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8章 ストレスから解放されるための瞑想法
ストレスとは、さまざまな外部からのストレッサーとなる心理的、感情的、環境的、物理的な負荷や刺激により引き起こされます。
ストレスがあると、心臓の鼓動が激しくなり、呼吸は荒く、手足は冷たく、瞳孔は散大し緊張が高まります。これは、緊急事態を体が自動的に察知し、いつでも戦うか逃げることに対して素早く反応をするための反応で、交感神経が活性化した状態です。
本来は本能的な反応だったわけですが、現代生活でも人生はストレスに満ちています。仕事や人間関係などでのトラブルなどの日常的に引き起こされるものから、配偶者や両親などの死、病気など思わぬ出来事や危機に遭遇した時にストレス症状が生じます。
そうした時にはマインドが過剰になり、脳神経が興奮状態になり、不安や抑鬱状態、不眠や自律神経の調節障害などが生じます。つまり、ストレス自体は人間が生きていく上では必要な反応なわけですが、人間の頭脳の発達によって、想像力によって現実にないことまでについても思い悩むことによって、その妄想によって必要以上のストレスを作り出していることが問題と言えます。
つまり、現実に対処するだけではなく、マインドが過去と未来について余計な心配を作り出しているマインドが過剰になっている状態とも言えます。
そうした時には、「今ここにいる」という瞑想はとても有益です。また、ストレスは交感神経を活性化させますから、それに対して副交感神経が働くようにすれば良いわけです。つまり、リラックスすることがとても役に立ちます。
そのための瞑想としては「呼吸を観る瞑想」が効果的です。
ただ、ストレスがあまりにも高い時には、まず体を動かしたり、声を出したり、少し音楽をかけて踊ったりして、過剰なエネルギーを放出してから行うとより効果的です。
そういう意味では「クンダリーニ瞑想」はおススメです。
それはともかく、簡単に、いつでもどこでも、5分でできる瞑想として、「呼吸を観る」瞑想。瞑想法の中でも、最も基本的な瞑想法です。
<呼吸を観る瞑想>
「呼吸」はいつも今ここにあります。呼吸とともにあることで、自然と「今ここ」にいることができます。そして、呼吸とともにあることで、心も自然と穏やかになり、くつろいでいくようになります。
しばらく、静かに落ち着ける場所を確保します。ドアは閉めて、電話は切って、邪魔が入らないようにします。
姿勢を調整して、心地よい、楽な姿勢になります
準備ができたら目が閉じるにまかせます。
そして注意(意識)を呼吸に向けます。
呼吸を変える必要はありません。
変えようとするのではなく、楽で自然なペースで呼吸します。
内側から、呼吸を観察します。
息が入ってきて、出ていきます。
鼻孔のポイントで息の出入りに気づいていてもいいです。
お腹の動きで気づいてもいいです。
自分でやってみながら、自分にとって自然で楽な方でやります。
息を吸って、吸う息とともに、あなたも内側に入ります
あなたが息とともに内側に入っていく感じです。
そして、息を吐くときには、呼吸とともに出ていきます
5分ほど そのまま続けます。
ただ呼吸を観ています。
ときには自分の気づき(意識)が彷徨っているのに気づくでしょう。
考えたり、感じたりし始めているかもしれません。
それは全く自然なことです。
そのことに気づいたら、
ゆっくりと気づきを、息を観ることに戻します。
いつ終わるかは自由な瞑想なので、決まった時間はありません。
5分でも、10分でも、自分が好きな時間やることができます。
この瞑想の目的は、意識的にリラックスできるようになるためです。
呼吸と心は連動しています。
呼吸に気づき、穏やかになっていくとともに、心にも気づき、穏やかになっていきます。
緊張があるときに、自分で自分を穏やかな状態にすることができるようになるための、簡単なスキルです。ただ何度か、意識的に呼吸をするだけなのです。
日ごろから、この「呼吸を観る」瞑想をしておくことで、ストレスがあるときにも、ストレスに振り回されなくて済むようになります。
そのためには、日ごろから、この「呼吸を観る」瞑想を5分でも10分でも定期的に続けておくことです。
大きなストレスがあるときに、この瞑想を急に初めても難しいでしょう。でも、日ごろからこの瞑想に馴染んでおけば、何か大きな出来事があったときにもきっと助けになってくれるでしょう。
この瞑想で大切なのは、呼吸を観ることを通して、息が入っては出ていくのを、どのように観るのかを学ぶことです。
呼吸を観ることを通して、非常に微細なエネルギーの動きにも気づくようになってきます。それは、頭で知的にわかるのではなく、感じて得られる体験です。
私は呼吸ではない。その動きではない。
観ることを通して、自分はその身体の中にいて、しかし身体ではないということを理解します。
そうすると、ストレスではない自分にも気づいているでしょう。
ストレスに巻き込まれないで、ストレスに気づいて観ていることができるようになるだけでも、ずいぶん楽になります。
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