「普通の人、特別な結果」 byプロダクトマネージャーカンファレンス2019_議事録
プロダクトマネージャーカンファレンス2019にて、かの名著「Inspired」の著者Marty Caganさんの上記のキーノートの内容をリアルタイムでメモしたものを私の視点でまとめたものです。
現場をリードするUXデザイナーにも非常に役立つお話だと感じ公開してみました。多少の聞き漏らし・解釈違いはご容赦くださいm(_ _)m
プロダクトマネージャーと企業のリーダーシップ
プロダクトマネージャーとは
課題を解決する気概を持ち
普通の人が普通じゃないことを成すことである
PRODUCT DISCOVERY
「デザイナー、エンジニアと一緒に解決する」
お客さまのためのソリューションを提供するのが目的です。
そのためにはプロトタイプをたくさん作る必要があります。
= PRODUCT DISCOVERY
なぜプロトタイプするか?
4つのリスクを避けるため
・社会にある課題を解決するか?
・お客様が使いたいと思うか?ニーズが有るか
・お客様にわかってもらえるか、使えるか?
・ビジネスをバックアップできるか?マネタイズ可能か?
これらをプロトタイピングすることで、定量・定性様々な方法で検証する。
しかし既存のチーム開発ではこれが出来ない状態が多い、
それゆえに人間の潜在力が無駄になっている。
①フィーチャーチーム
チームには二種類がある。その一つがこれです。
「君はこれをやりなさい」
つまりはロードマップが与えられてそれを構築する働き方。
使いやすさやを考えたり、多少の設計が必要な仕事ではあるが、バリュー(価値)を考えるのは「上の人」の仕事になっている。
そうするとチームはお客様ではなく、発注する上司や組織の利害関係者にサーブしはじめる
チームは、お客様を念頭に仕事をしなければならない
☓:マイルストーンに合わせて機能を実装する
○:事業やユーザーの問題を解決する
これができるのが②のプロダクトチームです。
②プロダクトチーム
プロダクトチームはお客様の問題を解決しなければならない。
そのためには、自らの判断で機能や要件を実装しないときもあるかもしれない。
優れた企業はなぜ優れたプロダクトチームを創るのか?
エンパワーメントするプロダクトチーム
=真のプロダクトチーム
例えばイスラエルの事例がある
この国はベストなプロダクトチームを持っているスタートアップが多い
・世界各国の人がいろんな文化を背負って、集まって素晴らしいプロダクトチームを作っている
・多様性が高いチームが協力するからこそ、より高い価値を生み出せる
エンパワーメントが必要なことは何年間にも渡って多くの人が語ってきたことで自明である。しかし実行が難しい。
リーダーとは?
経営者に「なぜフィーチャーチームを使うのですか」と聞くと?
必ず同じように「チームを信頼していないから」と返す
多くの経営者は「チームには顧客のことはわからないだろう」と考えている。
スタートアップの場合はできていたことが大きくなるに連れできなくなってくる。トップダウンで解決したくなる、傭兵を使いたくなる。
フィーチャーチームは傭兵の集団だ、傭兵とはやることをやる。指示されたことを忠実にこなす人々のことだ。
フィーチャーチームにはプロダクトマネージャーは不要である
プロダクトチームには伝道師が必要だ
自分はなぜ情熱を持っているのか?それを伝えながら仕事をするのが伝道師だ。
しかし多くのプロダクトマネージャーはこの仕事をしていない
「信頼を得ること」、「信頼すること」をしていない。
また、そのトレーニングすら受けていない。
本当の意味でのプロダクトマネージャーは「エンパワーメント」ができる。また俊敏性を持って仕事をする事ができる。
これを学ぶためには、すでに能力のある人にコーチングしてもらうのが良いだろう。
プロダクトマネージャー非常に難しい仕事
プロダクトマネージャーの仕事=信頼
Apple、アマゾン、グーグル
これらの企業のカルチャーには明確に違いがある、
だからこそ成功の理由をカルチャーだけでは語ることは出来ない。
抜本的な共通点が一つある
創業者が全く同じエグゼクティブ・コーチのもとで学んでいるということだ。
=ビル・キャンベル氏
彼いわく
優れたリーダーの仕事は従来の軍隊的なコントロールと違って「これをしろ!」と指示することではない。
『如何にして環境を創るか?である。メンバーがグレートなイノベーションを創れる環境をだ』
The role of leadership
エンジニアの人数が
・数人ならスタートアップ
・20人以上は成長段階
・100人からは大企業
大きくなるほどコントロールが難しくなる
また、プロダクトマーケットフィットはもっと難しい
小さいチームであれば「問題に焦点をあてる」ことがすぐにできる
お客様と関係が作れ、お金が生まれて、成長していく。
リーダーの役割とはメンバーを同じ方向にむけさせることだ。
■プロダクトビジョン=北極星
どこにいるにせよ、北極星が見える限り必ずそこにたどりつくはず。
常に北極星を見ながら船の進路を変えていけばいい。
■プロダクト戦略=航路
プロダクトの一生は5から10年以上〜
プロダクトの5年は1回のローンチでは作れない。
故に「プラン」を考えなければいけない
伝道師として仕事する
チームに対して「こういうものを創りたいんだ」と伝え続けることが大切。
故にきちんとスキルを持ってなければいけない
また、自分たちが責任を持っていると認識しなければいけない
ジョブズは優れたプロダクトマネージャーであると同時に、優れたリーダーだった。
素早くチームが作ったプロトタイプを数分とってみて、十分に良くない理由を説明する、その技術が彼の優れたところだった。
そして、彼は優れたプロダクトチームを持っていた。
マネージャーの責任
プロダクトマネージャーは人のマネージャーではない
ここでいうマネージャーとは「人を育てる人」だ
人は自律的でなければいけない、エンジニアにはエンジニアのマネージャーが、デザイナーにはデザイナーのマネージャー必要だ。
それぞれのマネージャーが人を育ててプロダクトマネージャーに貢献する
■マネージャーのタスク
①採用
すぐれた人を採用する
②コーチング
人に対しての能力を高められる
③チームの目的を設定する
エンパワーメントするための目的
マネージャーであればチーム全員がお互いを信頼できるようにすること
■重要なのは2つ
・自信
・能力
(※エンジニアの採用は近年醸成されてきたが、デザイナーはまだまだ難しい、デザインはルックアンドフィールではないことを理解しよう。)
プロダクトマネージャーのトレーニングが必要
プロダクトマネージャーに必要なものは2つ
・優れた能力がある
・嫌なやつではないこと
環境を壊す人ではないこと、そういう人はチームに害を与える
まとめ
プロダクトマネージャーとは普通の人であるけど特別な成果を出す人
革新はしばしばエンジニアから生まれる、なのにフィーチャーチームではエンジニアは価値に関わってこない、これは非常に勿体がないことだ。
問題解決するためには、エンジニアやデザイナーとコラボレーションすることだ。
真のプロダクトチームに移行するためには貴方が声を上げる必要がある
PMの真の仕事とは「TRUST」である。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?