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読書

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読書に関すること色々
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記事一覧

谷崎潤一郎のこと

少し前まで、谷崎潤一郎は私にとって「好きな作家の一人」に過ぎなかった。 遥か昔、高校生の…

星川 玲
3か月前
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『ロング・グッドバイ』

久しぶりにチャンドラーの『ロング・グッドバイ』を手に取った。 ちょっとしたきっかけがあっ…

星川 玲
5か月前
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25ヶ月連続投稿と谷崎潤一郎著「東西味くらべ」

先日、noteから「お知らせ」がきた。 10月31日までに記事を投稿すれば、「25カ月連…

星川 玲
6か月前
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読書へ誘う書評

現代詩作家の荒川洋治さんに魅せられている。 彼の詩はもとより、新聞の読書欄などで目にする…

星川 玲
9か月前
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「中島みゆき詩集」

心がささくれ立ちそうな日常に 中島みゆきの詩集を読む。 詞集ではなく詩集。 収められている…

星川 玲
11か月前
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偏愛、偏読。されど素晴らしき読書の旅

人は一生のうちにどれだけの本を読むことが出来るのだろうか 昨年の暮れから今年初めにかけて…

星川 玲
1年前
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村上春樹『街とその不確かな壁』

村上春樹の『街とその不確かな壁』を、昨日読了した。 前作、『騎士団長殺し』以来6年ぶりの書下ろしだ。 村上春樹も、またそれを読む私も有限のときを生きていれば いま、彼の新作を手にし、読むこと……その喜びを静かに噛みしめている。 第一部から第二部へとほぼ一気に(それでも3日を要した)読み、 第三部は少なくなっていく残ページを左手の指で数えながら、ろうそくの火をそっと消すようにして、読み終えた。 心の奥の、深い深い場所に響く小説だった。 いま、『街とその不確かな壁』は、私の

村上春樹の新作長編小説と「BRUTUS」

先日、 時間調整を兼ねて入った書店で 「村上春樹」の文字がずらっと並んでいるのを見た。 正…

星川 玲
1年前
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谷崎潤一郎著『瘋癲(ふうてん)老人日記』

先日、誕生日を迎え、一つ歳をとった。 何歳になったのか? それはさておき、 残りの時間を示…

星川 玲
1年前
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「カップ一杯のコーヒーがもたらす暖かさの問題」

『象工場のハッピーエンド』 村上春樹=文、安西水丸=画 これは安西水丸さんのユニークなイ…

星川 玲
1年前
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年を跨いで読む『カラマーゾフの兄弟』とN響の「第九」

昨年、12月の半ばころに『カラマーゾフの兄弟』を読み始め、 今、第3部の終盤近くに差し掛か…

星川 玲
1年前
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『カラマーゾフの兄弟』をもう一度読む

中学生の頃に一度読んだきりの『カラマーゾフの兄弟』。 教師から勧められ、精一杯の背伸びを…

星川 玲
1年前
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谷崎潤一郎訳源氏物語/失ないたくないもの

私が『谷崎潤一郎訳源氏物語』を初めて読んだのは、 20年ほど前だろうか。 古書店で購入した、…

星川 玲
1年前
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谷川俊太郎作『生きる』

八月 七日 立秋 谷川俊太郎さんの詩集を読みました。 その中の『生きる』は、読むたびに新たな感動を覚えます。 この詩に、タロット・カードを乗せたなら、どんなハーモニーが 生まれるのだろうかと思い、 詩の切れ目ごとにカードを一枚引きました。 一枚目に「魔術師」 二枚目に「月」 三枚目に「世界」 四枚目に「節制」 最終五枚目は「法王」。 このように、カードは合計5枚。 一枚目の「魔術師」に始まり、五枚目の「法王」に至るまで、 前向きに、ひたすら目の前の「生」を生きる人への