読書会でした(※)。

(※)オシンテックでは、RuleWatcherのユーザーさん(RuleWatchersさん)たちと、毎月末の夜に「お休み前の読書会」を行っています。RuleWatcherで取得した記事をひとつ選んでみんなで読むというちょっと変わった勉強会です。

7月に取り上げたのは、非営利団体が発表した、インドネシアのパームヤシ畑の人権侵害の報告。前提知識のない方に向け、パームヤシとかパーム油ってなんだろう?という入り口の解説から始まりました。
このnoteでもその内容をなぞってみたいと思います。
もう知ってます!という方は説明パートは飛ばしてくださいね。

そもそもパーム油とは何なのか。実は形を変えて、ビックリするくらい僕達の生活を支えています。身近なモノで言えば洗剤・石鹸・食べ物(スナック菓子等)・化粧品・シャンプー・マーガリンなどなど。
一人暮らしをしている僕も毎日消費しているようなものばかりです!

インドネシアは国も推進するほどパーム油の生産に力を入れています。皆さんが聞いたことがあるであろう「プランテーション」。大規模農園のことでインドネシアではパームヤシのプランテーションが1,075万haもの面積を占めているそうです。日本にとって1,075万haとは国土面積の28.4%で、それはおよそ本州の半分ほどを占めるほど!!
東日本または西日本のいずれかが全て農園となっていると思うと凄まじいです。

ではパーム油がなぜ今日の社会問題として取り上げられるのか。


答えとして、実はパーム油そのものの問題ではなく、パーム油を生産する過程で生じていることが問題となっているのです。


パームの木が植えられている場所はどんな場所かわかりますか?
そこは「もともと」熱帯の湿地です。湿地だった場所から水を抜き去って、焼き畑で整地をしてからパームヤシを植えていきます。
この、びしょびしょだった土地は、「泥炭地」と呼ばれる特殊な地面で、長い長い年月をかけて植物が積もってできています。
言い換えると、ほとんどすべて「炭素でできている」ということになります。湿っているので炭素が地面に固定された状態になっているわけですが、パームヤシを植えるためにそこから水分を抜き取る必要があります(パームヤシはもともとアフリカ原産で乾燥を好みます)。
そうすると泥炭が空気に触れ、温室効果ガスとなって大気中に排出されるというのです。これが膨大な量なんです。
そこにさらに焼畑をするため森林火災も起きる。従来の森林破壊も行われるので、パームのプランテーション開発は地球温暖化の進行をも助長してしまうのです。

これに加え、今回の読書会でメインで取り上げた問題は先住民の人権問題でした。インドネシアでは、パーム生産の際にその土地にずっと住んでいる先住民族を退けようとするという事態が勃発しているようです。「開発を進める」「パーム油を生産する」という目的を押し進めるために、先住民に強制移住・土地の押収・嫌がらせ・殺害などを含む人権侵害を行なっているのです。

世界ではパーム油は必要不可欠な資源で、身の回りに溢れかえっています。消費者・企業も使わざるを得ない状況であるほど依存してしまっているのです。そのため、私たちも実質人権侵害に加担していると言っても過言ではないのです。

しかし、問題は先住民に留まりません。
児童労働です。

労働者はプランテーションの管理会社から生産量のノルマが課せられ、達成するためには労力として子どもが必要なほど…。
学校にも行けず、遊ぶこともできない子たち。
僕が幼少期に楽しく食べていたポテトチップスの背景には自由を奪われた同い年の子どもがいたと考えると罪悪感を抱きます。

パーム油が生産される過程で深刻な諸問題が起こっていると考えると、パーム油を消費することに対する見方も変わってくるのではないでしょうか。

パーム油の話を聞いた後では、買い物をするときは原材料をしっかりみないとな…だなんて気持ちが変わりました。

他の参加者の方の感想では「安さが正義になっているからパーム油も消費され続ける」と言うものがありました。でも、この安さは環境負荷のコストが価格に乗っていないためなので、その分を考えたらとても高い買い物なのではないでしょうか。今まで自然に押し付けてきたコストを考える時期に来ているのだろうと思います。ではまた!

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