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chu!ソーシャルバッテリー瀕死でごめん♡ コミュ耐性低めな私の処世術

人間なので人と支え合わずして生きていけない。心を通わせて生きていきましょうね♡ と思ってはいる。

だが、人間が集まり「人々」および「群衆」になると話は違う。
人に飲み込まれると心理的HPゲージは瞬く間に毒状態&ヤケド状態になり、その場に存在するだけでゲージがどんどん削れていく。しまいには心的ダメージを翌日以降まで引っ張り、しばしLINEを見ることさえ怖くなってしまうのだ。それが、私だ。

本記事は大人数での飲み会、パーティ、結婚式等でひどく疲弊してしまう人間の生態を解説する。
その上でソーシャルバッテリーが瀕死になってしまった際の対処法や、上手な付き合い方を紐解ければと思っている。

あわよくば、明日の私(たち)がもっと生きていきやすくなりますよう。

(こんな気分。聴きながら読むと元気になる)

ソーシャルバッテリーとは

「ソーシャルバッテリー(social battery)」という言葉を知ったのは、とあるtwitterの投稿だった。曰く、アメリカにてコミュニケーションが苦手な人間が使う言葉だという。

A notional battery representing one's energy for socializing, with the need to be periodically recharged.
社交のためのエネルギーを表す概念的な電池で、定期的に充電をする必要があるもの。

引用:weblio英和辞典・和英辞典より「social battery」

この言葉を知った途端、目から鱗がボロボロと落ちた。そうか、無理してコミュニケーションの場にいた後の虚しさや息苦しさ、無力感はソーシャルバッテリーが切れてしまったからなのか。

例文:My social battery is low so it runs out easily.

私のソーシャルバッテリーの容量は少ないので、すぐ充電切れを起こす。なるほど、なんてフィッティングの良い言葉なのか。

「ライターの大城」という人物について

私をなんとなく知っていたり、直接会ったことがあったりする人は少々驚くかもしれない。「ライターの大城」という人間は、なかなかに喋るし話も聞けるし、酒をガバガバ飲んで上機嫌に笑い、人々の集まりでも浮かない程度の力を持っているからだ。

だが、それは「ライターの大城」という仮面を被っているからであり、本質的には正反対と言えよう。装甲の厚い戦車でフリーランス業という荒波に立ち向かっているだけなのだ。

もしかするとあなたの知っている「コミュ力のある〇〇さん」は虚像なのかもしれない。

危険!このような場所にいるとバッテリー切れを起こしちゃう

ソーシャルバッテリーの容量が元々少ない、もしくは仕事が忙しく十二分に充電をできていな状態で向かうと危険な状況やシチュエーションを、独断と偏見と経験より解説する。


■初対面および大人数での飲み会

人生においてよくあるイベントだ。プライベート等では回避できても、大学の新歓コンパをはじめ会社での歓送迎会、忘年会・新年会など挙げればキリがない。すべてを拒否するのは社会的観点から見たときに、良く思われないことが多いから、やはり”参加せねばならない”ことが多い。


■音が大きく、なおかつその音に興味がない場所

自身の好きなアーティストや映画、コンテンツであれば問題ない。問題は興味の無い音だ。例えば、繁華街の大型ビジョンで知らないアイドルや芸能人が騒いでいる映像も息苦しくなるし、2次会以降の中身のない会話だけで埋め尽くされた空間も虚無だ。

ハイデガーもパーティーは退屈だと言っていた。

■なんかめっちゃ写真撮ってくる集まり

慰労会や歓送迎会など、記念の意味で撮影する分には問題ない。むしろそのように節目のイベントはキチンと形に残した方が良いと思うので、どんどん撮影すべきだと思うししっかり写る。

問題は「なんかめっちゃ写真撮る」やつ。料理が運ばれてきて、SNS用に撮るのなら分かるが、乾杯のたびに撮影したり自撮りに巻き込まれたり何かあるごとに撮影したり、なんなのだ一体。私は普通に話に来ただけなのに。

しかも後日SNSで自身の肖像が回ってきたりする。それが一番しんどい。何の罪があって、無理をしている時の自分の顔を見なければならないのか。


■甘い酒しかない場所

これは個人差があるだろうが、甘い酒しかないようなコンパ系のお店は精神力を使う。甘い酒も苦手だが、酒をテンション上げる道具として利用するような人の集まりが発生しうる可能性も高い。
大衆居酒屋であれば助かる。ずっと梅干しサワーを飲んで、5秒に1回頷いておけばどうにかなるのだから。


■渋谷・新宿・池袋

とにかく苦手。無理。


精神力が尽きた際の症状

誤ってソーシャルバッテリーの充電を切らしたときの状態や症状は、主に4つだ。

①動けなくなる

翌日、とにかく動けなくなる。大抵苦手な飲み会に参加すると、やることもなく酒を大量に飲み続けるので二日酔いになる確率も高い。ポカリスエットを飲み、ラムネを食べながら、力の入らない手足を投げ出して布団に倒れ込んでいる。

②自暴自棄になり泣く

ある程度、精神力が戻ってくると負の感情に駆られる。内容のない会話に頷いていた虚しさや、高かった飲み会費用を思い出し、おいおいと泣く。誰を責めるわけでもなく、自分自身の情けなさや返しの下手さを一つひとつ思い出しては虚無感でしばらく壊れる。

