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結婚は世にも奇妙な物語か、

2021年9月某日。晴れ。27℃。


オンライン異業種交流会(仮)という名のもと、体育会同期とzoomでお喋り会を開いた。半年ぶりかな。ゲリラ開催だったので、入れ替わり立ち替わり、18人中9人の生声を聴いて、残りの9人の噂を聞けた。満足。みんな生きてればそれでいい。欲を言えば浅草か立石か赤羽か荻窪でグラス片手に夜更かししたい。もう少しの辛抱だろうか。

不思議なもんで、3人くらいだと言葉が溢れ出てきて、5人以上になると途端に無口になる。これが根暗じゃないとして何と言おうか。陰キャ。小心者。だから居酒屋に行くとしても4人が心から楽しめる限度。哀しいかな。大人数の場を大回しして皆で大盛り上がりしたいけど、時代的にも僕の器的にもそれは難しいらしい。


そんな異業種交流会では、もっぱら生活がメインテーマ。そりゃお仕事の話もしたはしたけど、働き方と仕事内容をちょっとだけ。普段連絡も取らないし、会ってもいないんだから、近況が気になるのは当然ですよ。ただ3年前は一つ屋根の下、同じ釜の飯を食っていたのも事実。ところが黙って聞いていたら、耳を疑うような話ばかり。
辺鄙な土地で縁も所縁もないのをいいことに、マッチングアプリでひたすら右スワイプしているヤツ。
アラブに飛ばされて、小さいけど強固な日本人コミュニティで出会うCAさんと合コンしまっくているヤツ。
同じ店舗のバイトの女子大生をこっそり抱くべく、転職して一人暮らしまで始めちゃったヤツ。
ひょんなことから出会った彼と付き合い、同棲を始め、気づけば結婚秒読みのヤツら。
職場の同期とホヤホヤの恋をゆっくりじっくり温めているヤツら。
元カノと復縁して、結婚するかしないかという幸せな悩みに頭を抱えているヤツ。
同じ体育会の同期あるいは先輩後輩と細く長く付き合い続けているヤツら。
そして3年以上、異性との浮いた話がなく、この場で一人浮いているボク。
こうやってまとめてみると、ロクなヤツがいない。


確かに、趣味が同じで、自分好みの異性が隣にいたら、そりゃ毎日楽しくて仕方ないだろう。映画を観てともに涙し、ラジオを聴いて爆笑し、ペアルックで街に出かけ、ギターとベースでセッションし、フェスやライブで大盛り上がり、好きな小説家やアーティストを語り合って、オシャレなカフェやバーを巡り、、、。こんな妄想に耽るだけでも十分楽しい。だから比較的若い世代はマッチングアプリを登録して、共通項のある相手と出会う可能性を拡げるんだろう。けど、アプリを介して出会うのはなんか嫌だ。人間同士のつながりっていうのはアプリが入り込む余地なんかないほど密であってほしいし、機械が入ってもすぐに溶けてしまうほど熱いはずだし、AIの助けなんかなくたって、と時代に取り残された僕は思っている。いや信じている。

そりゃねえ、羨ましいよぉ。彼女ほしいもん。一人でいいって言うのは嘘をつくことになっちゃうよ。ただ30歳が近づくにつれ、お付き合いと結婚がセットになるらしい。
大学3-4年の頃、寮で同期と飯を食いながら、「25歳で結婚する。子供は3人欲しい。」と宣言した記憶がある。恐らくこの目標は達成できず、3年後26歳になっているだろうが、今思うのは「結婚なんてできないよ」である。

先に断っておくが、友達や同期の結婚をとやかく言うつもりは全くないし、こっそり応援しているし、きちんと祝福もしたいと思っている。


これは僕が未経験だから、あくまでも想像上の話になるけれども、結婚したら、というか本格的に同棲を始めた時点から、家に相手が毎日いて、咳をしても出かけるにしてもとにかく何をするにも2人で、自分の人生の半分もしくはそれ以上を相手に委ねつつ、相手の人生の半分もしくはそれ以上を背負って、コウノトリが子供を運んで来ようもんなら子供最優先になって、と考えるだけでもう嫌になる。何かに惹かれて同棲もしくは結婚を決意させる人だとはいえ、血は繋がってないのは確か。生まれも育ちもきっと違って、価値観も異なる。性別も国籍も人種も違うかもしれない。言ってしまえば赤の他人。そんな人が隣の部屋で寝ている、向かい合って朝ご飯を食べる、同じ湯船に浸かる。これはもう世にも奇妙な物語である。真っ暗闇の中、スポットライトに照らされたタモリさんがこっちを見ている気がしてきた。脳内であの音楽(、ガラモンソングって言うの?)が流れだす。テレレレレンテレレレレン。うわああああああああぁぁぁぁぁぁあ!!!!


「喜びは二倍、悲しみは半分」なんて、少なくとも今は信じられない。
その後に続く「生活費は四倍」はなんとなく想像つくけどさ。

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