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老若日記-その28-政治家の年齢が高くても、お年寄りに優しい日本にはならない

国会議員も60歳で定年退職してもらってはどうか。
そう思わずにはいられません。 菅政権が誕生して、早5ヶ月。
内閣発足当時に閣僚の顔ぶれをみて、多くの人が思ったのではないでしょうか。
 
「おじいちゃんばっかり」

 それもそのはず。
菅政権発足時の平均年齢は60.38歳で女性閣僚は2人だけ。
菅総理自身も72歳とご高齢です。
60歳と言えば、一般の会社ではもう定年。いくら人生100年時代といえども、健康寿命などを考えると60歳超えは決して若いとはいえません。

 高齢な日本の内閣ですが、菅政権の後手後手に回った今回のコロナ対策を見る限り、年の功を発揮して良い政治をしてくれているかどうかは甚だ疑問ですよね。
 そこで今回は、世界のリーダーや首脳陣の平均年齢と幸福度ランキングを目安に、日本の政治家の高齢化について考えていきたいと思います。

幸福度世界1位のフィンランドと62位の日本

フィンランドのサンナ・マリン首相は現在35歳の女性で、閣僚の平均年齢は発足時で47歳。
日本と違い、政治の首脳陣がとても若いです。
 日本は平均寿命が高いから閣僚の平均年齢も高くなるのでは?と思った方もいらっしゃるかもしれません。
確かに日本は世界一の長寿国ですが、フィンランドは世界19位とはいえ平均寿命が80歳を超えている長寿国のひとつです。 さらにフィンランドは、世界幸福度ランキングでも3年連続で1位を獲得しています。
若い首脳陣だからと言って政治が上手くないわけでもなさそうです。

 一方、日本の幸福度ランキングは62位。
日本のランキングは年々下がっていっています。確かに日本には景気が良くなったという実感はなく、それどころかじわじわと苦しくなっているような感覚があります。
 政治による経済対策が上手くいっておらず、先行きが不安だから消費を控えるという悪循環に陥っているように思います。
確かにこの状態で幸福度が高い訳がありません。

政治家の平均年齢が若い方が幸福度が高い傾向にある

フィンランドが特別で、たまたま上手くいっているだけでは?という見方もできますよね。

 では、コロナ対策の第一波では国民からの満足度が高かったドイツのメルケル政権についてみてみましょう。
 メルケル政権発足時の内閣は16名のうちメルケル首相を含む7名が女性、平均年齢51.2歳です。
また、幸福度ランキングは17位で高めの水準です。 フィンランドほどではないものの、閣僚の平均年齢も日本より約10歳若く、幸福度も低いとはいえません。
 また、幸福度が世界2位のデンマークはというと、内閣発足時の閣僚の平均年齢は41.8歳!フィンランドより若いのです。
 幸福度世界3位のスイスは、日本に次ぐ長寿大国です。
2019年の下院議員の候補者のデータによると平均年齢は41.3歳なので、政治家の年齢が日本よりグッと若いことがわかります。

 このことから、世界では日本と同じように高齢化が進んでいても、政治家も高齢化しているわけではないことがわかります。
 それどころか、議員や内閣の平均年齢が若い国は、幸福度も高い傾向にあるといえます。

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政治家が若くなればお年寄りにも優しい社会になる

日本の政治は、閣僚が高齢ということもあり、お年寄りの声を反映していると思ってしまいますよね。

 ですが、実際にそうと言い切れるでしょうか。
 事実、高齢者の医療費は1割負担から2割負担に増加しましたし、介護職の人手はまだまだ足りているとは言いにくい状況です。
 何より、高齢者対策としても有効で日本の未来のためにも必要な少子化対策が、非常に遅れています。このままでは日本の人口は減る一方で、お年寄りの方が多い社会になってしまいます。
 子どもが生まれなければ、老後を支えてくれる人が少なくなります。
そうすると社会に余裕がなくなり、姥捨山のような時代が来てしまうかもしれません。
 そうならないためにも、もっと若者の声を聞き、意見を発信する政治家が必要です。
子育て世代の政治家が多くなれば、少子化対策ももっと効果的で実践的なものになっていくでしょう。
 少子化対策に力を入れて解決に向かえば、誰もお年寄りを負担には思いません。心穏やかに安定した老後を過ごせます。
安定した老後を迎えられれば、さまざまな方向に生きがいを見つけられ、自由な人生を謳歌できるようになります。
 そうなれば、雇用が生まれ、より豊かな日本になっていきます。
お年寄りに優しい日本に近づくでしょう。

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少子化対策が日本の未来を照らす鍵

菅内閣が掲げている少子化対策のひとつである不妊治療の保険対象は、抜本的な少子化対策とはいえません。
なぜなら、不妊治療をしている家庭の割合は全体の18.2%で、5分の1にも満たないからです。そして、残念なことに、不妊治療をしたら必ず子宝に恵まれるわけではないのです。
 多くの若者世代が求めている子育て支援は、そのようなものではありません。
誰でも保育園に入れる環境
であり、
子どもが発熱した時に安心して休めるような職場環境であり、
ひとり親でも白い目で見られない社会です。

 確かに不妊治療が保険対象になることは喜ばしいことです。ですが、その他にもっとやらなければならない重要なことが多すぎるのです。
 単純に、子どもが増えれば、高齢者も年金の不安なく安心して生活ができるようになります。財政もより安定し、介護へのサポートも手厚くなる可能性が高いです。
ですから、政治はもっと若い人の意見を取り入れて、実行するべきだと思います。

国会議員は60歳を定年にしてはどうか

日本人には、年功序列の考え方が染み付いているように思います。
時代は移り変わるものなので、次世代に席を譲ることも大切です。
元気なお年寄りが多いのはとても嬉しいことなのですが、それが逆に「老害」と呼ばれてしまう場合もあることは、どの世代にとっても幸せなことではありません。
 とはいえ、自分からやめると言うのは、生きがいがなくなるようでなかなか難しいかもしれません。
ですので、国会議員に定年制を取り入れて、卒業してもらう形式にするのはどうでしょうか。
一般の企業と同じように60歳で定年退職することにしましょう。最初は若者だけで政治をするのは不安かもしれません。ですが、長く政治に関われなくなるので、しがらみも少なくなります。

 政治を循環させていくこと。

これこそが、若者にも高齢者にも優しい日本を形作るのに必要で、これからの日本を明るくしていく道になるでしょう。

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参考URL
https://twitter.com/FinEmbTokyo/status/1204546710967504896?s=20
https://japan.diplo.de/ja-ja/themen/politik/-/1788622
https://www.smh.com.au/world/north-america/biden-s-new-cabinet-embraces-age-and-diversity-20210114-p56u7f.html
https://happiness-report.s3.amazonaws.com/2020/WHR20.pdf
https://memorva.jp/ranking/unfpa/who_whs_life_expectancy.php
https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/pamphlet/dl/30l.pdf

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