今年も郡上おどりへ行ってきた2023
郡上おどりの輪へ放り込まれて、早一年──
お盆のど真ん中、友人夫婦にクルマをぶっ飛ばし(てもらい)、今年も郡上でおどり助平をやってきました。
基礎知識&ゆるゆる備忘録的雑記です。郡上おどりファンの方も、興味がある方も、ぜひゆるりと小旅行気分を味わっていってね。
郡上おどりとは
岐阜県・郡上市で400年にわたって歌い踊られ続けてきた郡上おどり。7月中旬から9月上旬にかけて合計約30夜(!)にわたって踊られます。
さらにお盆の4日間は『徹夜おどり』と呼ばれ、夜から明け方までぶっ通しで踊るというストイックっぷり。
遡ること江戸時代、城主が士農工商の融和を図るため「お盆の4日間は身分の隔てなく無礼講で踊る」のを奨励したことが由来だと言われています。
参考:郡上おどり|郡上八幡観光協会
「寄ってらっしゃい踊ってらっしゃい」の優しい雰囲気が魅力
盆踊り、子どものころの筆者は心理的に苦手でした。
というのも、子どものころ近所の盆踊りの御姉様方がちょいと怖かったから。少しでも違う動きをすると怒られたり、適当に誤魔化すとまた怒られたり……。怒られるために踊ってるんじゃないぞ、と小学生の時分は内心怒り狂っていたものです。
そしてあれから十数年、郡上おどりに放り込まれた私はびっくら目ん玉が飛び出しそうになりました。
だって踊れていない観光客も海外の人もみんな楽しそうに輪に加わっているんだもの!!
そう、郡上おどりは見て楽しむものではなくて、参加して楽しむもの。誰でもどんな服装でも、輪に入って手足を動かしているうちに踊れるようになるのです。そしてそれでOK。怒る人もいません。むしろ「こうだよ」とやんわり教えてくれるのです。
私も何も知らずに輪に放り込まれ、見よう見まねで動いていたらいつの間にか”踊り風の何か”をできるようになってました。それが楽しくて仕方ないのよね。
見ず知らずの人と一緒に踊り下駄を鳴らしてごらんなさいよ。もう知らなかった頃には戻れないから。
ともかくユネスコ無形文化遺産登録、おめでとうございます!!
そして2022年、郡上おどりはユネスコ無形文化遺産に登録されました。おめでとうございます!
前述の通り郡上おどりの歴史は古く、一説によれば念仏踊りがはじまりだとされています。先祖代々受け継がれ、大戦など数多なる時代の荒波に揉まれながら、今日の形へと醸成されていきました。
戦後には阿波踊り・花笠踊りと合わせて日本三大民謡踊りのひとつと称され、1996年には全10曲が国重要無形民俗文化財の指定を受けたという背景があります。
郡上おどり保存会が刊行している冊子には、保存会の組織が発足してから常に資金繰りとの戦いだったとの記述が。古きを温めながらも、新しきを取り入れ、広めていくことは簡単なことではありません。
内外の人々を盛り上げ、世界が認めるボン・ダンス・フェスティバルに成長したというのは、なんだかとってもすごいことだ! と平々凡々な小市民は思うのです。
郡上おどりを踊ってきた記録
私が参加したのはお盆前半11〜12日。玄人さんは思うに違いません「なぜ……?」と。
それもそのはず、メインディッシュの徹夜踊りは13〜16日なのですから。
「どうしてメインイベントに参加しないのだ!」という気持ちはわかります。
ですが、私はまだ2年目の若葉印。少しずつステップアップする喜びを噛み締めたいのです。
8月11日 秋葉祭
さて、11日は秋葉祭での郡上おどりでした。
火伏の神として信仰されている秋葉様は郡上にも分社が所在しています。防火を願い、一年平穏に過ごせるよう祈り、それを踊りという形で奉納する一晩なのだとか。
高らかに聞こえる笛と太鼓、そして歌声がはじまりの合図です。踊り上手な地元の方も、はじめての観光客も一緒になって下駄をカランコロンと鳴らします。
輪に加わる人数に応じて、コーナーを延伸して人口密度を調整する係の方の手捌きはお見事です。雨に降られることなく、この日は22時45分ごろにはお開きとなりました。
あー楽しかった。
8月12日 納涼祭
翌12日は城下町プラザでの納涼祭の踊りでした。会場はほぼスクエア型で中心に櫓があるスタイルです。東の空にはぽっかりとお城が浮かび上がり、なんとも風光明媚な景色が広がります。
この日は開始が19時半で終わりが21時半と通常より早めの進行に。翌日から始まる徹夜に備えて、よく寝ておけよという意図もあるのかしら。
ここで痛恨のミスが発覚しました。お昼ご飯を遅めに食べたばかりに、夕飯をまだ食べていない状態で踊りがスタートしてしまったのです。
たかが盆踊りと侮るなかれ。郡上おどりはちゃんとハンガーノックになります。ハンガーノックになります!(大切なことなので二度言った)サクッとご飯を食べようにも、会場によっては少々厳しいことが多く、市街地にはコンビニもありません。そのため、
しっかりとご飯を食べて参戦する。
補給食を持っておく。
というのは対策として有効です。
さて、この2つを見事外した私たちは最初の3曲目まで踊り(古調かわさき→かわさき→春駒)、ご飯を摂取し再開という流れへシフトチェンジしました。
うーむ、ですが誠に残念なことに戻ってきた頃には高速春駒は終わっており、すぐに締めの歌「まつさか」へ。
部屋に戻り、宿の自販機でビールを飲みながら妙に余ってしまった体力のやり場に頭を捻っておりました。
あれおかしいぞ、また宿を予約してしまった……
そんなこんなで幕を下ろした私の2023年郡上おどり……って──
終われるかいッッ!!!
帰宅後、早急に宿を取り直しましたよ。8月下旬に再戦するのです。もうここまで来たら、夏を走り切るまでです。
コロナを経験した我々の中には、無意識下に「後悔なきよう過ごさねばならぬ、いつどうなるかわからないのだから」という思いがあるでしょう。そう、通常通り来年の夏を無事迎えられるなんてわからない。未来は神のみぞ知るなのですから、いま踊っておかなきゃ。
というわけで、なんと!後半へ続く!(キートン山田風に)