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応援していマスカット

2021年8月某日。雨ときどき曇り。26℃。


人に対する「頑張れ」、自身の意気込みとしての「頑張ります」を使わないのを今年の目標の一つに据えた。大それた理由は特にない。「頑張る」が内包する無責任さや鋭さのようなモノに、なんとなくうんざりして、そしてちょっと疲れた。

「頑張れ」って言うと、ちょっと相手を突き放している感じがして、
「頑張ります」って言うと、誰かに言わされている感じがして、
「頑張れ」って言うと、相手がどこか遠くへ行っちゃう感じがして、
「頑張ります」って言うと、なんか薄っぺらく聞こえる感じがして、

「頑張る」に罪はないし、悪くもない。なんとなく合わないと思っただけ。「頑なに張る」って言葉に肯定的な何かを感じ取れないし。と思って調べてみたら「眼を張る/我を張る」が語源みたい。そしてみんなが一度は調べるようなことらしい。


ということで、誰かに対しては「応援してる」、将来への一言として「努めます/励みます」を用いている。うっかり口を滑らせてしまったのは今のとこ2回だけ。我ながらよく頑張っている。あ、3回目。

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先日、一昨年まで在籍していた大学の体育会へ差し入れをした。今の4年生は、僕が4年の時の2年生で当時とても助けてもらったし、今の3年生と2年生は去年学生コーチをしていた時にお世話になったな、今の1年生のことは何も知らないけど。所属していた体育会に限らず、総じて学生スポーツチームは代謝が早くて、2-3年も経てば未知の組織に様変わりする。「顔出す金出す口出さず」が模範的な先輩像で素敵なOB様である、ならば、まだ顔を出せていないので66点、noteの題材にするのが「口出す」に当てはまれば33点、差し入れの量が足りないと0点。知っている後輩がいるうちに、理想の先輩になりたい。

そんな2コ下の後輩たちの晴れ舞台、全日本大学選手権が延期になったそう。当事者だったら心がポキッと折れるかも。でも五輪代表選手と同じ気持ちを味わえる、と言えば聞こえはいいか。それはそれで五輪選手に失礼だったりして。うーん。。。ともかく応援しています、という気持ちを込めてマスカットとメモ書きの「応援していマスカット🍇」を送るつもりだった。んだけど、それじゃ-33点のOBになりそうな気がして、巨峰を数箱だけに留めた。


とある同期と連名で割り勘で差し入れしたんだけど、「差し入れのお知らせ」ツイートに彼の名前が無かった。彼はLINE上で涙を流していた。僕はベッドの上で涙を流してゲラゲラ笑った。

少なくとも彼よりは僕の方がイイ先輩である。

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