著者絵:スン…と泣いちゃう

③SNSが怖くなる

他人とコミュニケーションを取る体力がなくなってしまっているので、プライベートでSNSを触れなくなる。特にLINEが怖い。とにかく怖くて触れなくなる。そこで、返信がうまくできず、そんな自分が嫌になり悪循環に陥る。みんなごめん。

④何か失言をしていないか不安になり、数日間フラッシュバックする

著者絵:ギャンっと目が冴える

ひとしきり壊れ終わると、冷静に昨晩の会話を思い出したりする。その際に何か失言をしていないか、それは忘れているだけではないか、など考えてもどうしようもないことを思考し、ひどく気持ちが沈む。

しかもそれが数日間続き、生活の端々にフラッシュバックという形で鈍痛が走る。4〜5日経った頃からようやく楽になる。

ソーシャルバッテリー充電方法

”終わってしまった”ときはもちろん、電池残量があとわずかな時に行うと効果的な方法を集めてみた。すべて日常に転がっている。すぐに実践しよう。

■十分に寝て、太陽に当たる

睡眠不足がすべての元凶だ。とにかくたっぷりと寝ること。そしてカーテンを開けて(寒くなければ窓も開けて)思う存分太陽に当たる。すると、ふとした拍子に起き上がれるようになる。


■静かな場所で本を読む

落ち着く世界観でいこう

部屋の隅で読みたかった本や、好きな本を読もう。温かい飲み物が手元にあるとより効果的。


■植物の手入れをしたり、小動物と遊んだりする

鳥を撫でるのは健康に良い

植物に水をやったり選定したり、植え替えするのもグッド。普段は気が進まない面倒な作業をすると気持ちが楽になる。
動物を飼っている人なら、動物たちといっぱい遊ぼう。私は小鳥を飼っているので、ひたすら遊んだり撫でたりする。


■手の込んだ料理をする

酒を入れまくって煮るのもおすすめ

頭を使いたくないので、無心でできる料理をする。煮込み+常備菜2~3品ほど作れば、2時間は台所に立ち続けられるので良い。
また気分が乗ればお菓子作りをするのもアリ。シフォンケーキは泡を潰さないように神経を使い集中できるのでおすすめ。


■河川敷を散歩する

河川敷でやっていたアートフェス

晴れていたら散歩しよう。河川敷をのんびり歩き、ときおり川を眺めればちょっと楽になれる。その際青空が出ていたら、何も考えずぼーっと見上げるのもいいよね。


■走る、踊る

だいぶ回復してきたらアクティブに身体を動かそう。走ってもいいし、自転車に乗ってもいい。このようなとき私は郡上おどりを家で踊る。有酸素運動になるし、踊り助平を心に宿すことができれば超回復できる。

心理的不安に陥らない場所

と、原因と対処にフォーカスしてみたが、ここで意外と大丈夫な場所やシーンも挙げてみよう。

■少人数である場

少々奇妙なところなのだが、3人以下の集まりは平気なのだ。むしろゆっくり会話ができるし、ペースも掴みやすい。サシは良い。ずっとサシでいいのに。

■十年来の友人の集い

そりゃ10年以上も友人関係の人間と気まずくなるわけがない。彼らは私の生態をもちろん理解してくれているし、私も皆を理解できれば嬉しいなとずっと思っている。

■電車に乗らないで良い場所

意外とこれが大きい。電車に乗って都市部へ行くと、決して生きて帰れない戦場へ向かうかのような気分になる。だが、家の近くで集まる分であれば平気なのだ。おそらく「本当に嫌になれば走って帰れる」という心理的安心感が働いているのだろう。

現代社会でうまく擬態して生きていくために

ソーシャルバッテリー容量が少なかろうが多かろうが、産み落とされてしまったので人生をやっていかなくてはならない。
ここでは、現代社会でどうにか擬態し続ける3つの方法を提唱したい。

自身のコンディションを把握する

心の充電残量を確認しておこう。できることなら、事前に充電をしておく。もしそれも厳しいのなら、「あ、今日はまずい日だな…」と状況把握しておくことで、事後のメンタルケアが多少楽になることを期待できる。

そもそも人付き合いが得意ではないと公言する

会社や地域コミュニティでは難しい話かもしれないが、プラスαの人間関係(友人の友人とか、先輩後輩とか)であれば割り切る。プライベートシーンでは「あまり人付き合いが得意でないキャラ」を押し出す。
いまは多様性の時代だ。きっとこんな私を好いてくれる人はどこかにいるし、無理して付き合うほど人生には時間が残されていない。

自分を必要以上に責めない

そして事後。自責の念の出力レベルを調整する。壊れるまで自分を責めない。まずは冷静になる元気を取り戻すこと。
どうせ酒の席だ。誰も覚えていない。上司のカツラを引っぺがしてもギリギリセーフの世界感だ、飲み会なんてもんは。

「大丈夫、酒の席なんて大したことない」と言い聞かせて

この記事は、過去・未来の大城を救うために、現在のライターの大城が書き綴った文章だ。未来の私よ、今後の人生で何かしんどいことがあれば、とりあえずこの記事を参照するように。

なんて面倒な心を持って生まれてしまったんだ、と落ち込んだこともあった。これからもソーシャルバッテリーの充電が切れることもあるだろう。けれど、自身のバッテリー容量と残量、充電方法を理解しておけば、もう少し人生を歩みやすくなるんじゃないかと期待している。

そうそう、書き忘れていた。私にとっての最大の充電方法は執筆なんだった。だからライターを生業として生活している以上、良い感じに永久機関が完成しちまったな、とも思っている。がんばって生きよう。

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